はじめに「女優ではなく俳優」 「Womanではなくfemale」 「看護婦ではなく看護師」 昨今、ジェンダー平等の理念のもと、多くの「性差によって生じる言葉」について、「性の格差の無い言葉」への代替が推奨されている。男性と女性で区別する必要のない職名、あるいは「女性がする仕事」といった偏見を払しょくするため、例えば、看護婦や保母などは、看護師、保育士といった言葉に切り替わり、また女優もできる限り俳優と呼称することも増えてきた。 また、男性が優位で、女性が劣位であることを示す表現、ジェンダーロールを指定するような表現についても、上記の事例程ではないが、変化が現れている。例えば「夫」のことを「主人」と言うような、家父長的な表現も忌避する傾向がある。また欧米圏でも、広く「人間」を意味する"man"に対して、「女性」を表す場合にしか用いられない"woman"の非対称性の指摘などもある。(なお、時折