日本映画1位は荒井晴彦の監督作「火口のふたり」。荒井は「赫い髪の女」「神様のくれた赤ん坊」「遠雷」「ヴァイブレータ」など、自身が携わり、過去にベスト・テンにランクインした作品を次々と挙げ「僕の作風で1位は無理なんじゃないかとあきらめてました。自分が3本目に撮った作品でまさか、という感じ。70過ぎた脚本家が撮った、低予算でR18の裸の映画が1位でいいんでしょうか」ととぼけてみせる。続けてキャストやスタッフ、選考委員たちに感謝を伝え「映画はいいのに演出と脚本がよくなかったのか、監督賞と脚本賞をいただけませんでした。演出は白石和彌、脚本は阪本順治に教わってまたこの場に戻ってこようと思います」とジョークを飛ばす。そんな荒井の背後では、日本映画監督賞の白石、日本映画脚本賞の阪本が爆笑していた。