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  • 「礼儀正しい国」日本でなぜ人々が“キレやすく”なっているのか? | 中国紙が報じる「カスハラ」問題

    病院の受付に激怒する患者、JR職員に暴力を振るう乗客……礼儀正しさと他者への敬意を誇りとしてきた日本で、攻撃的になる人が増えている。客による迷惑行為「カスタマーハラスメント」が社会問題化している現状とその背景を中国紙が取材した。 それは病院の受付をしている女性からの悲痛な訴えだった。4月3日付の読売新聞の悩み相談欄「人生案内」に投稿した匿名の女性が、患者から不満をぶつけられる「サンドバッグ」状態になっていることがつらいと綴った。 診察を待たされて怒鳴る人もいれば、順番を飛ばして治療しろと要求する人、笑顔で対応すると激怒する人もいる。女性は最後に、こうした患者に対する「心の持ちよう」を教えてほしいと助言を求めた。 回答者で心療内科医の海原純子は、女性の苦しい状況に理解を示し、最近の受付にはスタッフに対する思いやりを求める張り紙が増えていると述べた。しかし、医療機関の責任者が相談者の女性を守る

      「礼儀正しい国」日本でなぜ人々が“キレやすく”なっているのか? | 中国紙が報じる「カスハラ」問題
    • ISの性奴隷にされた女性たちが証言する、想像を絶する「地獄」 | 子供なのに家族と引き裂かれ、売られ…

      法、その一。「いかなる女も、配偶者あるいは所有物、召使いでないなら、性交は合法でない」 法、その二。「女が召使いや奴隷になるのは戦争を通じてである」 法、その三。「ジハードで戦った男が女性捕虜を手に入れるのは、司令官から与えられたときか、買ったときである」 いまから10世紀前の征服活動のときに書かれたこの中世の文章には、戦利品として獲得した性奴隷の正しい取り扱い方について、もっと具体的な記述もある。たとえば性奴隷の「利用」開始時期は、月経を1回見送ってからだとされている。獲得した性奴隷が妊娠している場合は、出産後だ。いまから見れば鬼畜の所業だが、これがかつてのイスラム帝国における「宗教的な立場から出された見解」だった。 IS(いわゆる「イスラム国」)がイラクとシリアに支配領域を持っていた2014年から2019年までの時期、その支配領域では性奴隷の拉致と酷使が横行したが、それを正当化する拠り

        ISの性奴隷にされた女性たちが証言する、想像を絶する「地獄」 | 子供なのに家族と引き裂かれ、売られ…
      • ウイグル族だけじゃない─中国朝鮮族が直面する同化政策の現実 | 少数民族に求められるのは「もっと中国人になること」

        中国当局の同化政策によって苦しい思いをしている少数民族の地域としてよく名前があがるのが、新疆ウイグル自治区だ。反体制派が多く、徹底した監視体制がおかれ、歯向かったとして「再教育キャンプ」に送り込まれる人の多さに世界が注目している。 だが、あまり世界から目を向けられることなくじわじわと同化されつつあるのが、中国朝鮮族だ。英誌「エコノミスト」が現地取材を交えて現状を報じている。 彼らの言語はずっと守られていたけど… 圧倒的に優位な者が、一方をやすやすと凌駕する──そんなときに、強者の本性が最も明らかになる。 テロリズムや国の安全に関わる脅威に対し、無慈悲な態度で臨む政府は多いだろう。しかし、ある政権がその意志を押しつけるために無抵抗の集団に対して力のすべてを行使するのは、その国のあり方が明白になる瞬間だ。 そうした不平等な争いのひとつが今まさに、中国と北朝鮮の国境近く、中国吉林省内の延辺朝鮮族

          ウイグル族だけじゃない─中国朝鮮族が直面する同化政策の現実 | 少数民族に求められるのは「もっと中国人になること」
        • 高級雑誌の時代に終止符 アナ・ウィンターが本気で取り組みはじめた「コンデナスト改革」 | 『プラダを着た悪魔』は、もう過去のもの?

          「紙の雑誌は永遠になくならない」 数年前はそう断言していたアナ・ウィンターだが、さすがの「コンデナスト」社でも急速に進むデジタル化の流れを目の前にして、悠長に構えてはいられなくなってきた。彼女自身が作り上げてきた「編集長」の姿は失くなるが、アナ・ウィンターの権力が弱まることはない──。 高級志向のメディアブランドを抱えるメディア企業は、「グローバル新戦略」で変化の時代を乗り切ることができるのか。 1988年から「ヴォーグ」の編集長を務めてきたアナ・ウィンターは、ボブヘアにサングラス、鋭い眼識で有名だ。流行の権威者たる「コンデナスト」社の豪華な歴史をあらゆる意味で体現している彼女は、いまや同社の未来も「売って」いる。その未来では、彼女自身が定めたような編集長の役割は過去のものとなる。 「出版業界で働くことが本当に素晴らしいのは、絶え間ない変革と、物事の動きがわかることだと思います」 マンハッ

            高級雑誌の時代に終止符 アナ・ウィンターが本気で取り組みはじめた「コンデナスト改革」 | 『プラダを着た悪魔』は、もう過去のもの?
          • 【解説】米国各地のキャンパスで親パレスチナの学生らが要求していること | ただの「戦争反対」ではない

            米コロンビア大学での親パレスチナ学生らによる抗議行動はなお続いている Photo: Stephanie Keith / Getty Images 米国各地の大学キャンパスで、イスラエルのガザ攻撃を糾弾する親パレスチナの学生らによる抗議行動が激化しており、警察当局による逮捕者も続出している。 米紙「ワシントン・ポスト」によれば、ニューヨーク市にあるコロンビア大学で4月18日、キャンパス内で野営していた親パレスチナの抗議者100人超がニューヨーク市警に逮捕されたことをきっかけに、連帯の意を示す同様の抗議行動が各地の大学に飛び火したという。 同紙は別の記事で、こうした抗議行動で逮捕者が出た大学についてまとめている。それによれば、コロンビア大学以外では、イェール大学(コネチカット州)で60人、ニューヨーク大学で120人、テキサス大学オースティン校で50人超、南カリフォルニア大学で90人超、エマーソ

              【解説】米国各地のキャンパスで親パレスチナの学生らが要求していること | ただの「戦争反対」ではない
            • 【全訳】グレタ・トゥーンベリ、国連気候行動サミットで怒りのスピーチ | 「あなたがたは私たちを裏切っている」

              気候変動の危機を訴えているスウェーデン人活動家のグレタ・トゥーンベリ(16)が、9月23日、米国ニューヨークで開かれている国連の温暖化対策サミットで、「大人」世代に向けた厳しいスピーチをし、世界中で話題になっている。これまでトゥーンベリを取り上げてきたクーリエ・ジャポンが緊急全訳をお届けする──。 あなたがたを信じない 私たちはあなたがたを見張っています──これが私のメッセージです。 こんなことはすべてまちがっています。私がこんな壇上にいるべきじゃないんです。大西洋の向こうの学校に戻っているべきなんです。なのに、あなたがたはみんなして、私たち若者に期待してやってくるなんて。ありえない! あなたがたは空っぽの言葉で、私の夢と子供時代を盗みました。それでも、私はラッキーなほうです。人々は苦しんでいます。死んでいます。全生態系は崩壊しつつあります。大量絶滅の始まりに私たちはいるんです。

                【全訳】グレタ・トゥーンベリ、国連気候行動サミットで怒りのスピーチ | 「あなたがたは私たちを裏切っている」
              • 「鳥は国民を監視するために政府がつくったドローンだ」という陰謀論がZ世代に広がっているワケ | 若者たちが支持する「陰謀論に打ち勝つための陰謀論」

                「鳥は全部ドローンだ!」 パンデミックが発生し、情勢不安は続き、そしてナショナリズムが台頭するなか、インターネットが人々の不安を煽ることで陰謀論がますます広がっている。SNSやネット掲示板を見るとそれは顕著に思えるだろう。 そんななか、アメリカではいま不思議な陰謀論が若者たち──特にZ世代の間で広まっている。「Birds Aren’t Real(鳥は偽物だ)」というものだ。「鳥など実在せず、これは実のところアメリカ政府がアメリカ人を監視するために設置したドローンである」という陰謀論である。 これが大変な人気で、同国のピッツバーグ、メンフィス、ロサンゼルスでは「Birds Aren’t Real」と書かれた巨大な看板まで街に出現しているという。インスタグラムやTiktokでは「Birds Aren’t Real」のアカウントが何十万人ものフォロワーを獲得しており、その影響力がうかがえる。 A

                  「鳥は国民を監視するために政府がつくったドローンだ」という陰謀論がZ世代に広がっているワケ | 若者たちが支持する「陰謀論に打ち勝つための陰謀論」
                • 巨大テック企業があえて「自粛」した技術が、世に放たれようとしている | 顔認証技術から考える倫理的ハードル

                  数年前、巨大テック企業のエンジニアたちは、カメラで捉えた相手の顔を認識し、名前を表示するツールを開発した。だが、かのシリコンバレーもそのときばかりは、素早く実用化して環境を変えることをしなかった。 それからしばらく経ったいま、大企業の支配を受けないスタートアップが、その技術を世に出そうとしている。この状況は、技術をどう活用するかという倫理的な議論や法規制が必要であることを浮き彫りにする。 すでに完成されていた技術 2017年初頭のある日の午後のことだ。カリフォルニア州メンロパークにあるフェイスブック本社の会議室で、エンジニアのトマー・レイヴァンドは、野球帽の端にスマートフォンをくっつけた状態で座っていた。そのスマートフォンは、ゴムバンドによってカメラを外に向けた状態でしっかり固定されていた。 このばかげた帽子フォンは、きわめて不格好だったが、未来の青写真であり、そこにはごく一部の社員しか知

                    巨大テック企業があえて「自粛」した技術が、世に放たれようとしている | 顔認証技術から考える倫理的ハードル
                  • 教員の「ブラック勤務」が日本の教育現場でハラスメントを誘発している | 長時間のサービス残業、不可解な業務…

                    部活動の指導や課外活動への随行など、広範な業務に無償で対応しなければならない日本の教員の理不尽な労働環境を中国紙が取材。多くの教員が深刻なストレスを抱えていることが、職場でのハラスメントといった新たな問題を引き起こす原因になっていると指摘する。 日本の教育関係者が相次いで、長時間のサービス残業の解消を政府に要求した。 2024年2月には、教育研究者の有志が教師の労働時間を削減する施策などを訴え、18万筆の署名を文部科学省に提出した。翌月には日本教職員組合(日教組)が同様の内容を求め、70万筆近い署名を提出している。 日本の教師の長時間労働の問題については、文科省の中央教育審議会が立ち上げた特別部会で議論されており、残業代を支払わない代わりに教員の給与を4%上乗せすることを定めた「給特法」の見直しなどが検討されている。

                      教員の「ブラック勤務」が日本の教育現場でハラスメントを誘発している | 長時間のサービス残業、不可解な業務…
                    • 英紙が見た「日本でいちばん移民フレンドリーな群馬の町」 | 人口の2割は49ヵ国から来た外国人

                      住民の5人に1人が外国人という日本でも珍しい町、群馬県大泉町。移民たちにとって住みやすいコミュニティをつくるために、町はどんな取り組みをしているのか? 英紙「オブザーバー」が取材した。 東京や京都といったにぎやかな観光地から遠く離れた、工業の盛んな小さな町がいま、社会変革の真っ只中にある。首都の東京よりも、この群馬県大泉町が、外国人に優しい日本の未来を切り拓いているのだ。 多文化共生を試みるのに、北関東は意外な場所かもしれない。だが、大泉町は他の日本の地方自治体とは少し違う。この地にある東武鉄道小泉線の西小泉駅では、駅名標が6ヵ国語で書かれており、切符売り場では、日本語でのコミュニケーションが難しい人々にスタッフが丁寧に対応している。 町のメインストリートには、ブラジルやペルー、コロンビアの食品を販売するスーパーをはじめ、ケバブ店、ネパール料理やインド料理のレストラン、ハラールの精肉店、東

                        英紙が見た「日本でいちばん移民フレンドリーな群馬の町」 | 人口の2割は49ヵ国から来た外国人
                      • プリツカー賞に輝いた山本理顕が米紙に語る「コミュニティのための建築」 | 「建築界のノーベル賞」を受賞して

                        「建築界のノーベル賞」とも呼ばれるプリツカー賞の2024年の受賞者に山本理顕が選ばれた。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が審査員の評価や山本へのインタビューを交えながら、彼の建築が人々に愛される理由に迫る。 「なぜこんな奇妙な家を?」 控えめな建築で、コミュニティやつながりを静かに強調する建築家の山本理顕(78)が、建築界最高の栄誉であるプリツカー賞を受賞した。 受賞者が発表された3月5日、審査員は山本をこう称えた。 「個人住宅であれ、公共インフラであれ、学校、消防署、市庁舎、美術館であれ、彼の設計には常に公共的で友好的な側面がある。コミュニティに対する彼の絶え間なく、慎重かつ実質的な配慮は、人々がさまざまな方法で集うきっかけとなる公共のインターワーキング(相互作用)スペースのシステムを生み出した」 パブリックとプライベートの領域の境界をなくしたいという山本の思いは、1977年に完成した彼の

                          プリツカー賞に輝いた山本理顕が米紙に語る「コミュニティのための建築」 | 「建築界のノーベル賞」を受賞して
                        • 化石燃料を輸出しながら自国のクリーン化を急ぐノルウェーの「矛盾」 | 「私たちは汚染を輸出している」

                          オスロの副市長シリン・ヘルヴィン・スタヴは、自らノルウェーの「偽善」と呼ぶ問題があることを認識している。ノルウェーは温室効果ガスを削減すべく努力している一方で、多くの原油とガスを生産しているのだ。昨年、ノルウェーの化石燃料の輸出高は25兆円にものぼった。 「私たちは汚染を輸出している」とスタヴは言う。彼女が属する緑の党は、2035年までに原油とガスの生産を廃止する目標を掲げている。 しかし、ノルウェー政府が原油とガス生産から手を引く様子はない。 ノルウェー石油エネルギー省の副大臣アムンド・ヴィクは声明で、ノルウェーは欧州のエネルギーの安全を保障していると述べた。また、複数の資源を生産していて、現在開発中の資源もあるとも付け加えている。 EV化による失職は増えたのか

                            化石燃料を輸出しながら自国のクリーン化を急ぐノルウェーの「矛盾」 | 「私たちは汚染を輸出している」
                          • 望まない出産を減らせば、犯罪も減る─『ヤバい経済学』は本当だった! | 20年後に検証して判明

                            およそ20年前、論文に「中絶が合法化されると犯罪が減る」とするデータが示された。さらに、ベストセラーになった『ヤバい経済学』ではその要旨が書かれ、大きな物議を醸した。そして20年後にこの仮説を再検証した結果、なんと予想が見事に裏付けられていたという。『ヤバい経済学』の著者の一人スティーヴン・レヴィットとスタンフォード大学法科大学院教授ジョン・ドナヒューが、この仮説に否定的な姿勢をとり続けてきた英「エコノミスト」誌に寄稿した。 私たちが人工妊娠中絶の合法化と、1990年代の米国で犯罪件数が激減したことを関連づけた論文を発表してから20年以上が経過した。その根拠は明快だ。 すなわち、「望まれずに生まれた子供は恵まれない環境に育ち、後年、犯罪に加担する割合が非常に高くなる。合法的な妊娠中絶は望まれずに生まれてくる子供の数を減らし、結果として犯罪も減る」。ただし、その効果が表れるまでかなりの時間差

                              望まない出産を減らせば、犯罪も減る─『ヤバい経済学』は本当だった! | 20年後に検証して判明
                            • 分断された時代に民主制を守るため、アメリカが達成すべき「3つの目標」 | 反省と傾聴、そして再建の時代へ

                              デジタル以前の時代の物事のあり方に戻ることは、我々には決してできない。 テクノロジーがあらゆることを恐ろしいほどに高速化・多角化し、専門の監視者をやり過ごすことも非常に容易となった現在においては、長きにわたるマスコミュニケーションの時代に発展した政治参画の規範、制度、形態はもはやうまく機能しないだろう。 しかし、アメリカの民主制は現在、持続可能な領域を超えて稼働してしまっている。我々が今すぐ大きな変化を起こさなければ、我々の制度・組織、政治体制、そして社会は、来るべき大戦争、パンデミック、経済市場の暴落、憲政の危機の内に崩壊するかもしれないのだ。

                                分断された時代に民主制を守るため、アメリカが達成すべき「3つの目標」 | 反省と傾聴、そして再建の時代へ
                              • 世界が認める「ジャズのルールを打ち壊す」ピアニスト上原ひろみ | 「ピアノはまるで飛行機のよう」

                                12歳の頃にはすでに台湾で公演をするほどの腕前だったという、ジャズ・ピアニストの上原ひろみ。そんな彼女は、44歳になった今もエネルギーを爆発させて、世界中の聴衆を驚かせ続けている。 ジャズ・ミュージシャンといっても、日本人ピアニスト・上原ひろみのようなタイプはあまりいない。30センチほども髪の毛を巧みに盛り上げた44歳の彼女が繰り出すのは、ペースの速いバップから現代音楽的な重々しいパワーコード、シンセサイザーでのプログレ的な展開まで、縦横無尽で攻撃力抜群の力強い音楽だ。大音量のサウンドに、聴衆はジャズクラブではお決まりの恭(うやうや)しい拍手ではなく、歓声を上げて飛びはねる。 「お客さんは非常に幅広いです。最近イタリアであったライブでは、最前列に真珠のネックレスをしたとても身なりの良い高齢女性がいて、その隣の男性はアイアン・メイデンのTシャツを着ていて」と彼女は笑って言う。 「同じ列のずっ

                                  世界が認める「ジャズのルールを打ち壊す」ピアニスト上原ひろみ | 「ピアノはまるで飛行機のよう」
                                • 高齢化が進むヨーロッパで投資家が注目するのは(やっぱり)あの業界だ | 国をまたいだ大資本の力が強まる

                                  進む「大企業化」 先進国で加速する少子高齢化は需要と市場の縮小をもたらすと、政財界は警鐘を鳴らす。それはヨーロッパでも例外ではない。しかし、少子高齢化が好機とみなされ、多額の投資を集めている業界がある。それは、葬儀業界だ。 米メディア「ブルームバーグ」によると、英国のプライベートエクイティ投資会社チャーターハウス・キャピタル・パートナーズやフランスのラトゥール・キャピタルが投資するフューンキャップは、ヨーロッパの300以上の火葬場をおよそ約1700億円を費やして買収した。 また、同社はオランダにある世界有数の火葬設備メーカーを2022年に買収したり、ドイツ最大のライン・タウヌス火葬場と業務提携をしたりと、攻勢を強めている。

                                    高齢化が進むヨーロッパで投資家が注目するのは(やっぱり)あの業界だ | 国をまたいだ大資本の力が強まる
                                  • 米紙「数十年かかったが、ようやく日本の女性の働き方が変わりつつある」 | いまだに課題は多くあるが…

                                    男女雇用機会均等法の施行から約30年。他の先進国に遅れを取りつつも、日本の政府組織や民間企業では、男性優位の職場文化に変化が見られるようになった一方、まだまだ多くの課題が残されてもいる。外務省や大手企業で働く女性たちの現状を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。 男女雇用機会均等法が施行された翌年の1987年、のちに日本の皇后となる女性が外務省に入省した。彼女は3人しかいない女性の新人外交官のひとりだった。当時は小和田雅子という名前だったこの女性は深夜まで働き、日米貿易摩擦の対応などにあたった北米二課で、華々しいキャリアを築いていた。 だが、彼女はそれから6年も経たないうちに退職し、当時は皇太子だった現在の天皇、徳仁と結婚した。 その後の30年で、外務省の状況は大きく変わった──そして、女性たちの置かれた状況も。2020年以降、新人外交官の半数近くを女性が占めるようになり、多くの女性

                                      米紙「数十年かかったが、ようやく日本の女性の働き方が変わりつつある」 | いまだに課題は多くあるが…
                                    • クリーンテックのインパクトは「インターネットをもしのぐ」ものになる | ビル・ゲイツやジェフ・ベゾスも本腰を入れた

                                      痛い失敗がもたらした教訓 2007年、シリコンバレーのベンチャーキャピタル「クライナー・パーキンス」のパートナーであるジョン・ドーアは「TEDトーク」でこう語った。 「グリーンテクノロジー、つまりグリーン化のインパクトはインターネットをしのぐ。これは21世紀最大の経済機会となる可能性がある」 「クライナー・パーキンス」だけでなく、世界中のベンチャーキャピタルがこぞって太陽光発電分野のスタートアップや電池メーカーに何百万ドルもの資金を投入した。投資を受けたスタートアップのひとつ「A123システムズ」は2009年に上場し、評価額は19億ドルを超えた。非シリコン系太陽光パネルを開発する米カリフォルニア州の「ソリンドラ」は約10億ドルを調達し、さらに米政府からも5億3500万ドルの融資を獲得している。 2008年、シリコンバレーの著名な投資家で資産家のビノッド・コースラは、「太陽光発電の最先端はシ

                                        クリーンテックのインパクトは「インターネットをもしのぐ」ものになる | ビル・ゲイツやジェフ・ベゾスも本腰を入れた
                                      • 「金価格の高騰」は“世界秩序の変化”を信じる人が増えていることの証左だ | ドルが基軸通貨ではなくなる可能性

                                        金価格が急騰し、ドル建てでも円建てでも史上最高価格の更新が続いている。その価格はまだ上がるとの指摘もあるが、なぜこれほどまでに追い風が吹いているのだろうか。 米国の経済史学者ハロルド・ジェイムズが、金の歴史的な意味を振り返りながら、現在の金価格上昇の理由を解き明かす。 「安定」のための金 最近、金価格が高騰している。これが象徴するのは、世界秩序の変化と、紛争と不確実性の新時代の到来だ。各国政府と中央銀行は長い間、この貴金属を通貨の安定と経済の安全保障のための潜在的な源泉と見なしてきたが、今回も例外ではない。国際通貨システムのなかで金が再び脚光を浴びているのだ。 いまから50年以上前、リチャード・ニクソン米大統領が金ドル本位制を廃止し、金ドル交換を停止した。そうして貴金属との引き換えが約束されない不換紙幣の新時代が始まった。 しかしいま、分散型台帳技術やブロックチェーンなどの新しいテクノロジ

                                          「金価格の高騰」は“世界秩序の変化”を信じる人が増えていることの証左だ | ドルが基軸通貨ではなくなる可能性
                                        • 「こんまり」についてサステナビリティ研究者の私が言いたいこと | ドイツ「持続可能性」のスター論者マーヤ・ゲーペル

                                          「もってもいないお金を使い、いらないものを買って、自分の嫌いな人を、あっと言わせようとしている人が多すぎる」(ユーモア作家 ロバート・クィレン) 2018年、もっともヒットした実用書のひとつに、『マジック・クリーニング』と題された本がありました(原著は『人生がときめく片づけの魔法』)。 この片づけメソッド本の著者は、日本人女性、近藤麻理恵で、本国では長くベストセラーに名をつらねていました。彼女の片づけシリーズは40ヵ国語に翻訳され、世界中で700万冊以上もの売り上げを記録しましたが、とりわけめだつのが、欧米先進国での売り上げです。正しい片づけの手ほどきを受けたいと思っているのは、そうした国の人びとのようです。 すぐにわかることですが、片づけに困るのは、そもそも買いものをし過ぎているからです。近藤の提唱するメソッドの根っこには、モノをもちすぎているとほんとうの整理整頓はできない、という、たい

                                            「こんまり」についてサステナビリティ研究者の私が言いたいこと | ドイツ「持続可能性」のスター論者マーヤ・ゲーペル
                                          • 高齢化を食い止められるか? 「女漁師」が日本の漁業を変える日 | 「女は陸、男は海」の時代は終わった

                                            著しく高齢化が進む日本の水産業。人手不足が深刻な状況のなか、漁師を目指す女性の姿も見られるが、古くからの男社会が彼女たちの参入を難しくしているという。英「ガーディアン」紙が岩手県で取材した。 岡田真由美(49)は最後にひと振りして、水をたっぷり吸った重いロープを太平洋へ繰り出した。午後の強風で海面に白波が立つなか、夫の薫省(くにあき・54)が船室を出て船べり越しに目を凝らす。そして、最後に投入した幼生カキの稚貝が所定の位置まで下りたことを確認した。このカキが成長すると、東北地方の太平洋岸一帯の代名詞といえる大振りな身の高級食材となる。 3年前、岡田薫省は勤務していた旅行会社を辞め、妻の真由美とともに東京から500キロ北の岩手県大船渡市三陸町の小規模集落、泊(とまり)へ移住した。彼は以前から、漁師として一本立ちすることを夢見ていた。真由美は夫の夢を応援したが、彼女自身も海への憧れがあった。

                                              高齢化を食い止められるか? 「女漁師」が日本の漁業を変える日 | 「女は陸、男は海」の時代は終わった
                                            • 日本は顧客サービスにリソースを割きすぎ…英紙が見た「カスハラ問題」 | 労働力不足で「負担」が浮き彫りに

                                              日本で大きな社会問題となる「カスタマーハラスメント」に英紙「フィナンシャル・タイムズ」も注目。労働力不足が慢性化するなか、「お客様は神様」だという営業方針は日本企業にとってもはや「高コスト」だと指摘する。 最近、世界的に有名なある高級ブランドが、各国直営店の状況を調査した。それぞれの地域で客を装った覆面調査員を店舗に送り込み、顧客サービスを評価させたのだ。 すると、前評判はよかったにもかかわらず、日本の直営店の評価は惨憺たるものだった。同社の担当者は、この状況を次のように説明する。 「サービスではなく、覆面調査をしたお客様に問題がありました。我々も日本の店舗のサービスは他国とは比べものにならないほど優れていると考えています。しかし私たちが調査をお願いした日本人のお客様は、他国なら誰も気がつかないようなマイナス点を目ざとく指摘されました」 このエピソードを、うらやましいと思う人は多いのではな

                                                日本は顧客サービスにリソースを割きすぎ…英紙が見た「カスハラ問題」 | 労働力不足で「負担」が浮き彫りに
                                              • イスラエル軍の狙撃兵、ガザの教会にいた母と娘を「冷酷に」射殺 | ローマ教皇も「無差別攻撃」を非難

                                                12月16日、パレスチナ自治区ガザ地区にある教会をイスラエル軍が攻撃し、教会に避難していた母親と娘を射殺したと、エルサレム総主教庁が明らかにした。 これを受けてローマ教皇フランシスコは17日、あらためてガザで民間人が犠牲になっていることに懸念を示した。 この数日前にはイスラエル軍が人質3人を誤って射殺したことが明らかになっており、ガザ地区への容赦ない攻撃を続けるネタニヤフ政権に対する批判が高まっている。 「スナイパーは動くものすべてを狙っている」 エルサレム総主教庁の声明によると、射殺されたのはナヒダという女性と娘のサマル。銃撃が始まる前に警告はなく、「彼らは戦闘するような人間が一人もいない教区の敷地内で冷酷に撃たれた」という。 さらに7人がほかの人を守ろうとして銃撃を受け、負傷したとしている。 カタールのメディア「アルジャジーラ」によると、ガザのキリスト教徒を受け入れているこの教会はここ

                                                  イスラエル軍の狙撃兵、ガザの教会にいた母と娘を「冷酷に」射殺 | ローマ教皇も「無差別攻撃」を非難
                                                • 米紙が迫る「ずば抜けて出生率が高い岡山県奈義町の秘密とは」 | 世界中が羨望の眼差しを向ける「奇跡の町」

                                                  日本の少子高齢化に歯止めがかかる様子はない。だが岡山県の奈義町は、他国も注目するほどの出生率を誇っているという。その秘密を探るべく、米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が同町を取材した。 「少子化の実感が湧かない」ほど子供がいる町 岡山県、奈義町。山に囲まれた緑豊かなこの町は、何十年も米や黒大豆、そして町のマスコットキャラクターにもなっている里芋の生産地として知られていた。 この奈義町に最近、日本全国、さらには海外からも来訪者が押し寄せている。 人々が尊敬と羨望の入り交じった眼差しを向けるのは、この町の生産品として長らく知られてきたものではない。この町が素晴らしい成功をおさめているのは「赤ちゃん」なのだ。 記録的な少子化と人口減少に悩まされる日本において、半分近くの世帯に3人以上の子供がいる奈義町は「奇跡の町」として知られるようになった。東京のような都会の喧騒から遠く離れた、田んぼが広がるこの町

                                                    米紙が迫る「ずば抜けて出生率が高い岡山県奈義町の秘密とは」 | 世界中が羨望の眼差しを向ける「奇跡の町」
                                                  • 【解説】“悲惨な討論会”を見た海外の同盟国はトランプ再選に備えはじめた | 世界の各紙がバイデンを非難

                                                    11月の米大統領選に向け27日開かれたテレビ討論会で民主党の現職バイデン大統領が苦戦したことを受け、米国の同盟国の一角では、共和党のトランプ前大統領の返り咲きに備える動きが強まっている Photo: Kenzo Tribouillard / Reuters 11月の米大統領選に向けて27日に開かれたテレビ討論会で民主党の現職バイデン大統領が苦戦したことを受け、米国の同盟国の一角では、共和党のトランプ前大統領の返り咲きに備える動きが強まっている。 討論会では、バイデン大統領は序盤から時折声がかすれ、言葉に詰まる場面もあった。バイデン氏が討論会で「高齢懸念」を払拭するという期待も高まっていたが、同氏の精彩を欠く姿を受けて民主党内でも動揺が広がり、一部の民主党員からは、候補者の交代という異例の措置が必要かもしれないとの見方も出ている。 海外の新聞各紙の紙面も、バイデン氏に対する非難が目立った。仏

                                                      【解説】“悲惨な討論会”を見た海外の同盟国はトランプ再選に備えはじめた | 世界の各紙がバイデンを非難
                                                    • 米紙が見た「日本の警察に“外見”を理由に職質されまくる彼らの苦労」 | 「レイシャル・プロファイリング」の実態

                                                      警察が見た目や人種を理由に職務質問や捜査の対象を選ぶ「レイシャル・プロファイリング」の問題が、日本でも徐々に認知されはじめている。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が、日本でこうした理由から頻繁に職質され続ける人々の置かれた現状を取材した。 「別にドレッドヘアが悪いわけではないですけど」 通勤中の人々が東京駅を足早に通り過ぎていくなか、警官が若い黒人男性に丁寧に説明する。「私の経験上ですよ、ドレッドヘア、おしゃれな方って、けっこう薬物を持っている方がいままで多かった」 2021年にアロンゾ・表側(28)が受けたこの職務質問の動画は、日本におけるレイシャル・プロファイリング(人種や肌の色を理由に捜査対象を選別すること)についての議論を引き起こし、警察の内部調査につながった。だが表側にとっては、13歳で初めて職質を受けて以来、ずっと抱え続けている問題の一部にすぎなかった。 「警察はただ自分の仕事を

                                                        米紙が見た「日本の警察に“外見”を理由に職質されまくる彼らの苦労」 | 「レイシャル・プロファイリング」の実態
                                                      • プーチンの顔に泥を塗った“ロシア暗殺部隊”のあり得ない大失態 | 元スパイが証言「ソ連時代の“ガン”が偉大な帝国を蝕みつつある」

                                                        元スパイが証言「ソ連時代の“ガン”が偉大な帝国を蝕みつつある」 プーチンの顔に泥を塗った“ロシア暗殺部隊”のあり得ない大失態 ロシアのプーチン大統領。2020年7月1日おこなわれた改憲投票により、2036年でまで現職にとどまることが可能になった Photo: Mikhail Svetlov / Getty Images

                                                          プーチンの顔に泥を塗った“ロシア暗殺部隊”のあり得ない大失態 | 元スパイが証言「ソ連時代の“ガン”が偉大な帝国を蝕みつつある」
                                                        • 白人と付き合うアジア系女性を攻撃 新ネットスラングが危険すぎる! | 「オックスフォード研究」というコメントには要注意

                                                          コメント欄に「オックスフォード研究」と書かれたら要注意 「オックスフォード研究」というフレーズが、TikTokなどのソーシャルメディア上で、アジア系女性、特に白人男性とデートをしたり恋愛関係にある女性たちを揶揄するために使われている。 英紙「ガーディアン」によれば、白人男性とのデートや恋愛について投稿するアジア系女性の投稿のコメント欄に「オックスフォード研究」という奇妙な書き込みが出てくるようになったのは「2023年の春頃から」。 通常「オックスフォード研究」というフレーズは、英国のオックスフォード大学での学術研究を指す。

                                                            白人と付き合うアジア系女性を攻撃 新ネットスラングが危険すぎる! | 「オックスフォード研究」というコメントには要注意
                                                          • ハーバード大の幸福研究者が教える「幸せな子供」を育てるための7つのアドバイス | わが子にいつまでも変わらぬ興味を持ち続けよう

                                                            親なら誰でも、わが子には幸せになってほしいと願うものだ。ハーバード大学で80年以上にわたっておこなわれている幸福研究によれば、幸せな人生を送るには、「困難に対処する力」と「良好な人間関係」が必要だという。研究の責任者を務めるロバート・ウォルディンガーが、子育て世代に贈る7つのアドバイスを紹介しよう。 どうすれば「よい人生」を送ることができるのか──ロバート・ウォルディンガー(72)はこの問いの答えを考えつづけてきた。 ハーバード大学成人発達研究所は、80年以上にわたり、700人を超える被験者とその子孫1300人以上の人生を追跡調査してきた。 同研究所の責任者を務めるウォルディンガーは、その成果をもとに幸せな人生を送るために必要な要素を新著『グッドライフ:世界最長の幸福実験でわかったこと』にまとめている。ウォルディンガーの研究のなかから、子育てに役立つ情報を紹介しよう。 1 幸せは偶然になる

                                                              ハーバード大の幸福研究者が教える「幸せな子供」を育てるための7つのアドバイス | わが子にいつまでも変わらぬ興味を持ち続けよう
                                                            • 仏専門家が提言「フランスは日韓関係の歴史から学ぶべきだ」 | 仏領アルジェリアや日本統治時代の朝鮮は単なる植民地以上のもの

                                                              フランスはアルジェリアの植民地化をめぐる問題に取り組むにあたって、日韓関係を参考にすべきだ──。こう提言する報告書が、1月20日、フランスのマクロン大統領に提出された。 これは、歴史家バンジャマン・ストラによる「アルジェリアの植民地化とアルジェリア戦争に関する記憶の問題」に関する報告書で、マクロン大統領の求めに応じて作成されたものだ。 この提言ははたして妥当なものなのか。アジア史の専門家リオネル・バビッチが、フランス・アルジェリア関係と日韓関係の類似点を分析する。 フランス領アルジェリアと日本統治時代の朝鮮は似ている 歴史家バンジャマン・ストラによる報告書の特徴は「アジアへの寄り道」をしているところだ。日本が中国や韓国に対して謝罪をしても、その効力が限られていたことを踏まえ、フランスがアルジェリアに対して似たような「悔悟」の行為をする選択肢を排除しているのだ。 まずはこのようにアジアへの“

                                                                仏専門家が提言「フランスは日韓関係の歴史から学ぶべきだ」 | 仏領アルジェリアや日本統治時代の朝鮮は単なる植民地以上のもの
                                                              • 「全米ベストセラー健康長寿本」著者のカリスマ医師が教える「幸せに長生きするための生活習慣」 | 老化を予防する「医学3.0」を目指せ

                                                                脳や肉体を健やかに保ちながら長生きする「健康寿命」を延ばすにはどうしたらいいのか? 老化の予防を謳った「医学3.0」を提唱するカナダ人外科医ピーター・アッティアに、健康で幸福な人生を送るために有効な生活習慣を英紙が聞いた。 ピーター・アッティアは20年前、研修外科医として米国メリーランド州ボルチモアにあるジョンズ・ホプキンス病院に勤務していた。 当時の彼は、事故やケガで危険な状態にある患者は手術で救えたものの、循環器疾患やガンといった「緩慢な死」の途上にある人たちの前では無力だった。 「死の訪れを少し遅らせるのが精いっぱいで、彼らの寿命の長さは変えられませんでした」とアッティアは言う。 生活習慣病などによる緩慢な死を防ぐための方法について語るアッティア。スタンフォード大学医学部を卒業後、ジョンズ・ホプキンス病院で外科医として修業を積んだ。2023年3月に出版された『アウトリブ 長生きの科学

                                                                  「全米ベストセラー健康長寿本」著者のカリスマ医師が教える「幸せに長生きするための生活習慣」 | 老化を予防する「医学3.0」を目指せ
                                                                • 「私が行方不明になった」ときのためにフォルダを用意する女性たち | 米国発のニッチなトレンド

                                                                  犯罪者の手によって自分の姿が消された場合を想定し、捜査の手掛かりとなる情報をあらかじめ準備しておくことが、米国に住む一部の女性たちのなかでトレンドとなっているという。 ニューハンプシャー州で臨床部長として働くクリスティナ・マレー(36)は、53ページの文書テンプレートすべてをプリントアウトした。そこには、自分が所有する車のメーカーと車種、元カレや彼らの最新の住所、電話番号、借金があればその金額を書き込む空欄がある。 テンプレートには、最近撮影した自身の写真と、タトゥーや特徴的な傷を書き入れるようにとのアドバイスも盛り込まれている。あとはSNSアカウントのパスワードを記録する1ページを埋めれば終わりだ。彼女は作成したフォルダを2部プリントアウトした。1部はひとり暮らしをするアパートに保管して、残った1部を勤務先の人事部に渡した。 彼女が作成したのは、「もし私が行方不明になったら」フォルダだ。

                                                                    「私が行方不明になった」ときのためにフォルダを用意する女性たち | 米国発のニッチなトレンド
                                                                  • フランス人経済学者が問う「日銀はいつまで独自路線を貫けるのか」 | 現状のインフレなら、金利よりも見直すべきものがある

                                                                    世界の主だった中央銀行がどこも金融引き締め政策でインフレを抑えようとしているのに、日本の中央銀行だけがマイナス金利政策でいまも金融緩和を続けている。そこには日銀なりの理由があるわけだが、はたしてこの独自路線はいつまで貫けるものなのだろうか。 日本では、お金をタダ同然で調達できるようになってからの期間が非常に長い。日本国内の民間銀行は、1990年代末から日銀が発行する通貨をタダ同然で調達できた。ゼロ金利政策が始まって10年ほど経った2008年、世界規模の金融危機が起きて金利が若干上がった時期もあったが、それも日銀がすぐに0%に戻した。 それからさらに10年ほど経った2016年2月、日銀は金利をマイナスにする世界でも珍しい中央銀行の一つになった。マイナス0.1%という政策金利は、それ以来、変わっていない。

                                                                      フランス人経済学者が問う「日銀はいつまで独自路線を貫けるのか」 | 現状のインフレなら、金利よりも見直すべきものがある
                                                                    • 1万人の子供たちから「ポルノ体験談」を聞いてわかった10のこと | 子供はすでに6歳でポルノの洗礼を受けている

                                                                      生まれたときからインターネットとともに成長する現代の子供たちは、数クリックで露骨なポルノサイトに誘導される。演出家のアビー・ライトは、1万人の子供たちに簡単な質問をした──ポルノについてどう思う? 2016年から2022年にかけて、約1万人の子供たちに話を聞き、彼らが「ポルノからどんな影響を受けたか」を調査した。対象は英国全土の、さまざまな背景を持つ6歳から22歳の子供と若者世代。私は全国を車で巡り、学校やユースシアターなどで彼らと会って話を聞いた。私は演劇の演出家で、製作者だ。今回の調査は、2つの新しいミュージカルの製作の一環でもあった。 このやっかいな問題を子供たちにどう切り出せば良いのかについては、養護施設などを運営する慈善団体「バーナードス」に助言を求めた。6歳児の教室では「インターネットの良いところは?」、次に「インターネットの悪いところは?」と質問して、ペニスなどの露骨な単語の

                                                                        1万人の子供たちから「ポルノ体験談」を聞いてわかった10のこと | 子供はすでに6歳でポルノの洗礼を受けている
                                                                      • ジョナサン・ハイト「スマホに支配された子供時代を終わらせるべきだ」 | 米国を揺るがした社会心理学者がいま訴えること

                                                                        ジョナサン・ハイトはニューヨーク大学教授で社会心理学を研究する。2022年、同氏が米誌「アトランティック」に寄稿した記事「アメリカ社会がこの10年で桁外れにバカになった理由」は米国内で大きな反響を呼び、バラク・オバマやジェフ・ベゾスは人々に一読を促した。 本稿はジョナサン・ハイトの『The Anxious Generation(不安な世代)』からの抜粋(全5編)である。 遊びと自立の衰退 脳に「爆発的な成長期」がある理由 ヒトの脳は、ほかの霊長類のそれに比べて格段に大きく、ヒトの子供時代もまた、極端に長い。大きな脳が特定の文化のなかで順応するには、充分な時間が必要だからだ。 ヒトの子供の脳の大きさは6歳くらいまでにすでに大人の脳の90%くらいに達する。そして、続く10~15年間で、規範やさまざまな社会的スキルを習得していく。 脳の発達はときに「経験期待型」だといわれる。特定の経験をすると期

                                                                          ジョナサン・ハイト「スマホに支配された子供時代を終わらせるべきだ」 | 米国を揺るがした社会心理学者がいま訴えること
                                                                        • パートナーと「性欲の強さ」が異なるとき、どうしたらいい? | 性欲には2種類ある!

                                                                          「パートナーと性欲の強さが異なる」という悩みを抱えている人は多い。だが専門家らによると、それは対処可能な問題だ。パートナーとの効果的なコミュニケーション方法や、性欲の種類と自分の性欲を理解する方法など、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が具体的なアドバイスを聞いた。 最近、本紙ニューヨーク・タイムズは読者に、カップル間の性欲の強さの違いに関するアンケートをおこなった。1200件以上の回答があり、性欲の不一致をどのように乗り越えているかについて、極めて個人的な話が集まった。 同時に、本紙はセックス問題を専門とするカウンセラーや研究者に話を聞いた。こうした専門家たちによれば、カップル間で性欲の強さが違うのはよくあることで、長期の関係においては、ほとんど避けられない問題ですらあるという。 「この問題は、ほとんどのカップルに起こるといえるでしょう。たまに起こるというカップルもいれば、恒常的に問題を抱え

                                                                            パートナーと「性欲の強さ」が異なるとき、どうしたらいい? | 性欲には2種類ある!
                                                                          • ユダヤ人歴史家アヴィ・シュライム「ハマスを追い詰めたのは西側諸国です」 | 歴史は「空白」からは作られない

                                                                            ユダヤ人歴史学者アヴィ・シュライム(78)はイスラエル建国の歴史に新たな視点を提示し、「新しい歴史家」と呼ばれた。バグダット生まれの彼はイスラエル批判をすることから、その主張は論争を呼んできた。10月7日のハマスによるイスラエルへの大規模攻撃後、シュライムの発言は再び注目を集めている。 「論争」を呼ぶ歴史家 1988年、「新しい歴史家」とされた3人のイスラエル人歴史家が、同国の誕生にまつわる秘密を明らかにした。それまでイスラエルの建国の歴史は、英雄的なものとして語られていた。 ベニー・モリスは、1948年に「パレスチナ人の多くは自発的に家を去ったのではなく、イスラエルの司令官に残酷に立ち退かされた」という記録を明らかにした。イラン・パペは、「(パレスチナを支配していた)イギリスはユダヤ人国家を妨害せず、パレスチナ人を見捨てた」ことを示した。 そしてアヴィ・シュライムは、「1948年の戦争で

                                                                              ユダヤ人歴史家アヴィ・シュライム「ハマスを追い詰めたのは西側諸国です」 | 歴史は「空白」からは作られない
                                                                            • 英紙が推す「オーバーツーリズムと無縁の日本・富山県へ行くべき理由」 | こんなに魅力的な「山と魚の県」

                                                                              観光客が大勢訪れる日本。この国で観光客の大群から逃れ、文化を楽しむにはどこへ向かうのがいいのか──日本好きなトラベルライターが向かったのは、首都東京から数時間の距離にある富山県だった。 富山県といえば… 山と魚。これは休日に楽しむものの選択肢として、それほど魅惑的なコンビではないかもしれない。だが東京にいる友人に「富山県を探検しに行く」と言ったとき、誰もがこの2つしか挙げることができなかった。 首都圏から新幹線で数時間。城下町である金沢、商人の町である高山、そして冬季オリンピックの舞台となった長野といった人気の観光地に挟まれているにもかかわらず、富山に行ったことのある知り合いは誰もいなかった。 私にしてみれば、それもまた魅力なのだが。 日本の観光業は活況を呈している。2019年には3200万人という記録的な数の観光客が訪れ、パンデミックによる規制があったにもかかわらず(2022年10月まで

                                                                                英紙が推す「オーバーツーリズムと無縁の日本・富山県へ行くべき理由」 | こんなに魅力的な「山と魚の県」
                                                                              • S・レビツキー「古い米国の憲法のせいで、民主主義が阻害されている」 | 「反多数決主義的」な制度が残ったために…

                                                                                米ハーバード大学政治学教授のスティーブン・レビツキーは、2024年11月におこなわれる米大統領選が、どのように民主主義に影響するとみているのか。崩れゆく米国政治に改革をもたらすことは可能なのだろうか。スペイン「エル・パイス」紙がインタビューした。 トランプに追い風 ──11月の米大統領選で、米国の民主主義は危機にさらされるのでしょうか? それはもう疑う余地はありません。といっても、米国がロシア流の権威主義に向かっているとは思いません。権威主義に反対する勢力、米国の民主主義を守る力は、少なくとも中期的には充分、強力です。 どちらかというと、ハイブリッドな体制に向かう危機になるのではないかと思っています。つまり権力が乱用され、メディアや反対勢力に対するある程度の弾圧や攻撃、また一定の暴力が見られる可能性がある「競争的権威主義」ということです。トランプは、民主主義の基本的なルールを破る意思がある

                                                                                  S・レビツキー「古い米国の憲法のせいで、民主主義が阻害されている」 | 「反多数決主義的」な制度が残ったために…
                                                                                • 米国テック界隈で増殖する「出生主義者」たち 彼らの主張とは? | イーロン・マスクやサム・アルトマンも!

                                                                                  より多くの子供を持つことの重要性を主張する「出生主義者」が、米国の特にテクノロジー界で増殖している。イーロン・マスクやサム・アルトマンなどの著名人も、この思想を支持していることで知られている。 彼らはマスクの「出生率の低下は地球温暖化よりも文明にとって大きな脅威である」との警告に賛同し、英紙「ガーディアン」によれば、「出生率の増加が人類の文明を維持し、進歩させるために不可欠だと信じている人たち」だ。 また、そのアプローチは、「子は神が与えし恵」と考えるキリスト教など宗教的なものではなく、徹底的にデータに基づき、合理性を重視した「効果的な利他主義(根拠と理性を使って、何が大多数の他人のためになるかを考え、それに基づいて行動する)」の運動だと主張する。 同紙は、プロナタリスト(出生主義者)財団の創設者でこの運動の実践および代表者を務める、米ペンシルバニア州在住のコリンズ夫妻に取材をしている。3

                                                                                    米国テック界隈で増殖する「出生主義者」たち 彼らの主張とは? | イーロン・マスクやサム・アルトマンも!