【9割の登山者が安全圏外?】 健康登山のためのペース管理とトレーニング 鹿屋体育大学 山本正嘉 教授 健康志向が高まる中で、登山が幅広い世代に親しまれる一方、登山中の病気や事故の発生件数は年々増加傾向にあります。 このようなトラブルから身を守るために、私達は何を意識すべきでしょうか。 登山の運動生理学とトレーニング学が専門であり、ご自身も40年の登山歴を持つ、鹿屋体育大学の山本教授にお話を伺いました。 登山はなぜ健康に良いのか ──近年登山者数は増加しており、中には健康のために登るという方も多く見られます。山本先生は、登山と健康の関係についてどのようにお考えですか? 山本先生:登山が心身の健康に良いということは、多くの方が感じていることだと思います。登山には、心肺機能を改善する、脂肪を減らす、筋と骨を強くするなどの効果がありますので、確かに健康的と言えますね。ですがその理由は、ある程度強度