【▲ 図1: 新しく開発された超黒色膜は、角や曲面などの複雑な形状の表面にもコーティングすることができます。 (Image Credit: Jianfei Jin, et al.) 】 望遠鏡やカメラのような光学機器では、光を反射や屈折させるだけでなく、不要な光を遮断することも重要です。光を99%以上吸収する黒色物質はいくつか開発されていますが、非常にもろい構造をしているなどの理由で、過酷な宇宙空間での使用に耐えられるか疑問視されていました。 上海理工大学のJianfei Jin氏などの研究チームは、非常に頑丈な超黒色膜(ウルトラブラックフィルム)を開発しました。これは炭化チタンアルミニウムと二酸化ケイ素を交互に重ねたもので、紫外線から近赤外線までの幅広い波長の光を平均99.4%吸収します (※)。また、これまでの黒色物質と違い、熱や摩擦といった物理的なダメージに強く、ほとんど吸収率が低下