景気の状況が良好ではないにもかかわらず、株価がしっかりしているのは主要先進国もみられるのだが、中でも日本株が強い。その背景には、世界的に“金余り”の状況が続いていることがある。 昨年来、割安感の高まった日本株を買う欧米の主要投資家は増えた。1月、米国で前のめり気味に利下げ期待が高まり米欧の金利は低下した。生成AI関連の成長期待は追加的に高まり米国株の過熱感は高まった。それにつられて、日本株の上昇も鮮明化した。 企業は賃上げと収益力を上げることが不可欠 新型NISAによる個人投資資金の流入もあり、上昇速度が加速した。また、中国経済の低迷懸念の高まりにより、中国株を売り、日本やインドの株を買う投資家も増えたことも見逃せない。中東のオイルマネーの流入も目立っている。 ただ、足許、日本株の割安感はほとんどなくなった。目先、日本株が一段高を試す可能性はあるが、いつ、高値から数パーセントの調整があって