東京証券取引所で2020年10月1日に発生したシステム障害を巡り、金融庁は2020年11月30日、東証に対して同日付で金融商品取引法に基づく業務改善命令を出した。東証がシステム障害により取引を終日全面停止したのは1999年の取引全面システム化以来初であり、金融庁は事態を重く見た格好だ。システム障害を原因とする金融庁から東証への業務改善命令は2005年12月と2012年8月に次いで3回目となる。 金融庁は東証への業務改善命令において、4項目の再発防止策を求めている。具体的には(1)システムに使う機器を仕様変更した際の確認プロセスの見直し、(2)機器が故障しても、取引継続に重要な役割を果たす機能まで停止しないようにする方策、(3)明確で実効的のある注文の受付停止ルールや売買再開ルールの整備と、取引参加者を含めたテストや訓練の実施、(4)システムのレジリエンス(障害回復力)を高める施策の洗い出し