黄金比とは 黄金比(外中比)とギリシアの幾何学 黄金比は、ギリシアの幾何学では外中比と呼ばれ、ギリシア「幾何学」のハイライトの一つです。黄金比のことをエジプト人が知っていたかどうかは疑問ですが、数学史では黄金比がよく出てくるのでここで説明しておきましょう。 ギリシアの「幾何学」は定規とコンパスだけで行うもので、数値は現れません。これは「禁止されている」というのではなく、そもそも前提となる概念のなかに数値が含まれていないのです。「幾何学」ではまず使ってもよい概念を公理や定義として述べてから理論を展開します。この方式はギリシア以降数学の標準として踏襲されてきます。ここでは、ギリシアの幾何学では比がどのように扱われているか、そのさわりだけをごく簡単に解説します。 「幾何学」では、長さ、面積、体積、角度を抽象的な対象として扱います。『4-2.ピタゴラスの定理』で述べたように、「2つの線分 α と