地方局の報道記者ながら、「あの人の番組なら、全国ネットされたらぜひ観てみたい」と広く期待を担っているテレビドキュメンタリストがいます。毎日放送の斉加尚代ディレクターです。同局で制作された『沖縄 さまよう木霊』(2017)、『教育と愛国』(2017)、『バッシング』(2018)はいずれもそのクオリティと志の高さを表しています。 本連載ではその代表作『バッシング』について取材の過程を綴りながら、この社会にフェイクやデマ、ヘイトがはびこる背景、そして記者が活動する中でSNSなどによって攻撃を受ける現状に迫っていきます。 弁護士に懲戒請求を申し立てた人に直撃 80代の男性は、余命ブログに5万円の寄付をし、書類の詰め込み作業も交通費を自己負担して大阪から関東まで出向いて手伝ったと話しました。 1回目の訪問時、「あんたの会社も在日に乗っ取られている。あんたが知らんだけや!」と断言するのでたいへん驚き、