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現代詩の検索結果1 - 40 件 / 140件

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現代詩に関するエントリは140件あります。 歴史や伝承Twitter などが関連タグです。 人気エントリには 『daisuke kataoka/片岡大右 on Twitter: "蓮實重彦は1970年代においてすでにママレモンの商品名に反対する投書を考えていた…金井美恵子のほうが鷹揚な態度を示しているのも興味深い(現代詩手帖1979年11月号) https://t.co/1Vabce7foU"』などがあります。
  • daisuke kataoka/片岡大右 on Twitter: "蓮實重彦は1970年代においてすでにママレモンの商品名に反対する投書を考えていた…金井美恵子のほうが鷹揚な態度を示しているのも興味深い(現代詩手帖1979年11月号) https://t.co/1Vabce7foU"

    蓮實重彦は1970年代においてすでにママレモンの商品名に反対する投書を考えていた…金井美恵子のほうが鷹揚な態度を示しているのも興味深い(現代詩手帖1979年11月号) https://t.co/1Vabce7foU

      daisuke kataoka/片岡大右 on Twitter: "蓮實重彦は1970年代においてすでにママレモンの商品名に反対する投書を考えていた…金井美恵子のほうが鷹揚な態度を示しているのも興味深い(現代詩手帖1979年11月号) https://t.co/1Vabce7foU"
    • 【現代詩】「放射光」 理性を曲げるもののイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

      放射光 高速の 無言の 粒子の群が 強力な磁場で 曲げられる時 ささやき交わす (…、ああ、ああ、〝私〟は… 層状に重なる声は 青白い放射光となり 巨大な輪の中心にそびえる 鳥居を 浮かび上がらせる ***** 宇宙のどこか遠い涯から飛んでくる無数の粒子を、私たちは浴びながら暮らしています。 私たちの身体をすり抜ける粒子群。 それを曲げてしまうほどのものが、もし私たちの身体のなかにあるとしたら。 それが聳え立つほどの大きさの、鳥居なのではないかと思いました。 そんな思いを書いてみた詩です。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

        【現代詩】「放射光」 理性を曲げるもののイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
      • 【現代詩】「風にしなる」 ただ立ち尽くす男のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

        風にしなる 枝も葉も 何もかも 落としてしまった 竹のような男が 風に吹かれ しなる しなる 風を切る音を あたりに 撒き散らして 足を地面に踏みしめて しなる しなる 湿った 雨をはらんだ風に 煽られて 太い うなり声を 吐きながら しなる しなる しなる 枝も葉も 何もかも 落としてしまった 竹のような男が 地面を踏みしめ 雨に濡れ 風に煽られて ただ、しなる しなる しなる ***** 折れないし、倒れない、そんな男のイメージです。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

          【現代詩】「風にしなる」 ただ立ち尽くす男のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
        • 【現代詩】「駆け出す」 衝動と時間 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

          駆け出す 不意に、駆け出すには ちょうどよい季節になった かもしかや若い鹿のようには もう駆けられないけど むしろよたよたと だらしがないくらいだけれど 不意に駆け出すには ちょうど、よい季節になった 雨空を見上げ、吐息をつき 駆け出すには ***** 年齢なりの体力で、身体の底から湧き上がる衝動に身を任せてみるのもよいと思います。 何ができるにしても。 それは自分の身体全体の輪郭にちょうど合ったもの。 それを知るのに、遅すぎることも早すぎることもないですね。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

            【現代詩】「駆け出す」 衝動と時間 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
          • 【現代詩】「ただ待っている」 潮目のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

            ただ待っている 寒いけど ただ待っている きっと 風が もう一度 吹く ***** 「ただ待っているだけではだめだ」 そんな声が、いろんなところから聞こえてきます。 「受け身でいてどうする、自分から動かないと何も得られないぞ」 そう言われても、自分からは動けないタイミングというのもあるもので。 待つ、というのが、いつでも必ず受け身なのでしょうか。 待つためには、あれもこれもやらずに、ここで立ち止まるという、結構重要な判断をしている訳で。 その判断は、自分自身で責任を負わざるを得ない重たい決心な訳で。 だから、待つことが、ただ受け身だから、それではだめだ、と言われるのは、なんだか違う気がします。 状況によっては、待てる人こそが強い気持ちを持っているのではないか。 そう思ったりします。 皆様、どんな休日を過ごされたでしょうか。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群

              【現代詩】「ただ待っている」 潮目のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
            • 【現代詩】「まだまだ」 軽快な不撓不屈のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

              まだまだ たった一度 負けたって 勝つことが なくなった訳じゃない いっそきれいに負けて 次を考えたらいい 次も勝てないかもしれないけど 闘ってみた回数は一度増える いっそポイント制にして 節目には自分に 何かおごってやったらいい ***** いくつになってもうまくいかないことが多いもので。 それでも諦めないことが大事だと、それもいくつになっても思ったりしています。 このまま、いつまでも諦めない生活を送るのでしょうか。 どこかで諦める日がくるのかな。 そんなことを考えたりする、休日の午後を過ごしています。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                【現代詩】「まだまだ」 軽快な不撓不屈のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
              • 【現代詩】「灯」 微睡のなかで思い出すもの 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                灯 雪、の夢をみた 少年は膝を抱えて 窓際にうずくまっていた そこが一番暗いことを知っていたから 少年の祖母は ストーブの上で 干し芋を焙っていた 猫は丸くなって寝ていた 外は吹雪いている 父も母もまだ帰らない * 目覚めると、まだ雨が降っていた * ああ、あの家に、灯がともる頃だ ***** 自分の暮らしは、長く長く続く旅のようなものだと思うことがあります。 旅立ったところに、もう戻ることのない。 自分が生まれ落ちたところから、南に進んだ距離、北に進んだ距離、東に進んだ距離、西に進んだ距離、それぞれ、かなりの値になると思いますが、それらを全部ベクトルで足し合わせると、結局は、生まれ落ちた場所から、今いるところまでまっすぐに伸びた一本のベクトルになってしまうわけで。 このベクトルの長さをゼロにするのが当面の夢の一つではあります。 つまりは、生まれ落ちたところに戻る。 いつのことになるでしょ

                  【現代詩】「灯」 微睡のなかで思い出すもの 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                • 【現代詩】「定点」 ”ここ”の”底”のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                  定点 柔らかな襞状のものに満たされた暗い部屋で 少年は蹲り 昨日見たはずの夢を 思い出そうとしている 夢は 時々現れては また 遠く離れてしまう 昨日見た夢と 同じだ そう少年が思った瞬間に 夢は硬くなり “ここ”が現れてしまう ああ、雪はまだ積もっているか 少年は温かな襞に包まれて 暗い部屋の外を思う その雪が 自らの夢の 現実化であるかのように 少年は 雪を 吹雪を 大量の雪に覆われた 白い大地を 激しく思った そして 雪の冷たい層の中に 滑り落ちることを ふと “ここ”が揺れる その時が 近い そう少年は感じた 再び 温かな襞に包まれ 夢へと滑り込み… ***** Google Geminiによる解説 概要 この詩は、暗い部屋で柔らかい襞状のものに包まれながら、昨日見た夢を思い出そうとする少年の姿を描いたものです。夢は少年の手の届かないところへ逃げ去り、少年は雪に覆われた白い大地を夢

                    【現代詩】「定点」 ”ここ”の”底”のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                  • 【現代詩】「気 配」 自然との境界が揺れているイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                    気 配 夜の 暗闇の中で 息を潜めていた その時 身体の表面を ざわざわと激しく 波立たせたのは 深い底から 沸き上る瞬間を ひっそりとうかがう 黒い毛皮の 獣の (…ケハイ… ***** 自然と人間の生活との境界が振動しています。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                      【現代詩】「気 配」 自然との境界が揺れているイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                    • 【現代詩】「暮らす」 鞄の重い朝 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                      暮らす 家を出るときに 鞄の重たすぎる日がある それでも家を出ると 冷たい雨が降っていることがある 人に会う前に すでに色々と僕を押し戻すものがたくさんある そんな時 少し先にいる僕に引っ張ってもらう それは数年先の自分かもしれない そこにいる僕は いつも軽く笑っている 笑いながら 日々を暮らしている ***** 少し先にいる自分が、笑っているととても安心します。 どんな困難なことも、きっと乗り越えて、その先で笑っているのだと思いたいです。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                        【現代詩】「暮らす」 鞄の重い朝 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                      • 【現代詩】「鞄」 手放せたもののイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                        鞄 不意に 足が重くなり 乗り込むつもりの 電車に乗り遅れてしまう プラットフォームで 次の電車を待っていると もう電車は来ないとアナウンスがある あきらめて 立ち去ろうとすると 僕の鞄を持った男が 急ぎ足で階段を上っている 声をかけようとしたが なぜか口が開かない その鞄には とても忌まわしいものが 入っているのだ そう教えてあげようとしたが その男には 僕の声はもう届かないだろう ***** 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

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                        • 【現代詩】「坑 道」 境界を突き抜けるもののイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                          坑 道 「私」の部屋の地下を 灰色に膨れ上がった男たちが 掘り続けている 硬い地層には 肉が剥がれ落ち 骨だけになった指を突き立て 柔らかな腐葉土を 歯の抜け落ちた 口いっぱいに詰め込みながら 少しずつ、少しずつ あの北の駅に向かって あの霧に包まれた山で 黄色い蒸気を噴き上げるまで 坑道を延ばし続けている その 不穏な反響 ***** 眠れない夜に聞く、遠ざかる列車の音。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                            【現代詩】「坑 道」 境界を突き抜けるもののイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                          • 【現代詩】「今年の雪」 あの街に降る雪 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                            今年の雪 色々な街で 降る雪を眺めた 冷たくもあり、暖かくもあり ひたすらに白く、また暗い影を孕み あるいは、零下の夜気を吸い、青く光り 今年は 軽やかに舞う雪になった この 西の街で ***** 2008年の元日に書いた詩です。 当時は山口県に住んでいました。 山口の方が、関東(神奈川)よりも雪が多かったように思います。 日本海が近いからかもしれません。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                              【現代詩】「今年の雪」 あの街に降る雪 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                            • 【現代詩】「雨の街」 身近にある野生のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                              雨の街 人通りなく カラスが 路上を 食卓にして 跳ね回っている この血を 雨は 流せるのだろうか ***** カラスは雑食であることを思い起こさせてくれます。 そして、知性が高い。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                【現代詩】「雨の街」 身近にある野生のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                              • 【現代詩】「速度差」 遅れることで実現されるズレを生きる 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                速度差 〝私〟は 希薄な流体の速度差が生み出す 濃淡の、層状の、互いに混じり合わない 白い空間に置き去りにされる 柔らかな身体と、硬い嘴をもつ 雛の群の中に放り出されたように 〝私〟の身体は 心地よさと痛みとを同時に感じる それは不意に熱く、不意に冷たく 〝私〟を眠らせない ああ、幾本もの白い指よ 〝私〟は〝ここ〟でいい もう行ってくれ… ***** 僕の書棚には、自費出版されたものから古典のものまで、詩集がたくさんあります。 自分で買ったものも多いのですが、自費出版された方から献本していただいたものも結構あります。 「詩と思想研究会」(2003年頃を中心に参加していました)で出会った方々からいただいたものが10冊ほど。 「詩と思想」誌での書評欄の担当をしていた時(2004年頃)に送っていただいたものが20冊ほど。 自分で買った詩集(岩成達也さんや吉増剛造さん、粕谷栄市さんの作品集など)が

                                  【現代詩】「速度差」 遅れることで実現されるズレを生きる 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                • 【現代詩】「それは華だろうか」 部屋の隅で囁くもの 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                  それは華だろうか 足元に散り積もった 色とりどりの 僕の傍にいつもある ノスタルジーの塊を チクチクと刺激する 落ち着かなくさせる そしてあの部屋の隅に 引き込んでしまう それは華だろうか 季節の変わり目の 雨を呼ぶだけの 雨を呼ぶだけの… ***** 目の端だけで見ることができるものって、ある気がしています。 けっして真正面からでは見えないもの。 そんな感じで見えている華があるようで。 それは、明るい部屋ではなく、過ぎ去った時間を押し込んでおくところでだけ、見えるもの。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                    【現代詩】「それは華だろうか」 部屋の隅で囁くもの 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                  • 【現代詩】「雨の音」 時間を滑り落ちるイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                    雨の音 眠りの底に 微かな雨の音を聞いていた それは、故郷の家の トタン屋根を叩く雨の音だった ふと目を覚まし “ここ”に滑り落ちた まだ暗い朝に “ここ”でも雨が降っていた 数十年をはさんで なんという偶然だろう また、僕は… ***** 朝、目が覚めた時に聞く、雨の音が好きです。 その後、雨の中を通勤するのは辛いのですが。 子供の頃は、傘をさして雨の降る中を歩くのが好きでした。 今は、雨を理由に外に出なくなっています。 またいつか、雨の中に、喜んで出ていく日が来るのかな。 その時は、僕は次のモードに移っているのでしょうね。 雨が嫌でなくなったら、さらにその次の準備をしようと思います。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記

                                      【現代詩】「雨の音」 時間を滑り落ちるイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                    • 【現代詩】「たどりつけない」 身体に現れる「戸惑い」のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                      たどりつけない 足が、重くなって、もう歩けない 日は傾き、人々は家路を急ぐが 僕は、もうどこへもいけない 北で生まれて、西に帰る僕は その涯に、何かがあるのを確かに知っている だけど、もう歩けないのだ うずくまると 周囲のものがごうごうと音を立てて 僕を置き去りにする 気がつくと、僕は後ろ向きに 速度を上げながらどこかへ向かっているのだが ああ、もうそこには たどりつけない… ***** 北で生まれて、西の土地で暮らしていた頃。 そのさらに西にあるものを、想像したりしていました。 仏教や、その他の宗教について、集中して読んでいたのもこの頃ですね。 この頃、「禅」の書物に出会い、今でも読み続けています。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参

                                        【現代詩】「たどりつけない」 身体に現れる「戸惑い」のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                      • 【現代詩】「晴れ」 家族がいるからこそ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                        晴れ 今朝は晴れ 山にかかる雲の端が 赤く染まっている 雲の切れ間にのぞく空が 青白く光っている 立ち止まれば 妻が背中を支えてくれる 娘が手を握ってくれる 生きていくのに さらに何が必要だというのか 今朝は晴れ もう一度夢を見よう もう一度、夢を見よう… ***** 2008年は、タイとの行き来が増えてきていた頃。 忙しかったのでしょうね。 そして、とても疲れていたようにも思います。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                          【現代詩】「晴れ」 家族がいるからこそ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                        • 【現代詩】「スタートしない」 そんな宣言 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                          スタートしない まだ スタートしない 今年は ゆっくりと 今夜は たくさん寝るんだ ビールを 少し多めに飲んで ***** これも2008年のお正月休み期間中に書いています。 思えば、これまでの会社員生活の中で、トップクラスに忙しい時期だったと思います。 力をためていたんでしょうね。 この後、タイ駐在を始めるまでは、日々駆け回ることになります。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                            【現代詩】「スタートしない」 そんな宣言 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                          • 【現代詩】「軽い朝」 思いの隅に溜まっていたもののイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                            軽い朝 いつもより眠れた 身体がゆったりと よくのびてい 今日はこのまま 眠っているように 過ごそうか 軽く あそこまで行ける そんな気がする ああ、雪が 降っていたのか それで こんなに 軽いのか ***** 記憶とは、頭のどこかに記録されているものではなく、いつもずっと考え続けているものだと思うことがあります。 考える部分が小さいだけで、いつもそれを考えているので、覚えている。 だから、それを大きくすることで、思い出すことができるということで。 忘れてしまうというのは、いつもずっと考え続けているということをしなくなったこと。 それを、もう考えることをやめてしまったということ。 そうすると、もう思い出すこともできない。 そんなものが、増えている気がしています。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dan

                                              【現代詩】「軽い朝」 思いの隅に溜まっていたもののイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                            • 【現代詩】「西へ」 彷徨い続けるイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                              西へ あの街は 雪が降り積もると 冬は暖かかった それがわかったのは 冷たい風だけの 冬を何度も過ごしたから 一人きりでは 耐えられなかったかもしれない 立ち続けることも できなかったかもしれない 僕は家族に 仲間に 支えられながら 自分で立ち歩き続けていける もっと、西へ ***** いつ頃まで、彷徨い続けるのかな、なんて思ったりします。 疲れた、というよりは、そろそろいいかな、みたいな感じですね。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                【現代詩】「西へ」 彷徨い続けるイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                              • 【現代詩】「脆いものの底に」 時の流れのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                脆いものの底に 流行するとは やがて廃れるということだ 先頭に立つということは やがて追い抜かれるということだ 目立ってしまうと 皆にいじられ汚れていく 千年、二千年、三千年の時間に洗われ 角が取れ、鈍く光る 触れると冷たいが 次第にさわやかな風を身体の中に送り込むものが それら脆いものの底に 確かに、ある 小魚のように群れ泳ぐ言葉たち 静かに、笑っているような… ***** 時間の底に堆積しているものが、確かにあるように感じています。 変わり続ける一つきりのもの。 変わらない一つのもの。 同じものを、別の面からみているのかもしれませんが。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                  【現代詩】「脆いものの底に」 時の流れのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                • 【現代詩】「また、一歩」 戸惑いと決意の間 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                  また、一歩 僕は、ついさっき考えていたことの上に立っている さっき、していたことの上に立っている さっきまであったものは すべて、僕の足の下にあるのだ そして、僕の前には 真っ暗な、底の見えない闇があるだけ どこに向かって足を進めたらいいのか まるでわからないのだ 不安になって振り返ってみても 今、立っている、この高い柱のようなものの他に ほの明るい空間が見えるだけで 踏みしめていたはずのところはどこにもない 幸い、ここに立ち続けることはできるようだが ここにずっといたならば もう誰にも会えない気がする 家族にさえも ここに立ち尽くすことも 進むことも、すべて僕が決めることだ ここまで進んできたのだ 暗闇に目を凝らし 底の見えない空間に向かって また、一歩… ***** 暮らしていくということは、いつも戸惑い、なんらかの選択をするということの繰り返し。 時間は逆戻りできないので、後悔するこ

                                                    【現代詩】「また、一歩」 戸惑いと決意の間 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                  • 【現代詩】「追いつく、風」 あの日と同じ青空 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                    追いつく、風 青い空を見上げて ふと子供の頃 同じような青い空を見上げながら 思っていたことが〝ここ〟に追いついた時 背中から 手の先、足の先に向かって 冷たい流れが走り 胸の〝底〟でその源がゆったりと揺れる あの日の僕はここまで来たんだ… そう思うと 青い空から剥がれ落ちた冷たい風が 目の中で渦を巻いた ***** 過去の思いがエコーのように、不意にすぐ近くで響くことがあります。 特に、青い空の下で風に吹かれたような時。 ベルクソンの円錐の図を思い出してしまうのも、そんな瞬間だったりします。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                      【現代詩】「追いつく、風」 あの日と同じ青空 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                    • 【現代詩】「ベンチ」 すれ違う異国の匂いのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                      ベンチ 目の前を たくさんの人たちが 通り過ぎていく 僕はベンチに腰をおろしたまま それを ただ見ている 少しだけ 目を閉じてみる 異国の言葉が 周囲を埋めていたことに気づく そして ここが 僕のあの国に つながっていることにも きっと、あの部屋で 僕の家族も 目を閉じて、耳を澄ましている ***** 2001年9月11日の後。 僕は一人でヨーロッパのいくつかの街を移動していた。 ローマ、ラベンナ、バルセロナ、バレンシア、ロンドン。 空港のベンチで、周囲にいる人たちをただ見ている時間が長かった。 家族連れを見ると、僕は自分の家族を思い出した。 そして、遠く離れている家族が過ごしている時間を思った。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中

                                                        【現代詩】「ベンチ」 すれ違う異国の匂いのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                      • 【現代詩】「緩やかにずれる」 すれ違う異国の匂いのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                        緩やかにずれる 夏の夜 しつこく続く歯茎の痛みが 「私」の中の何かをざわつかせ それに激しく促されて 不意に 前のめりになりながら 遥かな涯の叫び声を聞きながら 「私」と「身体」が 緩やかにずれる 痛みとともに 置き去りにされたのは 「私」、の方だった ***** いつまでもそこに残っているものは、「思い」だけ。 「感覚」だけ。 乗り物と思いがちな「身体」は、気がつくと先に進んでいる。 そして、けっして振り返らない。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                          【現代詩】「緩やかにずれる」 すれ違う異国の匂いのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                        • 【現代詩】「…しずかな…」 雪を聴く 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                          …しずかな… あさが しずかになり… (…おとが、とおくなり… あめ、みぞれ、そして ああ、 ゆきだ… ***** これも2007年の12月に書いた詩です。 寒い冬だったようですね。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                            【現代詩】「…しずかな…」 雪を聴く 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                          • 【現代詩】「ともだち」 胸の奥の冷たいしずく 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                            ともだち 今日 娘のともだちが 引っ越していく 娘は いつものように 一緒に遊んでいる そして、そのまま別れるようだ この日が、胸の中の 冷たいしずくになっていることに 気がつくのは いつのことだろうか その日も 空が晴れていてくれたらいい ***** 娘がまだ幼稚園に通っていた頃のことですね。 引っ越していく友達と、最後に遊んでいます。 遊び終わると、そのままお別れ。 それでも、なんのわだかまりもなく、普段通りに遊んでいました。 ふと、自分の最後の日も、そんな感じで過ごせたらいいなと思ってしまいました。 飛躍しすぎですね。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                              【現代詩】「ともだち」 胸の奥の冷たいしずく 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                            • 【現代詩】「雪の処方箋」 暗い空から剥がれ落ちる白い雪のかけらのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                              雪の処方箋 雪を処方 いたしましょう 雲から剥がれた 淡雪を 月のきれいな 静かな夜に 一粒目尻に 置くのです その冷たさが 盛り上がり 温もりになって 流れたら 明日の朝に 目覚めるための 静かな夢を 見てるでしょう ***** 今回の詩は、以下の詩集の表題作です。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                                【現代詩】「雪の処方箋」 暗い空から剥がれ落ちる白い雪のかけらのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                              • 【現代詩】「雨のち晴れ」 乾いた日々のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                雨のち晴れ 雨、が降っていた 暖かな朝だった 妻と娘に見送られて 家を出た車から たくさんの水滴が落ちた まだ暗い道を 白いライトで擦りながら走る 濡れた猫の死骸がまだある ライトの破片が散らばっている 打ち合わせを終え 蒸し暑い電車の中で過ごしていると 建設中のやせた骨組みの向こうに 沈む夕日が見えた それは、温かな裏側に逃げ込むような 穏やかな顔だった 電車を降りると 僕だけが冷たい風に包まれた ***** 朝から夜まで、僕たちは歩き続けますね。 同じところを、何度でも。 それが平気になってしまった頃に、突然強い風が吹いて、空を見上げることを思い出させてくれるような気がします。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書き

                                                                  【現代詩】「雨のち晴れ」 乾いた日々のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                • 【現代詩】「殻」 ここ、ではない場所へ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                  殻 硬い殻から 冷たい雨の中に 連れ出され 置き去りにされた 犬よりも悲しい目を しているのではないか 雨雲を 見上げることが 出来ない それすら 僕の目には 眩し過ぎるのだ あの 硬い殻は もうすぐ飛び立ってしまう ***** 2007年の12月に書いた詩です。 それが曇り空であっても、そこに向かって飛び立ちたい。 そんなことを考えていたようです。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                                    【現代詩】「殻」 ここ、ではない場所へ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                  • 【現代詩】「午後、駅で」 待ち続けてくれているもののイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                    午後、駅で 駅のプラットフォームの 古い木製のベンチに おばあさんが座っていた 僕の乗る電車が プラットフォームを離れるとき おばあさんはのんびりと おにぎりを食べていた 電車の窓を 早春の陽射しが 暖めていた ***** さだまさしさんの作品に「空蝉」という曲があります。 老人が駅で、帰ってくるはずの息子を待っている情景が歌われています。 その歌を思い出すたびに、帰らなければ、という思いと、もう間に合わない、という後悔が、心のなかでせめぎ合います。 戻らない時間。 駅には、そんな時間がいくつも、層状になって流れている気がします。 www.youtube.com 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                                      【現代詩】「午後、駅で」 待ち続けてくれているもののイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                    • 【現代詩】「地下茎」 深い地底で醗酵する古代の遺物のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                      地下茎 ここ、に この地下に溜まる 巨大な爆縮が持ち去った 触手の時代の空洞 あるいははじめからなかったもの 後退する凍土が置き去りにした湿地 涯からの響きに応えるのはこの地下に並ぶ灰色に膨れ上がる腹を抱えた箱舟の群暗い窓に浮かぶ口不ぞろいな歯に肺が潰れもう息を吸い込むことの出来ないがための窒息する叫び 北の、西の、南の、東の 炭鉱を、灰色の男達が、女達が取り囲み 赤い提灯を掲げて、回り始める とろけるようにゆがむ遠い涯に陽が落ち 水から上がったばかりの月が光を滴らせると 男達が提灯の火を互いの背に押し付け 腐臭を漏らす 女達が下腹に零れ落ちる塊を 乳飲み子のようにあやす その時、不意に燃え上がる駅舎 響き渡る呱々の声 北の地の、いくつもの坑道口から噴出す炎 そのなかでのたうつ 地下茎 絡まりあう紐帯 激しい風が呼び込まれ 影が、赤い光の中に消える、と (…忍び込む、涯… 「私」は地下の腐

                                                                        【現代詩】「地下茎」 深い地底で醗酵する古代の遺物のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                      • 【現代詩】「港と駅のある街で 3」 零下の街に降り積もる雪 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                        港と駅のある街で 三 不意に音が止む と 空間を埋める雪に遮られていた 街燈の光が浸潤するように 雪片と雪片との間の空隙に広がる そして 全空間が乳白色に輝き始めたとき (…微かな羽音… 赤信号が一斉に明滅を開始する と また雪が 音が そして息苦しい空間の重さが また、微小な物体の運動の稠密さが 時を刻み始める 灰色の男たちは 肺を絞り 絶望の声を上げるのだ ***** 雪の降り頻る夜の、街灯の光が切り取る円錐状の舞台で。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                                          【現代詩】「港と駅のある街で 3」 零下の街に降り積もる雪 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                        • 【現代詩】「華下」 来し方行く先の中間で佇む 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                          華下 梅が咲き、桃が咲き 車窓の景色 曇天の暗い街に 色を散らし 丸い花びら とがった花びら いずれも 雨に打たれ ふと、風に舞う 儚い色の花びらを 無数の花びらを 思う 後、何度 見られるだろうかと そんな風に思う ***** 春に咲く花を見るたびに、来年はこの花を見られるのだろうか、と思うようになっています。 もうすぐ花が咲き始めますね。 今年は、見られそうだな。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                                            【現代詩】「華下」 来し方行く先の中間で佇む 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                          • 【現代詩】「そこにいる」 滑らかにズレる時のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                            そこにいる ふと、青空を見上げたとき 暖かい風に吹かれたとき 夏の海の匂いを嗅いだとき 妻の肩が僕の肩に触れたとき 娘が胸の中に飛び込んできたとき 僕の中から、何かがすっと滑り落ち 子供の頃 空を見上げていた あの田んぼの畦道に流れ込む 自分はどこにいくのだろうか 胸の奥のなにかを震わせていたあの日に きっと、僕はまだ そこにいる ***** 風が強いですね。 こんな日には、ふっとずれて、そこに行けるような気がします。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                                              【現代詩】「そこにいる」 滑らかにズレる時のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                            • 【現代詩】「港と駅のある街で 4」 吹雪の最中に聞こえる泣き声のこと 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                              港と駅のある街で 四 雪が重く練りこまれた空間の底を揺するように 遠い汽笛が微かに響く 不意の風が 雪の落下する軌跡を崩す 灯りを消した駅の隅の暗がりで 何かが泣き続けている また、汽笛が聞こえる と、暗がりで立ち上がるのは 小さな子供だ そして 雪の降りしきる外を見つめた後 また、泣きながら 隅の暗がりに溶け込むのだ ***** うなる風の悪戯、ではなく、聞こえてしまうもの。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                                                【現代詩】「港と駅のある街で 4」 吹雪の最中に聞こえる泣き声のこと 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                              • 【現代詩】「ここ」 言葉は表と裏が同時に生まれるイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                                ここ 不意に目があう と、ここに 搾り落とされる 不定形の 滴 言葉に身を隠す前の ***** 言葉は、相手に向かって発せられると同時に、自分自身に向かっても語りかけます。 今、自分が言いたかったのは、このようなことなのか。 相手に伝えたかったのは、このことなのか。 言葉によるメッセージは、何よりもまず、自分に伝えられるもの。 そこを理解しないと、自分が切り崩されて、手がつけられない状態になったりしますね。 ご用心。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                                                  【現代詩】「ここ」 言葉は表と裏が同時に生まれるイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                                • 【現代詩】「港と駅のある街で 2」 零下の街に降り積もる雪 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                                  港と駅のある街で 二 零下の街を 灰色の男たちはさまよう 雪は激しく降り続け 大気に濃密に練りこまれる 置き去りにされた何台もの車に 雪は厚く降り積もる 灰色の男たちは車の上に這い上がり 雪で視界の閉ざされつつある周囲を 空洞になった眼窩で 不安げに見回すのだ ***** なにも見えない男たちが、雪の降り積もる街を彷徨う。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                                                    【現代詩】「港と駅のある街で 2」 零下の街に降り積もる雪 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                                  新着記事