現在、日本社会に存在する「格差」が生まれた背景、そしてその「格差」を放置した末に待ち受ける困難に迫ります。 2019年時点で2165万人「非正規雇用者」の暮らし向き 健康保険や年金制度に典型的に見られるように、日本の制度は、『カイシャ(職域)』と『ムラ(地域)』という帰属集団をベースとして組み立てられている。 持ち家の自営業で、地域コミュニティの相互扶助の中で生きていれば、出費は少ない。だが自営業者が労働者となり、地域コミュニティが衰退すると、必要な出費は増加する。 「少子高齢化」あるいは人口減少の危機は、ムラ(=地方)の崩壊をもたらし、地方でも生活に必要な出費が増えるということを意味する。 それでも地元型の生活は、時間と土地・建物と多少の運転資金があれば、これからの社会においても一つのあり方として存在しうる。 一方、カイシャ(=都市)においては、古くはホワイトカラーとブルーカラーの格差が