並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 9 件 / 9件

新着順 人気順

quantaの検索結果1 - 9 件 / 9件

  • Googleが量子超越を達成 -新たな時代の幕開けへ(前編)

    2019年10月23日、Googleが量子超越を実現したという論文を公開し、量子コンピュータの歴史に新たな1ページが刻まれた。 「量子超越」は、量子コンピュータの歴史における大きな一歩である。Googleの研究チームは、最速のスーパーコンピュータを使っても1万年かかる問題を、Googleの53量子ビット(qubit)の量子コンピュータは10億倍速い、200秒で解けることを示したという。 今後、Googleが示した量子超越性に対して様々な角度から検証がなされていくだろう。量子超越性は、物理学及び計算科学の歴史の1ページに刻まれるべきマイルストーンである一方、量子超越性や量子コンピュータの実用化についても、様々な憶測や誤解が広まっている。 この記事では、Googleが示した量子超越性について前編と後編の2つのパートに分けて解説していく。 前編では、量子超越性を実証するための基本的な考え方、量子

      Googleが量子超越を達成 -新たな時代の幕開けへ(前編)
    • 数学の難問「巡回セールスマン問題」の近似解を求める最良のアルゴリズムが数十年ぶりに更新される

      巡回セールスマン問題とは、「複数の都市を移動するセールスマンが全都市をちょうど一度ずつ巡り、総移動コストが最小の経路を求める」という数学の難問です。長年にわたり「クリストフィードのアルゴリズム」が巡回セールスマン問題の近似度が最も高いアルゴリズムとされてきましたが、新たに「クリストフィードのアルゴリズムを上回る近似度のアルゴリズムがあると証明された」という論文を、コンピューターサイエンスの研究者が発表しています。 [2007.01409] A (Slightly) Improved Approximation Algorithm for Metric TSP https://arxiv.org/abs/2007.01409 Computer Scientists Break Traveling Salesperson Record | Quanta Magazine https://www

        数学の難問「巡回セールスマン問題」の近似解を求める最良のアルゴリズムが数十年ぶりに更新される
      • Googleが世界で初めて実証した「量子超越性」にIBMが反論、量子コンピューターはシミュレートできるのか?

        by Google 2019年10月23日にGoogleが「量子コンピューターがついに従来のコンピューター(古典コンピューター)の計算能力を上回ったことが確認できた」という量子超越性を発表しました。しかし、論文が発表される2日前に、量子コンピューターの研究分野においてGoogleのライバルだったIBMが「Googleは量子超越性を実証できていない」と真っ向から否定しました。これを受けて、コンピューター科学者のスコット・アーロンソン氏がIBMがどういう点で反論をしたのかを解説しています。 Shtetl-Optimized » Blog Archive » Quantum supremacy: the gloves are off https://www.scottaaronson.com/blog/?p=4372 2019年9月20日、アメリカ航空宇宙局(NASA)がGoogle研究者による

          Googleが世界で初めて実証した「量子超越性」にIBMが反論、量子コンピューターはシミュレートできるのか?
        • 数学者の考案した「一見シンプルだが直感に反する確率パズル」がインターネット上で議論に

          2024年1月30日にトロント大学数学部助教授のダニエル・リット氏がある確率パズルをX(旧Twitter)上に投稿しました。この確率パズルがインターネット上で議論となっています。 Perplexing the Web, One Probability Puzzle at a Time | Quanta Magazine https://www.quantamagazine.org/perplexing-the-web-one-probability-puzzle-at-a-time-20240829/ リット氏が投稿した問題は「100個のボールが入ったつぼがあります。そのうちn個が赤で、100-n個が緑です。ただし、nは0~100の間で一様分布しています。つぼからボールをランダムに1つ取り出したところ、赤でした。それを捨ててから、残り99個からボールを選ぶとき次に引くボールの色はどれ?」と

            数学者の考案した「一見シンプルだが直感に反する確率パズル」がインターネット上で議論に
          • 脳の「特に役割がない」と思われていた細胞には隠れた力が秘められていた

            by iLexx グリア細胞とは、神経系を構成する細胞の内、神経細胞(ニューロン)ではない細胞の総称です。長い間、神経細胞を保持するのが主な役割だと考えられてきたグリア細胞ですが、多くの研究によりグリア細胞自身も重要な役割を果たしていることが分かってきました。 Glial Brain Cells, Long in Neurons’ Shadow, Reveal Hidden Powers | Quanta Magazine https://www.quantamagazine.org/glial-brain-cells-long-in-neurons-shadow-reveal-hidden-powers-20200127/ グリア細胞は、細胞の表面から突き出た無数の突起が複雑に絡み合っており、一見すると細胞には見えません。そのため、発見された当初は細胞ではなく、ニューロンを支持するための

              脳の「特に役割がない」と思われていた細胞には隠れた力が秘められていた
            • 2018年9月20日、Quanta Magazine "Titans of Mathematics Clash Over Epic Proof of ABC Conjecture" の翻訳

              2018年9月20日、Quanta Magazine "Titans of Mathematics Clash Over Epic Proof of ABC Conjecture" の翻訳 今回は日本国内向け。どうもこの話では、言語の壁があるせいで日本国内と海外で認識の差がありすぎるところが問題だと思えるので、内外で出回っている情報を相互に訳して提示することをしてみよう、という実験をしている。どのくらいの人々が読んでくれているのか分からないが。 この記事は、Scholze さんと Stix さんが2018年3月に京大を訪れて望月氏と議論し、そのレポートが公表された2018年9月の時点で Quanta Magazine に書かれたもの。筆者の Erica Klarreich さんは数学者でもありサイエンスライターでもある人。

              • GPT-4やPaLMなどの大規模言語モデルは規模が大きくなると突然予想外の能力を開花させることがある

                AIが予想外の能力を開花させることを「創発(emergent)」と言います。生物学の世界で「創発」とは、大量の物体が1つになって機能する自己組織化や集団行動を意味しますが、人工知能研究の世界では「突然これまで不可能だと思われていたタスクをこなせるようになること」を意味します。昨今の大規模言語モデルを研究する専門家の間で、大規模言語モデルの創発が話題となっています。 Characterizing Emergent Phenomena in Large Language Models – Google AI Blog https://ai.googleblog.com/2022/11/characterizing-emergent-phenomena-in.html The Unpredictable Abilities Emerging From Large AI Models | Quan

                  GPT-4やPaLMなどの大規模言語モデルは規模が大きくなると突然予想外の能力を開花させることがある
                • 素粒子物理学に必須級のソフトウェア「FORM」の保守はたった1人の老科学者が担っている、新しい機器では使えなくなり研究が停滞する危険性

                  1980年代に開発され、それ以来30年以上にわたって最先端の素粒子物理学で使われ続けているソフトウェア「FORM」の陳腐化が進んでおり、もし使えなくなればこの分野の研究者にとって手痛い打撃になる危険性があると、科学系ニュースサイトのQuanta Magazineが報じました。 Crucial Computer Program for Particle Physics at Risk of Obsolescence | Quanta Magazine https://www.quantamagazine.org/crucial-computer-program-for-particle-physics-at-risk-of-obsolescence-20221201/ Quanta Magazineによると、科学の中でも素粒子物理学は特に長大な方程式を扱う研究分野だとのこと。例えば、大型ハド

                    素粒子物理学に必須級のソフトウェア「FORM」の保守はたった1人の老科学者が担っている、新しい機器では使えなくなり研究が停滞する危険性
                  • 職に就けず車上生活も経験した人生ハードモード数学者が「リーマン予想の解決に近づく研究成果」を発表

                    2022年11月4日に、数学者の張益唐氏が数学の難題「リーマン予想」の解決に役立つ可能性がある研究成果を発表しました。張氏は「少年時代に労働者として働き、教育を受けられなかった」「車上生活しながら就職活動をしていた」といった壮絶な過去を持っており、苦難を経験した数学者の大発見に注目が集まっています。 Discrete mean estimates and the Landau-Siegel zero https://doi.org/10.48550/arXiv.2211.02515 nt.number theory - Consequences resulting from Yitang Zhang's latest claimed results on Landau-Siegel zeros - MathOverflow https://mathoverflow.net/question

                      職に就けず車上生活も経験した人生ハードモード数学者が「リーマン予想の解決に近づく研究成果」を発表
                    1