『教皇選挙』を見て、かなり聖書ベースのストーリー、キリスト教美術史的な表象をなぞっていると思いましたので、見ていて「これはこういうイメージで撮っているんじゃないかな」と気付いたところを挙げたいと思います。制作者は絶対こうしている!というよりかは私はこう受け取ったということを書いています。 ①主人公の名前をわざわざ「トマス」にしている理由 カラヴァッジョ「聖トマスの不信 」 主人公のローレンス枢機卿のファーストネームはトマス。これは12使徒のひとり、聖トマスから取っていると思われます。 聖トマスと言えば、彼が「疑念の人」「不信の人」と評される様になったイエスの復活時のエピソードが有名です。聖書においてイエスは十字架にかけられた後、防腐処理を施され墓所に葬られますが、3日後に復活したと語られます。 聖トマスはイエスの復活に立ち会わなかったので(ルカ福音書等によると立ち会ったのは女性信徒たち)、