営業のアプローチ方法にA,Bがあるとして(例えば「礼状は手書きで出す」「礼状は印刷して出す」とか)、Aの成約率が10%でBのそれが5%なら、「Aしかやらない」というのは悪くない選択だろう。だが我々の仕事は営業とは違っている。 ある量産品の製造方法にA,Bがあるとして、Aの良品率が98%でBのそれが95%なら、Aで製造するのが正しいだろう。だが我々の仕事は量産品の製造とは違っている。 システム開発における失敗プロジェクトは、営業における失注や工場における不良品のようなものではない。つまり、事業を行う上での必要経費ではない。 だから、A,Bどちらの開発技法を採用すべきかを、プロジェクトの成功率で決めることはできない。 仮に自然キーを採用したプロジェクトの成功率が5割で、サロゲートキーを使った場合のそれが9割だったとして、「すべてのシステムにサロゲートキーを使う」という判断は間違っている。1割の