インフレ、円安、低成長、そして変わらない企業と組織……。 日本の「失われた30年」が35年になり、そして40年に向かおうとする中、私たちはこの流れに終止符を打てるのだろうか? 一方で海外、特にアメリカでは「成長至上主義」に限界や綻びが見え始めている。 2024年以降、この流れはどうなっていくのか? 『資本主義の中心で、資本主義を変える』著者の清水大吾さんに、資本主義の原状や課題、私たちに必要な視点を聞いた。 ──ここ数年、日本では「新しい資本主義」が議論されることが増えました。2024年以降、資本主義社会はどうなっていくと考えますか? そもそも私は、戦後の日本に本当の意味での「資本主義」は存在していなかったと考えています。資本主義社会を分解すると、消費市場、労働市場、資本市場という3つの市場に分解できます。 このうち消費市場には、厳しくモノを言う顧客がいて、資本主義の根本原理である競争原理