『僕は君たちに武器を配りたい』『ミライの授業』などの著者として知られるタッキーこと瀧本哲史君(京都大学客員准教授)が亡くなりました。学生弁論界の一年後輩で、足掛け30年のお付き合いでした。未だまったく現実感がないのですが、記憶が薄れる前に瀧本君との思い出を幾つか書き残しておきたいと思います。彼からFacebookを通じてもらったメッセージの一部も、当たり障りのない範囲で、誤字脱字をそのままにして書き残しておきたいと思います。あくまで「当たり障りのない範囲」に限りますが。 彼と初めて会ったのは、私が中央大学辞達学会の二年生、彼が一高東大弁論部の一年生の時です。彼は東大法学部で一、二を争うと言われた秀才で、傲岸不遜にして多智多弁。官僚支配の全盛期、サークルの先輩の多くが霞ヶ関に進む中で「私は官僚にはなりませんよ。大蔵省に入るのは東大でトップになれなかった人たちですよ」と放言するようなタイプでし