「リベラル系の運動に参加しようとは思わないけど、友達は友達」/文・山下達郎(シンガーソングライター)、インタビュー・構成=真保みゆき(音楽ライター) 山下さん次の若い世代に向けて果たすべき責任がある ――来年70歳を迎えられる達郎さんですが、コンサートではファンに「みんなかっこよく年を取っていこう」と呼びかけるのが、近年の恒例になっているようですね。 「ちゃんと健康管理して、身体と心を平穏に、という呼びかけです。僕は、お蔭さまで体は丈夫です。タバコは35歳でやめたし、歯もいまだに自前。2008年のリーマン・ショックの後、コンサートを観に来てくれるお客さんの顔つきに愕然としたことがあって。特に男性ですね、表情に悲壮なものがありました。そんな人たちを前にすると、お互い頑張って生きていこうよ、という以外に言葉が出ない。 その人なりの夢を手放さずに努力を続けることが難しい時代になって久しいですよね