「これまで数多く見てきた中で一番ひどい代表戦だ……」 初老のドイツファンが嘆き節をグラウンドをじっと見つめたままつぶやいていた。誰もその言葉を否定できない。 心のどこかで期待していた一戦 ホームゲームだったはずの試合で、W杯での借りを返すための試合で、ここ最近の不振全てを取り戻すための試合で、ドイツ代表は強豪とはとても言えないパフォーマンスのまま、日本代表に1-4で敗れた。 ドイツが誇るワールドカップ優勝4回、欧州選手権優勝3回という栄光は世界有数のものだ。過去に数多くの国際ビッグトーナメントで好成績を収めてきたドイツに、誰もが畏怖の思いを抱いていた。 でも今の代表チームが優勝したわけでも、特別なパフォーマンスを発揮したわけでもない。その事実に、どれだけの人が本気で向き合っていたのだろう。 日本戦はハンジ・フリック監督にとって、自身の進退をかけたラストチャンスだったし、多くのドイツサッカー