3月18、19日の中央競馬は、中山、阪神、中京の3場72競走を消化した。一見、何の変哲もない週のようだが、実は3月初旬から、関係者の間では開催中止という危機感が高まり、16日の時点では最高潮に達していた。 美浦、栗東両トレセンの厩務員4労組は賃金体系(俸給表)のあり方を巡って使用者側である日本調教師会(手塚貴久会長)と長く交渉を続けた末、3月2日にこの問題に絞った団体交渉を行ったが不調。これを受けて労組側は3月10日、18、19両日の開催ストを通告したのである。 団交は16日に再開となったが、接点を見いだせないまま夕刻に終了。ところが、17日午前に団交続開後は極めて複雑な経過をたどり、18日はストと競馬開催が並行する異例の事態となった。一体、何が起きていたのか? 背景と今後の展開にも触れる。 「新賃金体系」とは? 一連の事態は、民間企業の賃上げ交渉の集中回答日と重なっており、細かい事情を知