連載:地域経済の底力 全国には地場のビジネス活性化やブランド創出に奮闘する企業が数多く存在する。こうした企業の特徴は、自社の利益追求だけではなく、地域全体の成長や発展に向けた貢献を惜しまず、どんなときでも地域経済を根底で支えようとする姿勢を貫く点である。 連載「地域経済の底力」では、全国各地から特筆すべき企業を取り上げ、それぞれの企業が地域にもたらす具体的な成果や価値などを伝えていく。 「一番売り上げが悪かったのは昨年4月。前年の4割以下に落ち込みました。そのままズルズルと、上半期は大赤字でした」 崎陽軒の野並直文社長は半ば諦めた表情で、こう吐露する。 1日に約2万5000個を売り上げていた同社の主力商品「シウマイ弁当」は、大半が駅売りだった。そのため、鉄道による人の移動を激減させた新型コロナウイルスは、崎陽軒に甚大な損失を与えた。