毎日新聞が戦時中に発行した青年向け雑誌「大日本青年」には、延べ1万5000人を超える読者からの投稿が掲載されました。 彼らは戦争の時代をどう生き抜いたのか。あるいは命を落としたのか。 その人生をたどり、受け止めるため、「大日本青年」の残像を記者たちが追いかけました。 船上から投稿、8カ月後に戦死 その名簿を手にした時にずっしりとした重みを感じたのは、ただ分厚いからだけでなく、1万人の兵士たちの名が刻まれているからだろうか。 広島県呉市にあった海軍の拠点、呉鎮守府の「軍人入籍番号簿」は全部で80冊ある。7月上旬、このうち11冊の申請手続きをして、東京都千代田区の国立公文書館で閲覧した。 入籍番号順に並び、下士官任官の年月や兵種などに続いて、最後に名前が記されている。そして、戦争で亡くなったかどうかも。 約1万人の名前が載る厚さ15センチほどの1冊を見終えるだけで1時間以上を費やした。記者3人