高血圧治療とCOVID-19リスクは逆相関する――都道府県別の検討 日本国内で高血圧治療を受けている患者数の人口比と、新型コロナウイルス陽性者の人口比とが逆相関するとのデータが報告された。 国立病院機構宇多野病院脳神経内科の木下真幸子氏らが、全都道府県の状況を比較検討した結果であり、詳細は「International Journal of Infectious Diseases」に6月2日掲載された。著者らは、高血圧に対する治療が新型コロナウイルス感染に対して保護的に働いている可能性を述べている。 新型コロナウイルスはアンジオテンシン変換酵素II(ACE2)を足場として細胞内に侵入する。ACEは血圧調節にかかわっており、ACE2はACEと同族だが逆の働きを持つ。 国内では高血圧の治療にACE阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)が多用されている。これらの降圧薬はACE2を増加させる