余計なお世話 入社3年目のことでした。当時、私は結婚と同時に本社に転勤となり、同じビルの関連会社に出向していました。その会社は同業他社や商社との合弁会社で金融機関からの借り入れもあったので、それぞれの会社からの出向者の寄せ集め社員で構成されていました。 私の先輩は商社出身で、出向期間は三年を超えていたので、そろそろ出身母体に復帰する時期に来ていました。ありきたりな表現ですが、頭脳明晰、交渉事にも長けた人物で、私はその先輩から手取り足取りで仕事を教えてもらいました。 その先輩が、私の勤め先の女性を見初めて結婚することとなりました。社内恋愛はゴールインまで隠し通すのは至難の業で、大抵の場合、どこからか噂が漏れるのですが、先輩とお相手の女性は慎重なお付き合いを続けていたのでしょう、結婚が決まるまで社内で噂に上ることはありませんでした。 さて、その慶事を聞きつけたベテランの女性社員がいました。終業