開沼 博(以下、開沼):昨年話題となった『ヤクザ・チルドレン』を大変興味深く読みました。暴力団員とその家族をテーマに、暴力団員の家庭にはびこる暴力、虐待、貧困、薬物といった問題、また差別や排除といった一般社会側の問題点が浮き彫りにされています。なぜ今、暴力団員とその家族、とくに子どもの置かれた状況に光を当てようと思ったのでしょうか。 石井 光太(以下、石井):1992年に施行された暴力団対策法(暴対法)にはじまり、2004年以降、全国の都道府県で制定された暴力団排除条例の制定などによって、この30年ほどの間に暴力団のシノギ(経済活動)の手段はどんどん狭められてきました。その成果として、構成員の数は30年前の約10万人から2万5000人程度に激減した。 この間、世間や企業の暴力団を排除する機運も高まり、今では暴力団の構成員は銀行口座も開設できないし、民間企業の保険へ加入することも、自動車ロー
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