日本で#MeToo運動を主導してきた伊藤詩織。その半生を描いた映画『ブラック・ボックス・ダイアリー』が、米国で公開された(日本公開は未定)。彼女が映画を作り終えて米紙に語ったこととは──。 「この次は何をしますか?」 これは伊藤詩織が嫌いな質問だ。 35歳の伊藤はジャーナリストで、9年前に東京のホテルの一室で著名なテレビ局の特派員にレイプされたと告発し、日本における#MeToo運動の顔となった。伊藤はのちに、その男性を相手取った民事訴訟で勝訴した。 いま、彼女の初監督作品である映画『ブラック・ボックス・ダイアリーズ』が米国と英国で公開されている。映画は、日本の男尊女卑と闘い続けた彼女の体験を記録したドキュメンタリーで、観る者に勇気を与えてくれる。 伊藤は、性犯罪に対してこれからどう闘っていくのかという質問に疲れてしまったという。「政治家になる予定は? 性犯罪とどう向き合うつもりですか?」と