タコの8本の腕には吸盤が並んでいて、大概のものにはくっつくことができる。しかしタコが自分の腕で絡まってしまうということはないようだ。これはマダコの皮膚に自己認識機構が存在し、吸盤が自分自身にくっつかないようになっているためだという。 ◆吸着は反射作用 タコの吸盤が何かの表面に触れると「局所的な反射作用が引き金となって吸着する」と話すのは、研究の共著者でニューヨーク市立大学ブルックリン校生物模倣・認知ロボット工学(BioMimetics and Cognitive Robotics)研究室のディレクター、フランク・W・グラッソ(Frank W. Grasso)氏だ。タコが自然界で腕を失うことは珍しくなく、切断された腕であってもその活動は約1時間続き、動いたり物をつかんだりすることができる。 グラッソ氏は共同研究者とともに実験室で切断されたタコの腕の反応を調査し、その結果皮膚で覆われた自