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司馬遼太郎の時代-歴史と大衆教養主義 (中公新書 2720) 作者:福間 良明 中央公論新社 Amazon 「司馬さんの書かれるものは日本外史とでも呼ぶべき種類の史書ではあるまいか」とは、有吉佐和子の『坂の上の雲』評だ。このように、司馬遼太郎作品はたんなる歴史小説の枠をこえ、一種の教養本として読まれている。司馬作品は物語中にしばしば「余談」がさしはさまれ、そこでは司馬の政治や軍事、世論などへの見解が自在に語られる。こうした特徴は吉川英治や山岡荘八といった、それまでの歴史作家の作品にはないもので、読者の歴史への知的関心をかきたてるものだった。なぜ司馬の「歴史教養本」は時代に求められたのか。『司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義』によれば、司馬作品の人気を支えていたのは、昭和50年代に起きた「大衆歴史ブーム」だという。 昭和50年代に司馬作品を愛読していたのはおもに中年男性だが、かれらは教養主
【新教養主義的読書術No.3】10月23日(金曜)21:00〜:山形浩生『世界を支配する隠された秩序について』 新教養主義宣言・トークイベント vol.10 2020.10.21 Updated by on October 21, 2020, 17:44 pm JST 今回の山形浩生的・新教養主義的読書術(第三回)は、彼自身が翻訳した『スケール』(ジョフリー・ウエスト著、早川書房)を精読します。この書籍では生命・組織・企業・都市・経済成長などは全て同じ統一原理で説明できる、と主張します。トンデモ本の香りが漂ってきますが、著者のジェフリー・ウェスト(Geoffrey West)はケンブリッジ大学で学士号、そしてスタンフォード大学で博士号を取得し、原爆の開発で有名なロスアラモス研究所(LANL)での勤務を経て、2009年まで複雑系(complex system)のメッカとして有名なサンタフ
ビジネス成功のために必要な知識を身に着ける「教養」がいま必要だ――。 このような文言を目にしたことはないだろうか? しかし、その「教養」の中身を見ると、短時間でざっくり学べる名著の解説、インフルエンサーによる自己啓発セミナーなど……。 はたして、これらから学ぶことが本当に「教養」と言えるのか? かつて「歴史小説」を読むことが、大衆にとっての「教養」となっていた時代があった。そんな時代を代表し、2023年の今年、生誕100年を迎える小説家・司馬遼太郎について社会学者の福間良明さんにご寄稿いただいた。 「余談」の教養 戦後の国民作家と言えば、真っ先に思い起こされるのが司馬遼太郎だろう。日露戦争を扱った『坂の上の雲』の累計発行部数は1970万部、坂本竜馬と幕末期を描いた『竜馬がゆく』に至っては2500万部にものぼる。ちなみに、今年(2023年)は司馬遼太郎生誕100年にあたり、3年後の2026年
「新教養主義宣言 オンライントークイベント」をスタートします 2020.05.01 Updated by WirelessWire News編集部 on May 1, 2020, 10:15 am JST クライアントである理工系大学に「リベラルアーツ」を学ぶ学部が設置された頃(おそらく2016年前後)から、改めて「教養って何だ?」が気になり始め、僭越にも大御所にこんな原稿(エリートと教養)を依頼したり、あるいは編集部でも議論したり、いろいろな文献を漁ってみたりしたものの、何となくスッキリしないまま時間が過ぎていました。 ここ数年の教養ブームに便乗しただけの、タイトルに「教養」を含む書籍はほぼ例外なく失格。これらは「歴史と文化に通じていることが教養だ」と主張しているに過ぎず(無論これも大切な要素のひとつなのだろうけれど)、筆者が普段から体感(=人の振る舞いから五感を通して感じるもの)してい
自電車置き場の屋根理論というものをご存知でしょうか。 自転車置き場の屋根の色理論(パーキンソンの凡俗法則)とは、「どうでもいいこと(誰にでも分かるような簡単なこと)ほど議論が白熱してしまう」ことを言います。 マイナーな内容なので、ご存知の方は少ないかと思いますが、日常生活でかなり見かけるようなことなので、知っておくだけでそこそこ賢く生きていけるようになると思います。 今回は自電車置き場の屋根の色理論について説明していきます。
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