借金100億円をゼロにした崎陽軒・野並直文社長 横浜名物「シウマイ」を救った“2つの変革”とは?:崎陽軒・野並社長、経営を語る【前編】(1/3 ページ) 1989年12月29日。日経平均株価は史上最高値の3万8915円87銭を記録し、日本中が狂喜乱舞した。しかし、喜びもつかの間。その日をピークに日本経済は崖から一気に転げ落ちていき、92年3月には2万円台を割り込む事態となった。 バブル崩壊である——。 「売り上げはどんどん落ち、借金はふくらんでいく。このままでは会社がつぶれると思った」。横浜名物のシウマイを手掛ける崎陽軒の野並直文社長は、30年近く前に味わった切迫感を今でも鮮明に覚えている。 日本経済を襲った大不況は、次々と企業を飲み込んでいった。東京商工リサーチの調べでは、90~92年の企業倒産件数は3万社を超え、負債総額は約17兆7461億円に上る。 その渦中の91年、野並社長は父の後