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2017年4月7日のブックマーク (3件)

  • ケネス・バーク(Kenneth Burke)、異端のすすめ: 趣味的偏屈アート雑誌風同人誌

    趣味的偏屈アート雑誌風同人誌とは、 3人の筆者が書く同人誌ブログです。 音楽映画、文学に美術、政治・社会・教育、旅や散歩、発見や修理まで、 面白いこと気になることをなんでも、思いつくままに…。 (読み返してみて、我ながらこれでは誤解を生みかねないと感じるところがあったので、一部書き変えました。) ケネス・バーク(Kenneth Burke; 1897-1993)という知の巨人がいる。批評家とも哲学者とも目されているが、あまりに巨大な存在であるため、コンパクトで明快な解説はどこを探してもないようだが、その名前と業績は英語圏では高く響き渡っている。例えば英語版のWikiでは「20世紀のアメリカが生んだ、最も異端な存在で、困難な問題に取り組み、洗練された理論を持つ文芸批評家の一人」だと紹介されている。日では数冊が翻訳されているようだが、その日語訳は読んだことがないので、読みやすいかどうかは

    ケネス・バーク(Kenneth Burke)、異端のすすめ: 趣味的偏屈アート雑誌風同人誌
  • オラシオ・カステジャーノス・モヤ「無分別」 翻訳:細野豊 - 本棚のすき間でつかまえて

    真実という重み…… 翻訳者によるあとがきを読むと、この作品の持つ重みが変わってくる。この作品の内容はとある男が千百枚にも及ぶ虐殺の記録原稿を整理編集するというもの。その虐殺というのはグアテマラで36年間という長さに及ぶ内戦の中でマヤ族という民族に行われた虐殺。軍がひとつの民族を根絶やしにしようとした事実。記録によると626の村が破壊され、死者・行方不明者は20万人以上。避難民150万人。国外避難民15万人。総人口の1000万人のうち20%が被害者となった――、という事実を元にした話なんです。終結が1996年だから、ついこの間のこと……、さらに辛い事実として虐殺の実行犯たちは今なお権力の座に居座り裕福な生活を享受しているのだとか……。 反転して見えてくるものがある ちなみに作中にはそれらの描写(事実の詳細の描写)はありません。描かれていたのは千百枚におよぶ虐殺の記録があるということ。主人公が

    オラシオ・カステジャーノス・モヤ「無分別」 翻訳:細野豊 - 本棚のすき間でつかまえて
  • コラム・マッキャン『世界を回せ』(2009) - 海外文学読書録

    世界を回せ 上 作者:コラム・マッキャン 河出書房新社 Amazon ★★★★★ 1970年代。ダブリンで生まれ育った「僕」は、修道士としてニューヨークに渡った弟コリガンを追うように渡米する。コリガンは売春婦への慈善活動と介護施設で老人介護をしていた。あるとき、コリガンは売春婦を乗せてバンを運転中に予期せぬ事故に見舞われる。 ニューヨークを訪れた当初、彼はこの街が気に入らなかったというーーゴミだらけの、せわしない街だとーーけれどもだんだん慣れてみると、ぜんぜん悪くなかった。この街にやってくるのは、トンネルに入るようなものなんだ。しばらくすると、大事なのは出口の光じゃないと分かって驚くことになる。時には、トンネルのおかげで出口の光に耐えられるんだと分かることもある。(上 p.237) 全米図書賞受賞作。 読み始めは退屈で正直凡作だろうと思っていた。ところが、無関係と思われたエピソード群がほの

    コラム・マッキャン『世界を回せ』(2009) - 海外文学読書録