全国で相次いで発生した介護施設のクラスター。新型コロナウイルスの感染者が減少する中でも、多くの施設が感染の危機に直面し続けている。なぜ“介護クラスター”が発生するのか。検証からは、「3密」を避けるのが難しく、食事や入浴など生活に欠かせない行為そのものが感染リスクとなる難しさが見えてきた。一方で、行政や医療機関が連携して介護施設を支える取り組みも始まった。「第2波」に備える意味でも重要な、高齢者の命を守るためのカギを探っていく。
佐和子さん(仮名)、41歳です。3年前、インターネットで知り合った男性から精子提供を受け、男の子を産みました。パートナーは30歳の夏美さん(仮名)。佐和子さんが子どもを持ちたいと思うようになったきっかけは、母からの言葉でした。 佐和子さん(仮名) 「子どもを通して子どもが成長していくときに、子どもの運動会とか遠足とか、一緒にそういう行事に参加することで、自分の人生を思い出せるっていう話をされた。私は同性愛者だから、そういう楽しみは一生得られないんだなと思っていた。でもその話を母に聞いて、私の中では子どもを育ててみたい気持ちがずっとあった」 2人がまず考えたのが、病院で精子提供を受けることでした。しかし…。 佐和子さん 「夫が無精子症であることの証明書類。ないですね」 対象は、法的に婚姻している夫婦。そして、夫が無精子症の場合でした。 夏美さん(仮名) 「世の中的に排除されている存在というの
子宮をもたない女性に、第三者の子宮を移植して、妊娠・出産につなげる「子宮移植」。いま、子どもを授かる選択肢のひとつとして、新たに加わろうとしています。子宮移植について解説します。 なぜ必要? 生まれつき子宮をもたない、または、病気などにより子宮を摘出してしまった女性は、妊娠・出産をすることができず、その治療法もこれまでなかった。代理出産により子どもをもつことはできるが、倫理的な問題、代理母への負担等により日本では認められていない。また、出産した女性が母親になるという法律があり、戸籍上の「母」になることもできない。子供を望んでいるが、子宮をもたない女性の希望に応えるため必要とされている。 子宮移植の流れは? 概要やリスクについて医師から十分なインフォームド・コンセントが得られたことを確認した上で、事前に夫婦の受精卵をつくり冷凍保存。第三者から提供された子宮を女性に移植する。(母や姉、妹など家
大林宣彦監督から、これからの生き方を問いかけられた岩井俊二さん(57)。コロナによって当初、進めていた映画の企画が中止に追い込まれていました。 デビュー以来、繊細な映像表現で国内外の数々の賞を受賞。世界を舞台に、大人数のスタッフと俳優とともに、映画を作り続けてきました。しかし、コロナによって、これまでの当たり前の日常が奪われたのです。 映画監督 岩井俊二さん 「いま我々が向き合っているのが、ちょうど真ん中ぐらいの地点なのか、まだ入り口なのかも分からない。何かやっていかないと、大変なことになりそうな気がしますよね。」 自分に何ができるのか。岩井さんが緊急事態宣言下で取り組んだのは、リモートでの映画制作でした。コロナと戦うという怪獣を育てていく物語。しかし、主人公は怪獣が人類の敵だというデマに惑わされます。見えないウイルスの脅威に疑心暗鬼になりながらも、模索を続ける人々の姿を描いたのです。 初
オリンピック・パラリンピックで使用された国立競技場や木造高層ビルなど木をふんだんに使った建造物が増えている。背景にあるのは林業再生を目指す国の政策。法を改正し補助金の仕組みを整えて林業を強力に後押しし、日本の木材自給率を20年間で、かつての約2倍、40%近くまで上昇させた。しかしその裏で問題が起きている。大規模伐採ではげ山が広がったり、山の所有者に無断で伐採する「盗伐」が発生したり。大規模伐採の一部が、土砂災害などの要因の一つになっているという指摘もされている。国土の7割を森林に覆われた日本で持続可能な林業とは?「自伐型林業」という“小さな林業”の取り組みなども例に、林業の未来を考える。 ※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから 出演者 蔵治 光一郎さん (東京大学大学院 教授) 佐藤 宣子さん (九州大学大学院 教授) 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合
「もっと相手と話をしたい」「どんなことを話せばいいのか」…番組で夫婦の会話についての悩みを募集したところ、数多く寄せられた切実な声。どうすれば、悩みを解決できるのか?脳科学、言語学、AIなどの知見を生かして6組の夫婦の会話を徹底分析した。そこから見えてきたのは3つのポイント。「話題」や「話し方」、「仕草」を変えることで、会話の満足度が向上し、夫婦の絆も深まるというものだった。 出演者 金田一秀穂さん (杏林大学特任教授 日本語学) 野末武義さん (明治学院大学教授 家族心理学) 伊藤勇二さん・理加さん、木村寛さん・未来さん (実験に協力した夫婦) 武田真一 (キャスター) 、 栗原望 (アナウンサー)
まとめ 虚偽報道はバスターしなくていいの?/NHKクローズアップ現代+がネット上のフェイク情報について扱う「フェイク・バスタ.. フェイク・バスターズ - NHK https://www4.nhk.or.jp/P6171/ 番組のお知らせ! - みんなでプラス - NHK クローズアップ現代+ https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0010/topic005.html 虚偽報道 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A%E5%81%BD%E5%A0%B1%E9%81%93 「フェイクニュース」は「嘘ニュース」のことではない | IT・科学 - Meiji.net(メイジネット)明治大学 https://www.meiji.net/it_science/vol222_takehiko-daiko
ジェンダーや世代間のギャップ、多文化共生や経済格差…現代社会の様々な課題の解決に欠かせないと今、世界的に注目されるのが「無意識の偏見」の解消だ。「女性は気配りができる」「シニアは頭が固い」といった、私たちが知らず知らずのうちに抱いている偏見…。 今回、ジェンダーギャップをテーマに、社会心理学の手法で「立場入れ替わり」実験を実施。夫と妻、会社の社長と平社員…自分と異なる立場の生活や仕事を体感し、自身の無意識の偏見に気づいたとき、人はどう変わり、課題をどう改善するのか。「他者理解」(エンパシー)の研究と実践を続けてきたブレイディみかこさんと共に、互いの価値観を尊重する社会を作るためのヒントを探る。 ※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから
“私たちの命を守ってくれるはずのダム”。そのあり方が今、大きく問われている。去年の西日本豪雨で5人の犠牲者が出た愛媛県西予市では、ダムからの放流によって河川が急激に氾濫したことが被害の拡大につながった可能性が指摘されているのだ。取材を進めると、民間企業が管理するダムでは安全対策の議論が長年置き去りにされてきた実態も明らかに。今年も私たちに迫りくる豪雨の恐怖。“ダムがあれば安心”は本当なのか、水害から命を守るために今何が求められているのか、検証する。 野村町住民 「やばい、車が流されよった。怖いよー。」 ダムの下流2.5キロメートルにあるこの町では、放流からわずか20分で河川が氾濫、5人が犠牲になりました。あの日から1年がたつ今、住民たちは、ダムを管理する国に対して、改めて説明を求めました。 野村町住民 「こちらとしては、突然に(ダムの)放流で、その逃げる時間を奪われたと。ダムはやっぱり怖い
オフィスはいらない、テレワークが当たり前。そんな「新たな日常」の到来で、カイシャの様々な仕組みが根底から変わってきている。全社員が在宅勤務可能な仕組みを整えたある企業では、通勤などの無駄な時間が減った分、顧客と向き合う時間が増え、業績も上向いていると言う。一方、別の企業はテレワークの導入にあたって中間管理職を廃止。上下間の摩擦がない、フラットな「バーチャル・オフィス」を作り上げた。 “カイシャ革命”の波は、これまでテレワークなどに馴染まないとされてきた製造業の分野にも押し寄せている。東芝では設計業務などを見直し、テレワークを大胆に導入。工場内の「密」を極力避けるため、「週休3日制」の検討にも乗り出した。ウィズコロナ時代、カイシャのパラダイム・シフトはどこまで進むのか。国内外の最新事例をもとに探る。
感染力が強い変異したウイルスによって、感染者も重症者も増加している。そうした中、患者本人だけでなく、その生死を見守る家族たちも厳しい日々を送っている。病院で面会できず、ひたすら自宅で電話を待つ日々。状況が刻々と変わるなかで、薬は?治療方針は?人工呼吸器をつけるか?家族は重い現実に向き合わなければならない。さらに、最期の時間をともに過ごすこともできないのだ。私たちが備えておかなければならないことは何か、考える。 ※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから 出演者 讃井將満さん (自治医科大学附属さいたま医療センター 副センター長) 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合 (アナウンサー)
この春倒産した、福岡市の住宅型有料老人ホーム「リリーゆたか」。設立されたのは3年前です。1か月の料金は、およそ12万円。入居者にとって負担が少なく、スタッフの雰囲気もよいと、人気だったといいます。 なぜ、突然閉鎖したのか。経営者に話を聞きたいと、弁護士に取材を申し込みました。 「リリーゆたか」代理人弁護士 「『取材については、お断りさせて下さい。』と聞いています。体調不良と聞いています。」 取材班 「施設が閉鎖に至った理由は?」 「リリーゆたか」代理人弁護士 「それは、私の口からはコメントできない。」 取材班 「どういった理由から?」 「リリーゆたか」代理人弁護士 「依頼内容に関する守秘義務があるので、お答えできません。」 経営者の話が直接聞けない中、関係者が取材に応じました。 建物のオーナー 「奥の方でレクリエーションとか、食事をしていただいたりですね。」 リリーゆたかが借りていた建物の
なぜ、多くのインフラで対策が進まないのか。200以上の橋で修繕などが必要と分かった富山市では、まだ3割しか着手できていません。高速道路の上に架けられたこの橋は半世紀近く前に造られ、至る所に亀裂が入っていますが、必要な工事が行えず通行止めにしています。 富山市 植野芳彦政策参与 「誰が何と思おうと落ちる時は落ちますし、最終的には崩落します。」 小山 「実際、高速道路で車が交通量多く走っているところに。恐ろしいですね。」 私たちの身の回りにあるインフラは、戦後、高度経済成長期の基盤として各地に建設され、暮らしを豊かにしてきました。その数は、橋とトンネルだけで73万か所以上に上ります。しかし、2030年代にはその半数以上が建設から50年を超えます。 国は、笹子トンネルの事故の翌年、インフラの老朽化対策を発表。メンテナンスを重視する方針にかじを切りました。橋やトンネルなどについて、5年に一度の定期
男性が、“自分がされていたことは性暴力”と気づいたのは12歳、思春期のころ。しかし、被害の内容を人に話すことに対する「恥ずかしさ」や、「明日からよりひどい目に遭うのでないか」という不安があり、誰にも打ち明けることはできませんでした。さらに、被害に遭うのはいつも学校の外で、大人の目の届かない場所だったため、親や教師に言っても無駄だという「諦め」もあったと言います。 被害者相談の現場では 名古屋市の「性暴力救援センター 日赤なごや なごみ」は、男性被害者の相談も受け付けています。4年前に開設されて以降、「小学生の男の子が父親から性器を触られるなどの性的虐待を受けていた」「20代の会社員の男性が、出張中に上司から無理やり性交渉された」など、子どもから大人まで、さまざまな被害に遭っています。 なごみで男性被害者に対応しているのは、泌尿器科の山田浩史医師です。性感染症や男性の生理現象についての相談や
「1万年前に絶滅したはずのマンモスが現代によみがえる。」そんな夢のような話がいま、現実味を帯びている。今年3月、近畿大学が、永久凍土で見つかったマンモスの死骸から“まだ生きている細胞の核”を発見。「マンモス復活」研究の大きな進展は世界に衝撃を与えた。こうしたプロジェクトは、アメリカ・ロシア・韓国など世界中で進んでいる。一方、マンモス復活の鍵を握る“生物を再生する技術”を使って、ペットをよみがえらせるというビジネスも登場。1千万円という費用にもかかわらず、日本を含む世界から注文が相次いでいる。「死んだ愛犬に生き返ってほしい。」深い愛情がもたらす、生命操作の代償とは?過熱するマンモス復活ブームを入口に、先端科学の最前線を取材する。
2022年2月24日(木)に放送されたNHKクローズアップ現代+「あさま山荘事件の深層・実行犯が獄中から独白」を見た。 「あさま山荘」に立てこもったのは、坂口弘、坂東國男、吉野雅邦、当時未成年だった加藤兄弟の五人。 このうち坂口弘は死刑囚、坂東國男は超法規的処置で出国した、未成年だった加藤兄弟はすでに獄中にはいない、ということで恐らく吉野雅邦の話だろうと思ったが、見てみたらやはりそうだった。 吉野雅邦は革命左派から連合赤軍に参加し、七名いた指導部(中央委員会)の序列七位だった人だ。 山岳ベースのリンチ、いわゆる「総括」で内縁の妻だった金子みちよさんとそのお腹の中にいた子供を亡くしている。 連合赤軍関連の書籍の中では、番組にも出演していた吉野の幼友達の大泉康雄さんが書いた「氷の城」が一番好きだ。 氷の城―連合赤軍事件・吉野雅邦ノート 作者:大泉 康雄 新潮社 Amazon 学生運動には参加し
サラリーマンが中小企業を数百万円で買い、オーナー社長に転身する。そうした個人M&Aが注目を集めている。人生100年時代に老後不安を抱くサラリーマンたちが、M&A情報サイトで後継者難の中小企業を探し、買収に乗り出すのだ。こうしたブームに注目した地方都市の中には、個人M&Aを志す人々を集団で招き、地元企業の事業承継を丸ごと任せてしまおうという動きすら出てきている。いま、全国の中小企業の3分の1にあたる100万社以上が廃業するという「大廃業時代」。団塊の世代の経営者たちが後継者不足から廃業を余儀なくされている。その半分は黒字廃業だ。サラリーマンでも払える数百万円の対価でも、事業を他者に引き継ぎたいと考えている。買い手は、成功すれば役員報酬と営業利益を得られ、中には、買収して1年半で収入がおよそ倍になったという人も。一国一城の主としてやりがいも得られ、後継者不足に悩む中小企業の大量廃業という社会課
コロナ禍で大きなダメージを受けているのが、観光や宿泊業の現場です。テーマパークに隣接するこのホテルでは、東京などに再び緊急事態宣言が出された直後キャンセルが急増しました。 ホテルの役員 「500件ぐらい、この4日間で取り消しの連絡をちょうだいしている。」 厳しい状況に追い込まれる中、このホテルでは先月(12月)からある取り組みを始めました。コロナで仕事の減った従業員を、ほかの企業に一時的に出向させる『雇用シェア』です。 ホテルで10年以上調理人をしていたこの男性は、同じ市内にある焼き肉レストランで働くよう告げられました。これまでの経験を生かして、従業員の教育や、新メニューの開発などを任されています。 ホテルオークラJRハウステンボス 松林豊和さん(48) 「正直やっぱり不安でしたね。これから先どうなるんだろう。ありがたい出向だったと思います。」 男性が働いていたホテルでは、こうした雇用シェ
お金の不安、まず解決を目指すのは、77歳・男性のケースです。 すでに老後を迎え、預金が底をつきかけています。 合原:いくらぐらいの貯蓄になるんですか? 男性 「65~66万円。この財布に入っているやつ含めてね」 男性はタクシー運転手として60歳まで働いてきました。 退職金などを合わせると一時は900万円ほどの預金がありました。 生活が厳しくなったきっかけは、退職の6年後に妻に先立たれたことでした。 家計を妻に任せっきりだった男性は初めて自分で管理するようになりました。 男性 「それこそ通帳のことも全然分からないっていうか。なんとか暮らしていけるだろうと思ったけどね」 年金は2か月でおよそ29万円。しかし、糖尿病や呼吸器の病気を患い、医療費は年々増加。自宅の修繕など、大きな支出も重なりました。 合原:今から出かけるんですか。 男性 「はい、これから買い物に行きます。」 向かったのは近所のスー
急ピッチで進もうとする“脱ハンコ”。先月、国は婚姻届や確定申告などの行政手続きで押印を廃止する方針を発表。各地の自治体では無駄な手続きを見直し、電子化への動きが加速している。一方で、企業などでは“ハンコ文化”も根強く残る。契約書やりん議書に押印をすることで、取引先との信頼関係や社内のコミュニケーションを促す役割を担ってきた。脱ハンコはどこまで進むのか、社会はどう変わっていくのか考える。 出演者 宮田裕章さん (慶應義塾大学医学部 教授) 渡部友一郎さん (弁護士・日本組織内弁護士協会 理事) 厚切りジェイソンさん (タレント・IT企業役員) 武田真一 (キャスター) 、 小山 径 (アナウンサー)
NHKクローズアップ現代+「あなたはひとりじゃない〜性被害に遭った男性たちへ〜」(2021年6月24日放送)のインタビューで私が伝えたかったこと はじめに 2021年6月24日のNHKクローズアップ現代+「あなたはひとりじゃない〜性被害に遭った男性たちへ〜」の中で、私自身が10代で遭った性暴力被害とその後についてのインタビューが放送されました。この文章はインタビューを受ける前に私が伝えたいことをまとめたメモに加筆修正したものです。とても長くなって、当日はNHKの記者の方が何時間もかけて丁寧にインタビューしてくださいました。もちろんそれをすべて放送できるわけではないので、番組内のインタビューを補完するものとしてこの文章を公開します。番組では短い時間の中で、複数の男性の性暴力被害者の方の貴重な話が紹介され、独自の調査をもとにその見えづらい悩みに正面から向き合っていただいたと感じます。この文章も
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