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六辻彰二の検索結果41 - 80 件 / 99件

  • 他人と簡単に比べられる時代――SNSはデモやテロの引き金になるか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

    政治不信の蔓延は、政治家の不手際や経済の停滞などだけが理由ではなく、人々が不満を抱きやすくなっているためでもある年収数億の一部のYouTuberに代表される成功者が出やすくなった社会環境は、「隣の芝が青く見える」人を増やしている周囲から取り残された感覚は、他人との違いを常に意識させるSNSの普及によってさらに増幅される 政治不信の拡大は、政治家のリーダーシップ不足や格差の拡大といった外部条件だけでなく、「不信感を抱く側」の変化にも原因がある。人が他人と自分を比べて、おいてけぼり感を強めやすくなっていることは、社会や政治に不満のはけ口を求めやすくするとみられる。 「デモとテロの世紀」か 英国BBCは10月21日、香港をはじめ世界で広がる抗議デモを特集した。EU離脱問題に揺れるイギリスのほか、スペイン、チリ、レバノン、ハイチなど、各地に広がるデモをみれば、20世紀は「戦争と革命の世紀」と呼ばれ

      他人と簡単に比べられる時代――SNSはデモやテロの引き金になるか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
    • ウクライナ侵攻で進むロシアの頭脳流出――国外脱出する高学歴の若者たち(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

      ウクライナ侵攻をきっかけに、ロシアに見切りをつけて国外移住に踏み切る動きが加速している。そこにはプーチン政権の「経済的自殺」への悲観だけでなく、「強制的徴兵」への危機感がある。国外移住に向かう多くは高学歴の若者で、プーチン政権はウクライナや世界はもちろん、ロシアの将来にも暗い影を落としている。 ウクライナ侵攻後のロシアは、いわば「既定路線にこだわりすぎるワンマン経営者のもとから優秀な社員が次々いなくなる会社」に近づいている。 ロシアからの「避難民」 ウクライナ侵攻以来、ロシアで活動する海外メディアは次々と規制されているが、これは都合の悪いことを報じられるのを恐れているからとみてよい。そこにはプーチンのお膝元で反戦デモが広がり、すでに数千人が逮捕されていることだけでなく、ロシアから脱出を目指す動きも含まれる。 国外脱出を目指すロシア人が増えていることは、ウクライナ侵攻が始まった2月末からロシ

        ウクライナ侵攻で進むロシアの頭脳流出――国外脱出する高学歴の若者たち(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
      • アフリカから迫るバッタ巨大群の第二波――食糧危機は加速するか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

        東アフリカで大発生したバッタの大群はアジア各地にも飛来し、各地で農作物への被害が出ている6月にはインド洋一帯が雨季になると、バッタがさらに大繁殖する危険があるバッタが飛来していない中国でも、コンテナなどに紛れたバッタの侵入への警戒が高まっている バッタの巨大な群がアフリカから波状攻撃のようにアジアに迫っており、6月にはさらに大繁殖することが警戒されている。 バッタ巨大群の第二波 国連は4月、アフリカでのバッタ大発生が食糧危機をもたらしかねないと「最高度の警戒」を各国に促した。 東アフリカでは2月初旬、サバクトビバッタの大群が発生。サバクトビバッタは定期的に大発生し、1平方キロメートルにおさまるサイズの群でも約4000万匹がおり、これだけでヒト3万5000人とほぼ同量の食糧を食べるといわれる。 2月の大発生は25年に一度ともいわれる規模で、食糧危機への警戒からエチオピア、ソマリア、ケニアなど

          アフリカから迫るバッタ巨大群の第二波――食糧危機は加速するか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
        • モスクワで60人以上を殺害――テロ実行犯‘IS-K’の目的は何か…基礎知識5選(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

          モスクワ郊外のコンサートホールで60人以上の死者と100人以上の負傷者を出すテロが発生した。事件を主導したと目される過激派組織「ホラサンのIS(IS-K)」とは何者か。なぜロシアが狙われたか。歴史を振り返りながら、基本的な情報をまとめてみよう。 1.犠牲者の多さでロシア史上屈指 まず今回のテロに関して、判明していることを見ていこう。 モスクワで3月22日夜、少なくとも5人の武装グループがコンサートホールを襲撃し、自動小銃を乱射するなどして数多くの犠牲者が出た。 事件直後に現場へ駆けつけた治安部隊や救急車と避難するモスクワ市民(2024.3.22)。今回の事件はロシア本土で発生したテロ事件のうち犠牲者数で2004年のベスラン学校占拠事件以来の規模のものだ。(写真:ロイター/アフロ) これまでロシア国内ではイスラーム過激派によるテロがしばしば発生してきた。 ロシア軍は南部チェチェンで1990年

            モスクワで60人以上を殺害――テロ実行犯‘IS-K’の目的は何か…基礎知識5選(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
          • 京アニ事件は「美への憎悪」か――大量殺人をともなう芸術破壊の特異さ(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

            京都アニメーション放火殺人は芸術の破壊、アート・ヴァンダリズムと呼べる大量殺人をともなうアート・ヴァンダリズムは世界でもほとんど類例がなく、この事件の特異性を示すこの事件を引き起こした青葉容疑者の強い殺意には、京アニ作品の美しさへの憎悪がうかがえる 内戦やテロといった暴力を研究してきた筆者にとっても、京都アニメーション放火殺人事件の衝撃は大きかった。34人が殺害されたこの事件は、大量殺人と芸術の破壊が同時に行われた、世界でもほとんど例のないものといえる。 テロとは呼べない この事件をどのように捉えればよいのか。 放火殺人であることは間違いない。しかし、よくある「ストレス発散のため」といった動機づけの放火事件とは比べものにならない強い殺意と憎悪がうかがえる。また、その死者数が平成以来で最悪というほど、規模が大きい。 ただし、しばしば使われる「テロ」という表現は適当ではない。以前に述べたように

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            • 「水泳をしない生徒は国家を分断させる」――フランスで進むイスラーム規制(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

              フランスではイスラームへの規制がこれまでになく強化されているそこには、イスラームの普及が国家分裂につながるという警戒感があるこれを後押ししているのは、来年の大統領選挙に向けて右派の支持を取り込みたいマクロン大統領の選挙戦略である フランスでは「国内の分断を防ぐ」ことを目的に新たな法律が審議されているが、これは結果的に新たな分断を生む危険を抱えている。 人前でプールに入りたくない人々 フランス議会で審議されている新法は、学校での水泳の授業に参加しない生徒について指導を強めることを盛り込んでいる。これがフランス国内で大きな論争のタネになっている。 水泳の授業に参加しない生徒の多くがムスリムだ。 イスラームの教義では女性が人前で髪や肌を露出させることが戒められている。そのため、「塩素アレルギー」などを理由に水泳の授業に参加しないムスリムの少女は珍しくなく、これまではある程度、学校側も大目に見てい

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              • EVは地球に優しくても人間に優しくない一面をもつ――コバルト生産の闇(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                電気自動車が普及するにつれ、リチウムイオン電池の原料であるコバルトへの関心が高まっている。しかし、世界一の産出国であるコンゴ民主共和国では、コバルト生産をめぐる児童労働などの人権侵害が深刻である。こうした闇は、脱炭素への関心が高いが故に、国際的にはないものと扱われている。 いまや「脱炭素(カーボンニュートラル)」の一つの柱として世界的なトレンドになりつつある電気自動車(EV)は、地球には優しいかもしれないが、人間には必ずしも優しくない一面がある。 児童労働によって成り立つEV 小泉環境相(当時)が4月、「温室効果ガスの排出量を2030年までに13年度比で46%削減する」方針を打ち出したことは、その数値目標の出所をめぐる「おぼろげな」曖昧さもあって批判を招いたが、国内の政局はともかく、脱炭素の方針そのものは今後とも世界的なトレンドであり続けるとみられ、持続可能な開発目標(SDGs)との関連で

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                • トランプ大統領とシリアにとっての「IS指導者の殺害」の意味(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                  トランプ大統領はIS指導者アル・バグダディ容疑者を殺害したと発表したこれが確かなら、ISは求心力を低下させることはほぼ確実だが、各地に飛散したIS戦闘員による強盗まがいの活動はおさまらないとみられるこれに加えて、「バグダディ殺害」によってトランプ氏は念願だったシリアからの撤退に弾みをつけたが、これによってロシアが中東での影響力を伸ばすとみられる トランプ大統領は27日、「イスラーム国」(IS)指導者アル・バグダディ容疑者を殺害したと発表した。これが本当なら2014年に「建国」を宣言したISは大きなダメージを負うことになる。その一方で、その真偽にかかわらず、「バグダディ殺害」そのものがアメリカとロシアの「手打ち」になるといえる。 トロフィを手にしたトランプ大統領 ISと敵対する各国にとって、バグダディ容疑者はいわば「トロフィ」だ。そのため、これまでに何度もロシア、シリア、イラクなど関係各国が

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                  • 「犠牲を払ってもウクライナ解放」vs「今すぐ停戦」――国際世論調査にみる分断(六辻彰二) - 個人 - Yahoo!ニュース

                    国際世論調査の結果、西側では「犠牲を払っても全ウクライナが解放されるべき」という回答が多かった。しかし、「犠牲を減らすためできるだけ早く停戦するべき」という回答との差は決して大きくなく、西側内部の意見の分裂が明らかになった。さらに、なぜウクライナを支援するかの理由についても、西側のなかで見方は分かれている。 ウクライナ戦争にどんな決着をつけるべきか。これに関する意見の分断は、西側のなかでも広がっている。 国際世論調査の結果 EUのシンクタンク、欧州外交評議会(ECFR)は2月22日、ウクライナ戦争に関する国際世論調査の結果を発表した。これは複数の民間の調査会社(Datapraxis、Gallup、Norstat、YouGov)による調査の結果をECFRがまとめたものだ。 その結果、ウクライナ戦争をどのように終わらせるかについて、温度差が改めて浮き彫りになった。 上の表で示したように、西側で

                      「犠牲を払ってもウクライナ解放」vs「今すぐ停戦」――国際世論調査にみる分断(六辻彰二) - 個人 - Yahoo!ニュース
                    • ノーベル平和賞に決まったエチオピア首相――これを喜ばないエチオピア人とは(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                      ノーベル平和賞に決まったエチオピアのアビー首相は、対立する民族間の融和に尽力してきたその業績は高く評価されるべきだが、一方で自由と民主主義に基づく融和は、皮肉にも新たな民族対立の呼び水となってきたこのノーベル平和賞はゴールではなく、次のステップにされるべきものである ノーベル平和賞の受賞者がエチオピアのアビー・アハメド首相に決まったことは、明るい話題の少ないアフリカで一つの光明ではある。しかし、エチオピア国民のなかにはこれを喜ばない者もいる。 アビー首相の功績とは ノーベル賞選考委員会は10月11日、今年のノーベル平和賞をエチオピアのアビー首相に授与すると発表した(エチオピアでは東アジアと同じく、名、姓の順でなく、姓、名の順で表記するため、報道でたまにある「アハメド首相」という表記は「晋三首相」というのと同じで誤り)。 日本ではほぼ無名に近いが、アビー首相は就任して以来、周辺地域の緊張緩和

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                      • イスラエルはコロナワクチン接種の「成功例」か――捨てられる人々(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                        ワクチン接種が遅れがちな日本と対照的に、イスラエルは国民の約60%が接種を受けているとみられ、「成功例」としてしばしば取り上げられる。しかし、イスラエルが医療・衛生などの責任を負うべきパレスチナ占領地では、ワクチン接種がほとんど進んでおらず、感染者も増え続けている。これに関して、国連や人権団体からは国際法違反という批判もあがっているが、イスラエルを長年支援してきたアメリカなどは沈黙を貫いている。 コロナワクチンの接種に関して「成功例」として注目を集めるイスラエルだが、各国メディアによる礼賛の影には捨てられた人々もいる。 「成功」の影の人々 コロナワクチンの接種が極めてスピーディーに行われている国として、最近イスラエルがしばしば取り上げられる。 University of Oxford, Our World in Data 実際、イスラエルでは累計接種回数がすでに1,046万回(4月27日)

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                        • FIFAワールド杯カタール大会――「人権侵害」批判はどこまで正当か(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                          中東で初めて開催されたサッカーW杯カタール大会をめぐっては、招致決定の不透明さや大きすぎる規模などに関して、欧米で批判が噴出している。批判の一つにはカタールでの人権侵害があり、そこにはスタジアム建設などでの外国人労働者の劣悪な労働環境の他、イスラームの教義に基づく女性の権利制限などがある。しかし、欧米が人権保護に熱心であることは確かでも、熱心であるがゆえに「自分のことを棚にあげる」傾向も鮮明になりやすく、サッカーはその象徴ともいえる。 先進国の基準からみてカタールに人権侵害があることは否定できないとしても、それを先進国がどこまで批判する権利をもつかには注意が必要だ。 批判を招くカタール大会 11月20日、カタールでサッカーW杯が開催された。今回のW杯は初めて中東で開催されたものだ。 しかし、とりわけ欧米ではこれまでになく物議をかもしていて、なかにはTVのW杯中継を取りやめるスポーツバーも続

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                          • グレタ現象の影で「消された」黒人活動家――環境保護における人種差別(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                            相次いで発生する差別問題は、一部の公務員の問題というより、社会全体の風潮の反映である政治家などの差別的な発言を厳しく批判するマスメディアもそれは例外ではない「途上国は環境保護にあまり熱心でない」という差別的な言説が広がった責任の一端は先進国のメディアにある 一般によく聞かれる「先進国は環境保護に熱心だが、途上国はそうではない」という言説には先進国側の思い込みという側面がある。ある黒人女性活動家に対する差別は、これを浮き彫りにしている。 白人だけの集合写真 5月にミネソタ州で発生した白人警官による黒人暴行致死事件で高まったBlack Lives Matterのうねりは、ウィスコンシン州ケノーシャで8月23日、カリフォルニア州ロスアンゼルスで9月1日に立て続けに発生した白人警官による黒人銃殺事件で、さらに高まっている。 ただし、こうした公権力による差別は社会全体の風潮をある程度反映したもので、

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                            • 「ロシアの侵攻がなければOK」か――ウクライナがテロ輸出国になる脅威(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                              「CIAやユダヤ人の陰謀と戦うために」ウクライナを目指す白人過激派は後を絶たない。なかには欧米の現体制を打倒する「内戦」を目指し、実戦経験を積むためにウクライナに向かう者もいる。ロシアが侵攻するかしないかにかかわらず、「ウクライナ帰り」が欧米でテロに向かうリスクは高まっている。 「ロシア軍の侵攻があるかないか」だけがウクライナ危機の脅威ではない。たとえロシア軍の侵攻がなくても、ウクライナが世界中にテロを輸出する「第二のシリア」になるリスクは、すでに現実のものになりつつあるからだ。 軍事侵攻だけがリスクではない 「事態が急速にとんでもないことになりかねない」。2月10日、バイデン大統領はこう警告して、アメリカ国民にすぐさまウクライナから退避するよう呼びかけた。 昨年10月から段階的にエスカレートしてきたウクライナ危機は、いまや暴発寸前のようにも映る。仮に軍事衝突が発生すれば、戦場となるウクラ

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                              • 「大暴動は若者の親とSNSとTVゲームのせい」――仏政府の責任転嫁(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                フランス政府は10代の若者に夜間外出を認める親の他、「暴力を煽る」SNSやTVゲームを大暴動の原因としてあげた。しかし、マクロン政権はこれまで移民とりわけムスリムの反感を招く政策を数多く実施し、これがデモと暴動を招く要因となった。マクロン政権の責任転嫁は「悪いものは外から来る」という論調をヨーロッパ各国で強め、極右の活動を活発化させかねない。 マクロン政権がこれまで差別を認めてきたことは、結果的に暴動を誘発したとみてよい。 「デモ禁止」のインパクト フランスで広がる差別反対の抗議デモは、フランス政府の対応のまずさによって加速している。 6月27日にパリで発生した、警官によるアラブ系未成年の射殺をきっかけに広がった大暴動は、商店や自動車の破壊などで10億ユーロ(約1550億円)以上の損失を出したとみられ、3400人以上が逮捕された。 これを受けて、警察は7月8日「デモ禁止」を発表した。 とこ

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                                • 中国発の新型コロナウィルスはアフリカ経由で拡散するか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                  WHOは新型コロナウィルスがアフリカで拡散することに警戒感を募らせているその背景には、アフリカにおける医療体制の貧弱さだけでなく、中国との間の人の移動が急増していることがあるアフリカ経由での新型コロナウィルス拡散の懸念から、武漢や中国とのヒトの往来だけ注意していても不十分といえる 中国発の新型コロナウィルスは、アフリカを経由して世界に拡大する恐れが高まっている。この地域での拡散を防止することは、日本を含む各国にとって、自らを守ることにもつながる。 アフリカへの懸念 世界保健機関(WHO)は1月31日、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。 この声明のなかでWHOは「とりわけぜい弱な国や地域に予防や対策で支援する」とも述べている。ここでいう「ぜい弱な国や地域」とは、要するに医療・衛生が整っていない貧困国を指す。 なかでも懸念されているのが、

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                                  • GDP世界第4位転落を招いた一因としての格差構造――上位10%が全所得の44.24%を握る日本(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                    所得上位10%が全所得に占める割合でみて、日本はG7中アメリカに次ぐ高さで、格差大国とみられてきた中国と大差ないレベルにある。日本の場合、貿易依存率が低く、内需主導の経済構造であるため、格差による購買力低下は生産活動そのもののブレーキになりやすい。この格差を生んだ一因は、金融資産の形成を促すため日本政府が高額所得者への優遇税制を導入してきたことにある。 格差大国・日本 日本がGDPでドイツに抜かれて世界第4位になったことにはいくつもの要因があるが、そのうちの一つに格差の放置があげられる。 なぜそう言えるのかの前に、そもそも日本の格差の大きさを確認しておこう。 格差の計測にはいくつかの方法があるが、そのうちの一つが「所得上位10%の人口が全所得の何%を占めるか」だ。世界不平等研究室(World Inequality Lab)のデータベースによると、日本では2022年、上位10%の高額所得者が

                                      GDP世界第4位転落を招いた一因としての格差構造――上位10%が全所得の44.24%を握る日本(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                    • テキサス銃撃を「テロ」と認めた米当局――日本も無縁でない「身内のテロ」(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                      テキサス州エルパソで発生したスーパー銃撃事件は白人至上主義者によるヒスパニックへの攻撃とみられるこうした犯罪は通常「ヘイトクライム」と呼ばれるが、アメリカ司法省はこの事件を「テロ」と認めたナショナリズムの高まりは「身内のテロ」を覆い隠しやすくするが、今回のアメリカ司法省の判断は白人至上主義者によるテロがもはやないことにできないレベルに達したことを象徴する テキサスでの「テロ」 8月3日、テキサス州エルパソで発生したスーパー銃撃事件は20人以上の死者を出す惨事となった。 犯人として拘束された21歳のパトリック・クルシアス容疑者は、犯行直前にインターネット上の掲示板に「ヒスパニックの侵略からアメリカを守る」という趣旨の書き込みをしていた(エルパソはメキシコとの国境に隣接し、ヒスパニック系が住民の約80%を占める)。 さらに、2月にNZクライストチャーチで発生した、49人の犠牲者を出したモスク襲

                                        テキサス銃撃を「テロ」と認めた米当局――日本も無縁でない「身内のテロ」(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                      • 韓国だけではない「恨みの政治」――日韓対立は世界の分岐点になるか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                        かつて支配されたことに起因する「恨みの政治」は、韓国以外にも世界各地で広がりつつあるそこには手っ取り早く支持を確保しようとする政治家の戦術だけでなく、国際関係の構造の変化がある日韓対立の行方は、まだ声をあげていない国の「恨みの政治」の今後の動向を左右するとみられる これまでになく日韓関係が悪化するなか、過去に支配された側が支配した側に謝罪や賠償を要求するケースは、世界各地で増えている。日韓対立の行方は、こうした「恨みの政治」の広がりに影響を及ぼすとみられる。 以下では、主な3つの事例をみていこう。 (1)メキシコ 大航海時代の闇 3月25日、メキシコのロペス・オブラドール大統領はスペインのフィリップ国王とローマ・カトリック教会のフランシスコ法王に書簡を送り、かつてのスペイン支配やカトリック改宗の強制による文化破壊への謝罪を求めた。 1492年にコロンブスが西インド諸島に到達した後、スペイン

                                          韓国だけではない「恨みの政治」――日韓対立は世界の分岐点になるか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                        • ベラルーシはなぜロシアに協力的? 経緯や狙いは…知っておきたい基礎知識5選(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                          ロシアとウクライナの停戦に向けた協議の第一ラウンドは、ベラルーシのホメリで行われた。また、アメリカ政府は「ベラルーシもウクライナに部隊を派遣する可能性がある」と報告している。ウクライナ侵攻でしばしば名前のあがるベラルーシとはどんな国で、なぜロシアに協力的なのか。これに関して以下では5点に絞って紹介しよう。 (1)「侵攻にかかわっていない」 ベラルーシはロシアの西隣で、ウクライナの北隣に位置する。この国は、ウクライナ侵攻が始まる前からロシアへの協力が目立ってきた。 例えば、昨年末から10万を超えるロシア軍がウクライナを取り囲むように展開していたが、そのうち約3万はベラルーシにいた。ウクライナでの緊張が高まっていた2月、ロシア軍はベラルーシ軍と合同軍事演習を行ない、それが終わった後もベラルーシにとどまり続けていたのだ。 この時点ですでに「ロシア寄り」とみなされても仕方ないが、ベラルーシ駐留のロ

                                            ベラルーシはなぜロシアに協力的? 経緯や狙いは…知っておきたい基礎知識5選(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                          • アメリカで支持を低下させる黒人差別反対デモ――BLMは何を間違えたか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                            アメリカではBLMへの支持が減っており、とりわけ白人の支持低下が目立つ。白人の間でBLM支持が低下した背景には、暴動などの過激化だけでなく、BLMが白人の穏健派を取り込める目標を掲げてこなかったことがある。冷静な戦略を欠いているという点で、BLMには公民権運動との違いが鮮明である。 黒人差別に反対する抗議活動(BLM)は、アメリカで支持を減らしている。その最大の要因は、BLMの行動と目標が黒人以外に支持されにくいことにある。 風向きの変化 昨年5月にミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドが死亡した事件の裁判で、陪審団は20日、元警官デレク・ショービン被告に第2級殺人などで有罪を宣告した。白人警官が公務中の行為で有罪になることは極めて珍しいが、そこには昨年来のBLMの高まりが影響したとみてよい。 ただし、BLMに対する風向きは変わりつつある。 USAトゥデイと市場調査会社イプソスが共同で行な

                                              アメリカで支持を低下させる黒人差別反対デモ――BLMは何を間違えたか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                            • 「ロシア封じ込め」の穴(1)――ロシア非難をめぐるアフリカの分断と二股(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                              アフリカにはロシア非難と距離を置く国が多く、それは1980年代のアフガン侵攻の時代と比べても目立つ。ロシア非難に加わらない国には、ロシアに義理のある国が多い。西側に協力してロシア非難に加わる国のなかにも、実質的にはロシアとの関係を維持する国の方が多く、そこには西側の求心力の低下をうかがえる。 ウクライナ侵攻をきっかけに、日本を含む西側は「ロシア封じ込め」に力を入れている。しかし、それが西側の期待通りロシアを孤立させているかは疑わしい。中国やインドだけでなく、最貧国の多いアフリカにもロシア批判と距離を置く国は目立ち、そこには西側の求心力の低下を見出せる。 ロシア批判を控えるアフリカ ウクライナ侵攻をきっかけに、当事者同士の非難の応酬はもはや珍しくもないが、その一方で沈黙にスポットが当たることはあまりない。 ロシアのウクライナ侵攻を避難する決議を採択した国連総会(2022.3.2)(写真:ロイ

                                                「ロシア封じ込め」の穴(1)――ロシア非難をめぐるアフリカの分断と二股(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                              • 「風刺か侮辱か」――対立するフランスとイスラーム圏の共通性とは(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                フランスのマクロン大統領は風刺の自由を擁護しただけでなく、イスラームへの国家管理を強めているこれはフランス国内のムスリムの過激化を防ぐためだが、イスラーム圏からの批判を招いているその一方で、イスラーム諸国の批判には言いがかりに近い部分もあるばかりか、一周回ってマクロン大統領に近いところもある マクロン大統領が打ち出した新たなイスラーム対策は、宗教の自由を脅かすものとして、イスラーム各国から批判を集めている。 斬首テロの余波 フランスのマクロン大統領は今やトランプ大統領以上にイスラーム圏から批判の的になっている。 パリ近郊でイスラーム過激派に殺害されたサミュエル・パティ氏の国葬が行われた22日、マクロン大統領は「フランスは風刺を止めない」と宣言。殺害された歴史教員は授業で、イスラームの預言者ムハンマドの風刺画を教材に「表現の自由」について語っていた。 これに対して、トルコのエルドアン大統領は

                                                  「風刺か侮辱か」――対立するフランスとイスラーム圏の共通性とは(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                • 増える難民を援助と引き換えにアフリカの第三国に“転送”――イギリスが支払うコストはいくらか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                  イギリス議会は増え続ける難民への対策として、一人当たり約3000万円の援助と引き換えにアフリカの小国ルワンダに“転送”できる法律を可決した。しかし、国連機関や人権団体などからは、ルワンダの人権状況を念頭に、難民の安全への懸念があると批判が噴出している。これに対してイギリス政府は以前ルワンダの人権状況を批判していたが、法案審議のなかで「ルワンダは安全」と強弁して計画を実施する構えである。 一人当たり3000万円で“転送” イギリス議会は4月24日、これまで物議をかもしてきた法案を可決させた。 「難民申請者(難民としての認定と法的保護を求めているがまだ正式に認められていない者)を国外に移す」ことが可能になったのだ。この法律はイギリスにやってきた難民申請者を、アフリカ中部ルワンダに移送できると定めている。 法案成立を受けてスナーク首相は「準備はできた」と述べ、数週間以内にも“転送”が始まると発表

                                                    増える難民を援助と引き換えにアフリカの第三国に“転送”――イギリスが支払うコストはいくらか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                  • 「入院拒否のコロナ感染者に罰金・懲役」の落とし穴――海外の教訓(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                    日本政府は入院を拒否するコロナ感染者に罰金や懲役を科すことを検討している「隔離拒否」に対する罰則は多くの国で導入されているただし、海外の事例を検討すると、罰則のみで効果があがるとはいえない 入院や隔離を拒否するコロナ感染者に罰金や懲役を科すことは、各国で「最後の一手」として採用されているが、そこには限界もあり、やり方によっては絵に描いた餅にさえなりかねない。 「隔離違反」への罰則 日本政府は入院を拒否するコロナ感染者に約100万円の罰金や1年以下の懲役を科す方向で検討している。さらに、感染ルートの追跡調査に協力しない患者に対しても罰則の導入が検討されている。 無症状や軽症者を中心に入院や治療を拒否するコロナ感染者はしばしばあったが、これまで自治体などは隔離を「要請」しかできず、強制力はなかった。これは国際的にみて、極めてユルい。 海外では症状の有無にかかわらず、コロナ感染者の強制的隔離が一

                                                      「入院拒否のコロナ感染者に罰金・懲役」の落とし穴――海外の教訓(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                    • ‘安全なカナダ’でなぜ?――‘トラック軍団占拠’の影にいる者(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                      カナダを代表する大都市オタワやトロントの中心地を1000台近い大型トラックが1週間にわたって占拠している。その多くはワクチン義務化に反対するトラック運転手やその関係者だが、これに極右が紛れ、デモを煽っている。占拠の長期化にオタワ市は緊急事態を宣言したが、強硬手段は極右をさらに過激化させかねないため、カナダ政府の手腕が問われている。 カナダの大都市オタワやトロントは1月末から、その中心部が無数のトラックによって占拠されている。デモ隊の中心にいるのはワクチン接種の義務化に抗議するトラック運転手だが、その影にはカナダ政府に「テロ組織」に指定される極右団体の姿もある。 オタワの緊急事態宣言 オタワのワトソン市長は2月7日、緊急事態を宣言した。市中心地が1週間にわたってトラックの大群に占拠され、交通が遮断されて市民生活に悪影響が出ているというのだ。このデモ隊はフリーダム・コンボイ(Freedom C

                                                        ‘安全なカナダ’でなぜ?――‘トラック軍団占拠’の影にいる者(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                      • 中国に近づく白人極右――コロナで強権化するハンガリーの「独裁者」(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                        白人至上主義的なヨーロッパ極右のなかで、ハンガリーのオルバン首相は珍しく中国との関係を重視するそこにはフランスやドイツが主流を占めるEUへの反感と、コロナを機にEUの影響力がハンガリーに増すことへの警戒があるオルバン首相のもとでハンガリーは中国にとってヨーロッパにおける拠点になりつつある 移民排斥などを叫ぶヨーロッパ極右のなかにあって、ハンガリーのオルバン首相は親中派であることを隠さず、そのもとでハンガリーは中国の「一帯一路」がヨーロッパを貫く起点になり得る。 「中国との友情は不変」 ハンガリーのオルバン首相は10月2日、中国の建国記念日に習近平国家主席に親書を送り、「国際環境が変わっても両国の友情は不変」、「コロナ禍との戦いは両国の友情を証明する」とメッセージを送り、中国との親密な関係を強調した。 日本では知名度が高くないものの、オルバン首相は移民排斥を叫ぶヨーロッパ極右の代表格の1人だ

                                                          中国に近づく白人極右――コロナで強権化するハンガリーの「独裁者」(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                        • 首脳宣言なきG7サミット――「西側先進国」空中分解の歴史を紐解く(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                          G7はアメリカ単独で世界をリードできなくなった時代背景のもと「主な西側先進国による集団指導体制」として生まれた「西側先進国」が政治・安全保障面だけでなく経済的にもお互いに依存していたことは、それを可能にしたG7ビアリッツ・サミットで首脳宣言が採択できなかったことは、この条件が徐々に失われてきたことの一つの結果であり、冷戦時代に生まれた「西側先進国」というくくりの有名無実化を象徴する 8月26日、フランスで開催されていたG7ピアリッツ・サミットが貿易問題などで紛糾し、首脳宣言が取りまとめられないまま閉幕したことは、冷戦時代に生まれた「西側先進国」というくくりがもはや成り立ちにくくなった歴史的変化を象徴する。 G7の空中分解 G7サミットで首脳宣言の採択が見送られたのは初めてだ。主要先進国が世界情勢に共通の見解と行動目標を示せなかったことは、その結束の揺らぎを象徴する。 ただし、これは何も突然

                                                            首脳宣言なきG7サミット――「西側先進国」空中分解の歴史を紐解く(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                          • 岸田政権は「海外に資金をばらまいている」か――データから浮かぶ援助の変貌(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                            SNSなどでは岸田政権への批判の一環として「海外で資金をばらまいている」といわれる。データを確認すると、実際に2021年頃から海外向け援助が急増している。贈与額は2022年に2000億円だったが、今年はそれをさらに上回ると見込まれる。海外への資金提供は実際に増えている このところSNSなどでは、岸田政権が「海外で資金をばらまいている」という批判が目立つ。 物価上昇、「異次元の少子化対策」に代表される疑問の余地の大きい政策、首相の家族を含む政府関係者の不祥事などへの不満が、これに拍車をかけているかもしれない。 しかし、これらの問題を一旦おいたとして、実際に海外に提供される資金は増えているのだろうか。 少子化対策で記者会見に臨む岸田首相(2023.6.13)。財源に関する疑問を含めて異論や批判も少なくない。(写真:代表撮影/ロイター/アフロ) 結論的にいえば、増えている。しかも、今後も増え続け

                                                              岸田政権は「海外に資金をばらまいている」か――データから浮かぶ援助の変貌(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                            • アフガン全土の制圧に向かうタリバン――女子教育は再び規制されるか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                              米軍の撤退と入れ違いに、タリバンはアフガニスタン全土で攻勢に出ている。アフガン軍がこれを食い止めることはほぼ不可能で、タリバンは遅かれ早かれ政権を獲得するとみられる。その場合、かつてのような厳格なイスラーム支配の復活への懸念もあるが、タリバンがより現実的な方針に転換する兆候もうかがえる。 米国の撤退に合わせて、タリバンはアフガニスタン全土で猛攻を続けている。タリバン支配が復活すれば、かつてのように女の子が教育を受ける権利を制限されるのだろうか。 「名誉ある撤退」の影で バイデン大統領は10日、「アフガニスタン撤退を決めたことを後悔していない」と発言した。昨年3月のタリバンとの合意に沿って、米軍や北大西洋条約機構(NATO)加盟国の軍隊がアフガン撤退を進めるなか、タリバンが9日までに34州のうち8州の州都を制圧し、首都カブールにまで迫るなかでの発言だった。 米軍やNATOが我先に撤退するなか

                                                                アフガン全土の制圧に向かうタリバン――女子教育は再び規制されるか(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                              • 放送法「行政文書」問題が浮き彫りにする日本の封じ込め体質――内部告発は悪か(六辻彰二) - 個人 - Yahoo!ニュース

                                                                日本は諸外国と比べても内部告発者に冷淡な制度しかなく、これは問題の隠蔽をエスカレートさせる体質につながってきた。放送法の解釈変更をめぐる内部文書の公表を受け、内部告発者を特定するべきという意見は与野党にある。それは内部告発によってしか明らかにされない疑惑や問題を抑え込もうとする圧力になりかねない。 放送法の解釈変更をめぐる総務省の内部文書が公開された問題は、はからずも日本が「内部告発者に冷たい国」であることを、改めて浮き彫りにしたといえる。 「内部告発者が問題」なのか 総務省は3月7日、安倍政権時代の放送法をめぐる官邸とのやり取りに関する内部文書を公表した。 その内容は立憲民主党の小西洋之議員がすでに公表していたものと同じく、2014年から2015年にかけて安倍元首相や当時の高市早苗総務相、礒崎陽輔首相補佐官らが政権批判の目立つTBS「サンデーモーニング」など個別の番組を念頭に、TV放送の

                                                                  放送法「行政文書」問題が浮き彫りにする日本の封じ込め体質――内部告発は悪か(六辻彰二) - 個人 - Yahoo!ニュース
                                                                • 「香港に自由を」と叫ぶ前に――「中国だから」の批判は人権尊重ではない(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                                  日本ではそれ以外の国の問題をほぼスルーしながら、中国など特定の国に対してだけ人権を説くことが少なくないこうしたダブルスタンダードは「普遍的価値として」人権を尊重していることにならず、説得力に欠けるダブルスタンダードを小さくしながら人権問題に取り組めるかが日本にとっての課題である 「香港に自由を」「中国政府は人権を守るべき」という声は日本国内でもよく聞く。しかし、ただ中国を批判するためにそれを言うなら、嫌中感情を満足させるために人権を利用しているに過ぎない。 「香港に自由を」への違和感 先日、新宿駅西口にいたところ、街宣車が「香港に自由を」「中国政府は人権を尊重しろ」と連呼するシーンに遭遇した。 こうした論調は保守系を中心にメディアで珍しくない。その代表ともいえる産経新聞は香港問題に関して「日本は人権を守る側に立て」という社説を掲載。その主張の明確さは主要紙のなかでも群を抜く。 デモを力づく

                                                                    「香港に自由を」と叫ぶ前に――「中国だから」の批判は人権尊重ではない(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                                  • 米兵がガザ侵攻に抗議の焼身自殺――「ヒーローか、アナーキストか」を考える(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                                    ワシントンD.C.にあるイスラエル大使館前で現役米兵がガザ侵攻に抗議して焼身自殺したことは、アメリカで賛否両論を招いた。この問題の背後関係として「カルト教団」や左派メディアの影響などを取り上げるメディアもある。しかし、どんな思想信条かにかかわらず、焼身自殺という過激な手法が反戦世論を高めかねないことにアメリカ政府は懸念を強めているとみられる。 「もうジェノサイドに加担しない」 ワシントンD.C.にあるイスラエル大使館前で2月25日、若い男性が焼身自殺した。 その様子を自らカメラで配信した彼は燃料のようなものを被り、火をかける直前に以下のように宣言した。 「私はアーロン・ブッシュネル。現役の米空軍兵士だ。自分はもうジェノサイドに加担しない…これから極端な方法で抗議をするが、パレスチナの人々が植民者によって行われていることに比べれば、たいして極端でもない…それが我々の支配階級が当たり前と決めて

                                                                      米兵がガザ侵攻に抗議の焼身自殺――「ヒーローか、アナーキストか」を考える(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                                    • アメリカの「人権カード」に効果がない理由――香港をめぐる米中新冷戦(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                                      アメリカをはじめ欧米は香港問題をめぐり、人権や自由を尊重しない国として中国への批判を強めているしかし、この「人権カード」が多くの国の賛同を得ることはなく、中国を孤立させる効果はほぼないそこには世界の大半を占める途上国の、先進国のいう「人権と自由」への疑問と警戒がある 香港を挟んで米中は「新冷戦」を本格化させているといわれるが、これは勝者なき消耗戦になる公算が高い。 「人権カード」はどこまで有効か アメリカ政府は5月29日、香港に対する優遇措置の撤廃を発表した。中国の国家安全法によって香港の高度な自治が脅かされることへの制裁とみられる。 この他にも、アメリカはイギリス、カナダ、オーストラリアとともに共同で懸念を示した他、中国人留学生のビザ取り消しなども検討中といわれる。 トランプ大統領は2018年の就任から中国との貿易戦争に踏み込み、最近では「コロナ発生源」をめぐる舌戦もエスカレート。こうし

                                                                        アメリカの「人権カード」に効果がない理由――香港をめぐる米中新冷戦(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                                      • 中国はロシアに協力するふりをしつつ裏切るか――中央アジア争奪をめぐる暗闘(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                                        ロシアの‘裏庭’中央アジアに中国は進出を加速している。これは「ウクライナに忙殺されるロシアに代わって中央アジアの結束を固めるため」というより、ロシアの縄張りに本格的に切り込むためとみられる。この地域は中国にとって死活的な重要性を増しており、米ロが身動きしにくい間隙をついてアクションを起こすのは中国の常套手段でもある。 中国がロシアと完全に手を切ることは想定できないが、その一方でロシアと一蓮托生するつもりでいるとも思えない。 「裏切り」を思わせる4つの理由 G7広島サミットの開催日と同じ5月19日、中国政府は中央アジア5カ国の首脳を招いた国際会議C5+1を西安で開き、その共同宣言で「先進国が古臭い冷戦型の思考に陥っている」と批判したうえで、先進国主導の国際秩序と異なる秩序の必要を強調した。 この場で中国政府はインフラ建設などのために38億ドルの資金協力を約束した他、貿易や投資のさらなる活発化

                                                                          中国はロシアに協力するふりをしつつ裏切るか――中央アジア争奪をめぐる暗闘(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                                        • コロナで息を吹き返すボコ・ハラム――高校生集団誘拐は氷山の一角(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                                          イスラーム過激派ボコ・ハラムに誘拐された300人以上の高校生は釈放されたと報じられているしかし、ナイジェリアではテロ事件が今年に入ってから増加しており、今回の事件は氷山の一角に過ぎないそこにはコロナ禍が軍の人手をコロナ対策に向かわせ、さらにボコ・ハラムのリクルート対象である生活困窮者が増えていることがある 寄宿学校を襲い、300人以上の男子高校生を誘拐したことでボコ・ハラムは再び世界の注目を集めたが、そこにはコロナが少なからず影響している。 不透明な解放劇 アフリカ西部のナイジェリアでは12日、同国カチナ州にある寄宿制学校が襲撃され、300人以上の男子高校生が誘拐された。翌日、イスラーム過激派ボコ・ハラムが犯行声明を出した。 ボコ・ハラムは2014年にも270人以上の女子高生を誘拐し、世界の注目を集めた。そればかりか、治安を維持できないナイジェリア政府への不満を高め、同年の大統領選挙でジョ

                                                                            コロナで息を吹き返すボコ・ハラム――高校生集団誘拐は氷山の一角(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                                          • スリランカはなぜ急速に「破たん国家」に近づくか――危機と日本の関わり(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                                            南アジアのスリランカは経済危機に陥り、抗議デモの激化によって政治危機も深刻化している。そこには長年、大統領などの要職を握ってきた一族支配の弊害がある。海外からの資金に依存した場当たり的な経済運営が破たんするリスクは、スリランカだけのものではない。 国際的な海上輸送の一つの拠点でもあるスリランカは、混乱の広がりによって国家としての体裁を保てない「破たん国家」に近づいている。これは世界に広がる政治・経済のリスクの氷山の一角といえる。 コメ価格が6倍以上に ウクライナ戦争に注目が集まるなか、南アジアのスリランカでも危機が深刻化している。 スリランカでは急速に物価が上昇しており、3月には18.7%のインフレ率を記録した。その結果、通常1kgでおよそ80ルピー(約32円)のコメが、4月には500ルピー(約200円)にまで値上がりした。 これに並行して、電力不足で1日10時間以上も停電が続き、医薬品な

                                                                              スリランカはなぜ急速に「破たん国家」に近づくか――危機と日本の関わり(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                                            • 2020年、ハイカカオチョコは値上がりするか――カカオ攻防最前線(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                                              取り引き企業との合意に基づき、大生産国コートジボワールとガーナがカカオ豆の価格を引き上げたことで、チョコレート市場は大きな影響を受けることを避けられないこの値上げはカカオ農家の貧困対策が大きな目的であるしかし、多くの企業はもともとこの合意に消極的なため、生産国との間で、その後もカカオをめぐるつばぜり合いは続いている この数年は「カカオ●%」など濃厚なチョコレート、いわゆるハイカカオが目立ち、クリスマスケーキもその例外ではないが、来年はこのトレンドが変化するかもしれない。カカオ豆の価格が上がったからだ。 カカオ豆の値上げ 世界のカカオ豆の約60%はコートジボワールとガーナで生産されている。どちらも西アフリカの貧困国で、カカオ輸出が重要な収入源の一つになっている。 この両国は6月、カカオ豆の最低価格を1トンあたり2600ドルにすることを食品メーカーや流通業者と合意した。 この価格体系は2020

                                                                                2020年、ハイカカオチョコは値上がりするか――カカオ攻防最前線(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                                              • 撃たれても倒れない‘ゾンビ兵’はロシアにいるか――ウクライナ戦争の影の薬物(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                                                ロシア軍事企業「ワグネル」兵士が銃で撃たれても倒れないなど、覚醒剤投与の疑惑が浮上している。ワグネルは疑惑を否定しているが、戦場に送り出される兵士への麻薬支給はこれまでにもあった。その一方で、ウクライナ国内の薬物問題も戦争で深刻化している。 「撃たれても倒れない」「味方の犠牲をまるで気にしていない」などの証言から、ロシアが覚醒剤を兵士に投与している疑惑が濃くなっている。 「ゾンビ映画みたいだ」 ウクライナ東部のドネツク州バフムトで4月3日、ロシア軍事企業「ワグネル」の部隊が市庁舎にロシア国旗を掲げ、制圧を宣言した。しかし、その後もバフムト西部ではウクライナ軍の抵抗が続いていると英BBCは報じている。 ロシアはウクライナ東部の制圧を重視し、バフムトはその主戦場になっている。 その制圧のため、ロシアが兵士に覚醒剤を投与している疑惑は以前から浮上していた。昨年11月、あるウクライナ兵はメディア取

                                                                                  撃たれても倒れない‘ゾンビ兵’はロシアにいるか――ウクライナ戦争の影の薬物(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                                                                                • 「親ロシア派政権樹立はウクライナ人のため」か――レジーム・チェンジの罠(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                                                                                  ロシアはウクライナ軍に政府との訣別を呼びかけ、親ロシア派政権の樹立を目指している。ロシアの言い分ではこれが「ウクライナのため」となる。しかし、外国によるレジーム・チェンジは多くの場合、事態をより悪化させやすい。 ロシアがウクライナ軍に政府打倒を呼びかけた。「徹底抗戦を叫ぶ今のウクライナ政府が引っ込めば、無駄な戦闘が減り、市民の犠牲を抑えられる」というのがロシアの論理だが、そこには疑問の余地が大きい。 親ロシア派政権はできるか プーチン大統領は26日、ウクライナ軍に対して政府に反旗を翻すよう呼びかけた。それによると、「ネオナチのウクライナ政府は子ども、女性、高齢者を人間の盾にしている」「あなたたち(ウクライナ軍)が権力を握れば、そちらの方が交渉は簡単だ」。 【参考記事】なぜウクライナで欧米とロシアが対立? 経緯や今後は…知っておきたい基礎知識5選 アメリカ政府によると、ウクライナ側の抵抗によ

                                                                                    「親ロシア派政権樹立はウクライナ人のため」か――レジーム・チェンジの罠(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース