Published 2020/01/05 07:00 (JST) Updated 2020/01/11 23:18 (JST) 刑務所に入っている人たちの中に、知的障害や精神障害のある人たちがたくさんいる―。そんな事実が明るみに出たのは十数年前のことだ。出所しても行き場がなく、刑務所に戻りたくて罪を犯す高齢者もいる。福祉の網から漏れ、不遇ゆえに犯罪を繰り返してしまう人たち。そんな悪循環をなくそうと、国は2009年、司法と福祉が連携する仕組みをつくった。それから10年。私たちは累犯の障害者や高齢者を救えているだろうか。(7回続き、共同通信=市川亨) ▽穏やかに語る普通の高齢者 長崎県の島原半島。雲仙・普賢岳の麓に、罪を犯した障害者や高齢者支援の先進地がある。社会福祉法人「南高愛隣会」。刑務所出所者らを福祉につなぐ仕組みを全国で最初に始めた法人だ。 「満期出所で社会に直接出ると、また安易な道に