戦いの虚しさと恐怖を語り継ぐ──現在のウクライナ戦争下の世界情勢の中で観るべき東欧映画11本|Knights of Odessa 私、Knights of Odessa は、「死ぬまでに観たい映画1001本」を通して知ったフランチシェク・ヴラーチル監督によるチェコ映画『マルケータ・ラザロヴァー』(1967年)の力強さと、フサーリク・ゾルタン監督によるハンガリー映画『Szindbád』(1971年)の摩訶不思議さに惹かれて以降、東欧映画を400本ほど鑑賞してきた。今回は「現在のウクライナ戦争下の世界情勢の中で観るべき東欧映画」として、関連する11本の作品を紹介したい。 本題に入る前に、2点ほど明確にしておくべきことがある。1点目は、今回の記事のテーマが「現在のウクライナ戦争の状況を知るために観るべき映画」ではないことだ。ウクライナでは、特に2014年のクリミア併合以降の期間に、ロシアとの問題