オールタイムで愛され、ドラマ化、アニメ化作品も膨大。ベストセラーを供給し続けている食マンガは、どのようにして生まれ、これからどこに行くのか。『マンガの食卓』(NTT出版)著者であり、朝日新聞読書面コミック欄ほか各紙誌でマンガ関連記事を企画執筆、2015年より手塚治虫文化賞選考委員も務めるマンガ解説者・南信長さんにお話をうかがいました。 ポイント① 「プロの料理」から「素人の料理」へ 食マンガはかつてプロのものだった食マンガの元祖は、マンガ史的には1970年に連載がスタートした望月三起也さんの『突撃ラーメン』と言われています。ただ、食をテーマにしつつもアクションマンガだったので、料理がうまそうかというとそうではありませんでした。 今の隆盛につながる食マンガの元祖は、やはり1973年の『包丁人味平』ということになるでしょう。プロの料理人による料理バトルが題材。カレー将軍の鼻田香作をはじめとした