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杉田俊介の検索結果1 - 13 件 / 13件

  • 宮崎駿の神と革命(ノート)――『君たちはどう生きるか』から『風の谷のナウシカ』へ|杉田俊介

    ★以下は、学習院大学での講演@二〇二三年十一月二五日のために事前に準備したノートです(ディスカッションを受けて、後日の加筆修正あり)。いつか書かれるべき『ナウシカ論』のための助走用のノートでもあります。ご批判を受けながら時間をかけて書き進めていくつもりです。よろしくどうぞ。(現状約32,000字) こんにちは。本日はお招き頂き、ありがとうございます。在野で、独学で批評を書いて生業にしている杉田俊介と言います。 まずは個人的な話からはじめます。私はこれまでに『宮崎駿論――神々と子どもたちの物語』(二〇一四年)、『ジャパニメーションの成熟と喪失――宮崎駿とその子どもたち』(二〇二一年)という本を刊行しました。『宮崎駿論』は幸いにも繁体字と簡体字に翻訳され、後者はまもなく繁体字版が刊行されます。後者の「あとがき」にも書いたのですが、わたしの宮崎駿論は三部作の構想になっています。もう一冊、『千と千

      宮崎駿の神と革命(ノート)――『君たちはどう生きるか』から『風の谷のナウシカ』へ|杉田俊介
    • 反資本主義映画『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』を観てきた!(+ひさびさの杉田俊介批判) - 曇りなき眼で見定めブログ

      なかなかおもしろかった! 映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ ゲームであそぼう! 映画の世界 -Switch +クッションinブランケット(しろくま) 付 (【Amazon.co.jp限定】Nintendo Switch ロゴデザイン マイクロファイバークロス 同梱) 日本コロムビア Amazon 恥かしながら始めて見た「すみっコぐらし」。ちいかわみたいなもんかと思ってたらちいかわより古いらしい。そして見たらちいかわみたいなもんだった。 アニメはなかなか独特な作りだった。手の動きなんかを見ると3コマっぽいのだが、胴体の動きはCGを使っているようでヌルっとしている。全体的にどうやって作っているのかわからない。感触としては『星のカービィ』に近い感じで、カービィのかわいさに通じるキャラクター表現であった。喋らない代りに足音がポコポコいうのもかわいい。 小さい子どもも観にきていてところ

        反資本主義映画『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』を観てきた!(+ひさびさの杉田俊介批判) - 曇りなき眼で見定めブログ
      • 意志の力ではどうにもならなかった人へ ――『嫌な気持ちになったら、どうする?』書評 (評者:杉田俊介)|じんぶん堂

        じんぶん堂TOP 歴史・社会 意志の力ではどうにもならなかった人へ ――『嫌な気持ちになったら、どうする?』書評 (評者:杉田俊介) 記事:筑摩書房 ネガティブな気持ちの特徴や性質を知れば、今より上手に対処できるようになる 書籍情報はこちら ネガティブは私たちみんなの共通テーマ 現代生活においてはメンタルを病んでいたり、自己肯定感が低かったり、依存症的であったりすることは、当たり前でありむしろ標準的かもしれない。摂食障害や依存症について研究してきた社会学者である著者は、大学の授業で若い人々に接してきて、生きづらさや「ネガティブ」を抱えた学生が多いことに驚いたという。「若者であれ、大人であれ、ネガティブは私たちみんなの共通テーマです」。 ネガティブ(嫌な気持ち)とは一種の「妖怪」である、と著者は言う。人びとはネガティブ=妖怪に憑依され、憂鬱になり、自分を否定していく。しかもそれは他人に感染し

          意志の力ではどうにもならなかった人へ ――『嫌な気持ちになったら、どうする?』書評 (評者:杉田俊介)|じんぶん堂
        • 「安楽死が合法の国で起こっていること」 「安直」で「安価」な代替案になってしまう実態 杉田俊介が選ぶ新書2点|好書好日

          『安楽死が合法の国で起こっていること』 目を逸(そ)らさず読んでほしい。児玉真美『安楽死が合法の国で起こっていること』(ちくま新書・1034円)によれば、安楽死の対象は終末期のみならず、子ども、認知症患者、精神/発達/知的障害者、QOLの低い人などに拡張されつつある。一般の人々が「素朴な善意」でそれを後押しする。尊厳死、安楽死、医療幇助(ほうじょ)自殺、緩和ケアなどの区別すらろくに知らないままに。その時安楽死は福祉や医療資源の不足に対する「安直」で「安価」な代替案となる。「患者の自己決定権」すらなし崩しの日本では、死ではなく本人・家族の生の「引き裂かれの痛み」にこそ真の尊厳がある、という確認が何より大切だ。 ★児玉真美著、ちくま新書・1034円 『ダーウィンの呪い』 千葉聡『ダーウィンの呪い』(講談社現代新書・1320円)によれば、ダーウィンの思想は様々に誤解され誤読されつつ、善意によって

            「安楽死が合法の国で起こっていること」 「安直」で「安価」な代替案になってしまう実態 杉田俊介が選ぶ新書2点|好書好日
          • 杉田俊介先生が『週末批評』に寄稿していていちばん笑ったのは俺なんだよね - 曇りなき眼で見定めブログ

            ↓こちら worldend-critic.com 当ブログがネチネチと批判しているWebサイト『週末批評』に、さらにネチネチと批判している杉田俊介先生がとうとう寄稿してしまった。これは読まずにおれまい。 今回の杉田先生は『ゴジラ-1.0』『首』『すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』の三作を論じている。私は三作とも観ている。よかった。 しかし「論じている」と書いたものの、杉田先生の文章はもはや「論」になっていない。思いつきの断片みたいな文章をたくさん繋げただけのものになっている。なので批判しようにも主張が掴めなくて難しい。 主張はないが『ゴジラ』と『首』はどちらも首が象徴的に描かれているという着想はあるようだ。それに『すみっコぐらし』も「首」を介して無理やり繋げている。批評というより象徴主義散文詩に近い。相変らず体言止めを多用しているのだが、加えて今回は「……」で終る黙説法の文も多い。

              杉田俊介先生が『週末批評』に寄稿していていちばん笑ったのは俺なんだよね - 曇りなき眼で見定めブログ
            • 「すみっコぐらし」が“おじさん”たちの「人生のヒント」になる深い理由【批評家・杉田俊介氏】|ニフティニュース

              『すみっコぐらし』のキャラクターはみな社会的マイノリティで不安や劣等感を抱えており、小さなコミュニティで暮らしている。魔法使いがキャラクターの欠落を消しても、個性が失われてしまう。存在根拠を見失って不気味になる。「もののあはれ」の感情から他者理解が深まる一方で、資本主義社会では誰もが無用と感じられかねない。ゆるキャラは安息の場所を象徴している。 (※写真はイメージです/PIXTA)現代日本の男性には、保守的で家父長制的な男らしさか、リベラルでスマートな男性モデルか、それくらいしか選択肢がない。そうした規範的なライフスタイルからこぼれ落ちたときにも、そこそこに幸福でそれなりに自由な生き方ができるというイメージを持っていない…。批評家・杉田俊介氏はこのように指摘します。男性の生き方の規範にももっとさまざまなバリエーションがあっていいし、選択肢や物語や文化があっていいはずです。杉田氏の著書『男が

                「すみっコぐらし」が“おじさん”たちの「人生のヒント」になる深い理由【批評家・杉田俊介氏】|ニフティニュース
              • イミダス 新・時事用語「インセル」(杉田俊介)

                インセル(Incel)とは、Involuntary Celibateという英語の略語である。直訳すれば、望まない禁欲者、非自発的な独身者、というほどの意味である。日本では「非モテ」や「弱者男性」(マイノリティの属性を持たず、マジョリティの男性ではあるものの、様々な事情から弱さや生活上の困難を抱えた男性たちのこと)などの言葉と重なる面が大きい。 もともとは女性嫌悪やアンチフェミニズムなどの意味合いは含まれていなかったようだ。しかしやがて、非モテや弱者であることを自覚する男性当事者たちが、匿名掲示板などでこの言葉を積極的に用いるようになる。彼らの言動は女性嫌悪、人種差別、暴力肯定などと深く結びついてきた。そして現実に引き起こされているインセルによる暴力犯罪、大量殺戮などが国際的な社会問題となっている。 重要なのは、彼らの女性憎悪的で性差別的な暴力が「われわれの時代の主要な傾向を、極端な形で体現

                  イミダス 新・時事用語「インセル」(杉田俊介)
                • 長渕剛との対話〜人間にとって「暴力」って何ですか?(杉田 俊介) @gendai_biz

                  それはある意味ではすごく明快であり、爽快な考え方であるだろう。というのは、僕自身は、暴力の矛盾について、たとえば「心から相手を愛するがゆえに暴力を振るってしまうのはなぜか」「本当の非暴力を目指すには、人間にとっての暴力の避け難さをくぐりぬけて、その先を目指さねばならない」云々と、ねちねちと、くよくよと考えつづけるタイプの人間であるからだ。 暴力の罠 長渕は、暴力の罠、と言った。暴力の矛盾、ではない。その微妙な違いが大切だと感じた。 「そこに非常にやっかいな罠がある。突然敵がこちら側に侵入してきたとしますね。他人の家や心の壁を乗り越えて、壊して、勝手に踏み込んできた相手に対しては、防衛手段として、そいつを叩き潰さなければいけない。絶対に。そしてそれで終わりであり、完結なんです。 極端に言えば、他人の家に泥棒するために入ってきた奴を棒で殴ったら、打ち所が悪くて死んでしまったとしても、その話はそ

                    長渕剛との対話〜人間にとって「暴力」って何ですか?(杉田 俊介) @gendai_biz
                  • 映画『君たちはどう生きるか』に宮﨑駿が込めたものとは?(杉田俊介・批評家)/イミダス

                    映画『君たちはどう生きるか』の場面(スタジオジブリHPより) 2013年の『風立ちぬ』以来10年ぶりの長編作品となる宮﨑駿監督の82歳の新作『君たちはどう生きるか』を公開初日の朝に観た。咀嚼するのに時間がかかった。今もまだ十分に咀嚼できたとは言えない。うまく呑み込めてもいない。 この文章を書いている時点(7月29日)で、ネットや新聞にはすでに膨大なレビュー、解説、考察があふれている。私はそれらをまだ読めていない。心の準備ができていない。独自の解釈を示すのではなく、自分にとって宮﨑駿作品の意味は何なのかを愚直に問い直すこと。今の私に必要なのはそういうことだろう。素朴にそう感じた。『君たちはどう生きるか』を観ることは、この自分自身の欲望や人生の根源をある面から問い直されるような経験だった。少なくとも私にとってはそういう経験だった。そんな心の初動を大切に育てていきたいと感じた。 もちろんそれは世

                      映画『君たちはどう生きるか』に宮﨑駿が込めたものとは?(杉田俊介・批評家)/イミダス
                    • 草の根メンズリブにとっても示唆に富む一冊  杉田俊介  ――澁谷知美・清田隆之 編『どうして男はそうなんだろうか会議』書評 |じんぶん堂

                      じんぶん堂TOP 歴史・社会 草の根メンズリブにとっても示唆に富む一冊  杉田俊介  ――澁谷知美・清田隆之 編『どうして男はそうなんだろうか会議』書評 記事:筑摩書房 『どうして男はそうなんだろうか会議』(筑摩書房)書影と、編著者 の清田隆之さん(左)、澁谷知美さん(右) 書籍情報はこちら 本書は社会学者の澁谷知美と「桃山商事」の清田隆之をホストとし、他に五人の男性たち(西井開、中村正、平山亮、前川直哉、武田砂鉄)と、「これからの男」のあるべき姿を考えるための「会議」を行った記録である(清田は第1章のゲストでもある)。読者は気軽に雑談を聞くように、本書を手に取ることをゆるされているだろう。すべての語り手に共感する必要もないだろう。抵抗を感じつつ、ゆっくり飲み込むべき部分もあるだろう。きっとそれでよい。私もまた私自身の関心に従って本書を自由に読もう。 澁谷は「はじめに」で、現代は男性の「被

                        草の根メンズリブにとっても示唆に富む一冊  杉田俊介  ――澁谷知美・清田隆之 編『どうして男はそうなんだろうか会議』書評 |じんぶん堂
                      • 杉田俊介のスキ一覧|note(ノート)

                        雨季と乾季のバラッド 星野智幸論 1 「文学」あるいは「近代文学」は終った、という物言いは決していまに始まったことではないが、ここ数年とみにためらいなしに口にされるようになった。だが、よく考えてみるとわかるとおり、ここで意味されている「文学」あるいは「近代文学」とは、言葉による表現すべてを指すわけでもなければ、近代という時代における文学という意味でさえない。 日本でいう「文学」あるいはそのほぼ同義語である「近代文学」とは、世界的に見ればごく特殊な意味を担わされた言葉だといっていい。近代文学といえば 語りたくない語りにくいことを丁寧に語る――杉田俊介『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か #MeTooに加われない男たち』(集英社新書)筆者の前著『非モテの品格』に続く男性論2冊目。フェミニズム、ジェンダー、クィア、メンズリブなどの理論書を参照し男性論、男性学、メンズリブの現在地点を照射し

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                        • 意志の力ではどうにもならなかった人へ|ちくまプリマー新書|杉田 俊介|webちくま

                          ネガティブな気持ちの性質や特徴を知って、今より上手に対処できるようになる『嫌な気持ちになったら、どうする? ネガティブとの向き合い方』に関する書評を、杉田俊介さんに書いていただきました。この本の新たな側面が見えてきます。ぜひご覧くださいませ。 現代生活においてはメンタルを病んでいたり、自己肯定感が低かったり、依存症的であったりすることは、当たり前でありむしろ標準的かもしれない。摂食障害や依存症について研究してきた社会学者である著者は、大学の授業で若い人々に接してきて、生きづらさや「ネガティブ」を抱えた学生が多いことに驚いたという。「若者であれ、大人であれ、ネガティブは私たちみんなの共通テーマです」。 ネガティブ(嫌な気持ち)とは一種の「妖怪」である、と著者は言う。人びとはネガティブ=妖怪に憑依され、憂鬱になり、自分を否定していく。しかもそれは他人に感染し、伝播する。ただしネガティブは「とて

                            意志の力ではどうにもならなかった人へ|ちくまプリマー新書|杉田 俊介|webちくま
                          • 長渕剛との対話〜人間にとって「暴力」って何ですか?(杉田 俊介) @gendai_biz

                            「これまで生きてきた中で、そもそも僕自身には、僕が考える意味での暴力をふるったということはまったくなかった。そう考えています」 意外というのは、長渕の中には、暴力をめぐる様々な失語や葛藤があり、語りがたさがあるのではないか、と僕は想像していたからだ。 長渕は、きっぱりと、これまでに培ってきた暴力に関する己の考えを語っていった。 「つまり僕の考える暴力というものは、自分の利益のために、無関係な他人を傷つけたり、恐喝したり、奪ったりするということです。その一連の行程が暴力だと思っている。僕はそういう意味での暴力を、誰かに対して行使したことは一切ないから、そもそも『暴力』という言葉自体に嫌悪を感じる。 そういう暴力に巻き込まれたら、こちらも反撃するのは当然だと思うんですね。たとえば僕が日々、己の肉体を鍛錬するのも、理不尽な暴力に巻き込まれたり、それに無抵抗に屈服したりすることがないように。そうい

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