一方、台湾国防部の発表によれば、演習には戦闘機やヘリコプター、無人機も含めて125機が参加し、うち90機が台湾の領域に侵入してきたという。さらに台湾本島の東部海域には、空母「遼寧」まで繰り出し、艦載機を出撃させた。すっかり「選挙モード」に突入している日本も、石破茂首相が緊急のコメントを出したりして、大わらわだった。 「武力統一はリスキー」 この突然の軍事演習を、どう捉えたらよいのだろう? 私は最近の両岸関係について、一つの仮説を立てている。それは、以下のようなものだ。 習近平中央軍事委員会主席(軍トップ)は、「盟友」のウラジーミル・プーチン大統領がウクライナで展開しているような戦争を、台湾との間でおっ始めたくない。当然ながら台湾は統一したいが、「武統」(ウートン=武力統一)は自己の政権を疲弊させ、あまりにリスキーだと考えているのだ。 ところが人民解放軍の強硬な幹部たちは、「習近平強軍思想」