ANAがハワイ路線に導入した総2階建ての超大型旅客機エアバスA380。巨額の投資と高いコストがコロナ禍の傷口を広げる結果になった (c)朝日新聞社 日本航空の破綻から10年。今度はANAが、コロナ禍で巨額赤字に陥る見通しとなった。ANA自身の行きすぎた拡大路線と歪んだ航空行政が危機を増幅させている。AERA 2020年11月2日号で掲載された記事を紹介。 【表】日本航空は早稲田!ANAは? エアラインへの就職者数が多い大学はこちら * * * ANAホールディングスが2021年3月期決算で5千億円超の最終赤字を計上する見通しになった。コロナ禍で国際線の9割が運休するという未曽有の逆風が招いた危機だが、一方で同社がここ10年、急拡大を目指すあまり自ら「危険空域」へと操縦桿を切り続けていたことも否定できない。 ■追い続けた「日航超え」 ANAの前身は、終戦から7年後に2機のヘリコプターで創