高松忠史 北の大地 北海道で心に傷のある中年男と命を絶ちに北海道へ来た美人中国人教師が出逢う。 果たして二人の出逢いは偶然なのか? その日妻が死んだ そして同じ日 南波洋介 の心も死んだ… 夕方の砂浜の広がる海岸 周りに家もひと気もない そこは北海道のとある寂しい海岸 洋介は車の中でうなされていた。 洋介はふと自分のベッドで目を覚ました。 隣のベッドに寝ているはずの妻の姿がない。 洋介は訳のわからない疲労感で重くなった上半身をゆっくりと起こし妻の名前を呼んだ。 美紗子 返事がない。 隣の部屋に入っても妻の姿がない。 リビングやキッチンにもいない。 洋介は急に得体の知れない不安感に襲われた。 美紗子! トイレ、バス、クローゼットの中まで手当たり次第に開けた。 しかし静まり返った家の中に妻はいなかった。 玄関に行くと妻の靴は並べられたままだ。 洋介は外に出て妻の名前を呼んだ。 血の色を連想させ