小林隆[こばやし・たかし]さん 東北大方言研究センター教授。1957年新潟県生まれ。東北大国語学研究室を経て国立国語研究所研究員。2004年東北大文学部教授。博士(文学)。専門は方言学。著書に『ものの言いかた西東』(岩波新書)、『とうほく方言の泉』(河北新報出版センター)など。仙台市青葉区在住。 「学校」「病院」「経済」「法律」「自由」。これらはいずれも中国語から日本語に取り入れられた漢語である。この漢語、硬い印象の言葉も多いから、方言とは無縁のように思われるかもしれない。ところが、方言の中にも漢語は数多く入り込んでいる。かなり姿を変えているから簡単には見破れないが、素性を尋ねると意外にも漢語だったというものが結構ある。 その一つがズンダである。あの枝豆をすりつぶし、砂糖で甘く味付けしたズンダ餅のズンダである。「豆打」説などいくつか語源説があるが、どうやら漢語「糂汰(ジンダ)」に由来するよ