東京都知事選について、「ひどい候補者ばかり名前があがって、最悪だ」という声を聞く。 そのことが、日本の民主主義の現状のひどさを示している、と評論する声も多い。 ぼくは、それはちょっと違うと思う。 どんなひどい人間でも、法の規定に反さない限り選挙に立ってしまうのは、民主制をとっているからには、基本的に仕方がない。 民主主義というのは、そういう致命的な欠点をもっているのだ。 だから他の道をとることも可能だが、ぼくは無根拠に民主制の方を選ぶ。 フランスでも、極右政党の党首が大統領選に出たことはあった。 日本と違うのは、有権者が彼を当選させないために団結した、ということである。 サルコジやベルルスコーニやブッシュのようなひどい人間が指導者になることもある。 日本と違うのは、彼らに反対するデモが、しばしば大都市の街路を埋め尽くす、ということである。 都知事選をめぐる状況がひどいのは、「ひどい候補者ば