■連載再開に当たって メルマガ連載「在野研究者のレファレンス・チップス」は1年間続いた。それらをまとめ、皓星社さんに初めての単著(以下、拙著)『調べる技術』を出してもらったのは、つい先月のことだった。 やれやれ、やっと出版史・読書史の研究に専念できる、と思ったのもつかの間、大変なことになった。当たってしまったのである。品切れに次ぐ品切れ、増刷に次ぐ増刷で、1月26日現在6刷。戦前なら「忽ち六版!!!」と広告が出るところだ。 ベストセラーになりつつあり、インタビューなどで「なぜ売れているのか」と聞かれる。それはこっちも知りたいと思いつつも、スマホが普及し「検索」が日常になったからではないかと考えた。調べるニーズが増大し普遍化しつつあるのに、調べる技術は偏在している。その格差を埋める働きが拙著に期待されているのではと思う。 誰もが情報の大海に出て調べものをする、大航海時代ならぬ「大検索時代」が