スーパーコンピュータ(以下、スパコン)の活躍は耳にするが、研究機関や大企業のR&D部門が使うもので、実際に業務を担う現場にとっては雲の上の話――そう思う人も多いのではないだろうか。しかし今、現場の課題をスパコンが解決し、業務を改善する例が出始めている。キーワードは「スパコンをベースにした量子コンピューティング技術の実現」だ。 そんな量子コンピューティング技術の活用に勝機を見いだしているのが、ICT機器などの保守を手掛けるNECフィールディングだ。これまで保守部品の配送をいかに効率的に行うか長年悩んでいた同社は、量子コンピューティングを使った配送計画の最適化に期待を寄せている。 「量子コンピューティングで物流コストが3割減る」──NECフィールディングの山崎正史さん(執行役員)はこう説明する。「普通は『3割減らせ』と言われたら、現場の担当者は大変驚くと思います。しかし量子コンピューティング技