「膵嚢胞」とは、膵臓内部またはその周囲に液体が溜まった袋状の病変を指します。自覚症状はほとんどありませんが、健康診断や人間ドックで超音波検査やCT検査を受けることで偶然発見されることが増えています。 膵嚢胞の大きさは数ミリから10センチメートル以上まで様々で、1つだけ発生する場合もあれば複数の嚢胞が見つかる場合もあります。膵嚢胞には良性のものもありますが、放置するとがんになる可能性があるものも存在します。そのため、詳しい検査で嚢胞のタイプを正確に見極めることが重要です。 膵嚢胞が形成される疾患は「膵嚢胞性疾患」と呼ばれ、膵臓の病気として発症するものと、膵臓の病気の合併症として発症するものの2つのタイプがあります。 膵嚢胞性疾患には治療の必要がない良性の場合もありますが、放置するるとがんになるものもあり、膵嚢胞患者の方が膵がんを発生するリスクは一般の方の22.5倍になると報告されています。