家族葬が行われた増上寺には一般献花台が設けられ、多くの人が訪れた=7月12日午前、東京都港区(松井英幸撮影) 凶弾に倒れた元首相の安倍晋三。来月27日に米元大統領オバマ、フランス大統領マクロン、ドイツ前首相メルケルら各国の要人数百人が来日して国葬が挙行される。外交安全保障で積極的平和主義を掲げ、国際協調路線の枠組み作りを主導して「民主主義世界の擁護者」と肯定的に評価されたためだ。月刊各誌も改めてそうした功績に焦点をあてた。 7月9日付英フィナンシャル・タイムズ紙は社説で「安倍晋三は日本を再び世界の舞台に押し上げ、経済と外交で並外れたレガシー(遺産)を残した。とりわけ、安保政策は先見の明があり、安倍の名前は世界に生き続ける」と評価した。 慶応大学教授の細谷雄一は『中央公論』で「戦後日本外交の基礎を作ったのが吉田茂だとすれば、冷戦後の日本の外交路線をアップデートしたのが安倍晋三元首相」と指摘し