4人のクリスチャン著者がそれぞれの視点から様々な主題について考えたことを綴っていきます。神学の研鑽を刺激し合い、面白い話し合いの場になることを願って。 2018年5月29日、京都・同志社で公開講演「高まるナショナリズムとキリスト者の責任」が開かれました。 アジアの文脈を意識した講演でしたが、ハワーワスの特徴的な思想も随所に表れていました。 講演の中から重要だと思った部分、ご紹介したい部分をいくつか抜き出しました。 それぞれに私の解説を加えるかたちで記していきます。 講演の副題は「アジアにおける教会:バルト主義者の黙想」。 今回は「1、権威なき者として」の部分を取り上げ、2節と3節は次回に取り上げます。 (ハワーワス) アジアの諸教会が直面している課題について私が語るべきことの中に、西洋よりもアジアで積極的に読まれている要因を見出せるかもしれません。たとえば、社会的にも政治的にも、また経済的
今回は、いわゆる「高度プロフェッショナル制度」(以下「高プロ」と略記します)について、現状で考えていることを書き残しておくつもりだ。 「高プロ」を含む働き方改革法案が、この先、参議院での採決を経て可決・成立することは、もはや既定の路線だと思っている。与党側の勢力が3分の2に迫る議席数を確保している以上、しかたのないことだ。 野党の側に抵抗の手立てがまったくないわけではない。たとえば、衆院でやっていたみたいに、審議を拒否することで法案の成立を遅らせることができる。あるいは、不信任決議案の提出で揺さぶりをかけたり、牛歩戦術や長時間の演説で議事の進行を妨げることもできるだろう。 だが、法案の可決・成立そのものを阻止することはできない。時間稼ぎをして、有権者に抵抗したことを印象づけるのが精一杯だ。 その種の時間稼ぎの抵抗が、有権者への効果的なアピールになるのかどうかも疑問だ。 というのも、審議拒否
今回は、いわゆる「高度プロフェッショナル制度」(以下「高プロ」と略記します)について、現状で考えていることを書き残しておくつもりだ。 「高プロ」を含む働き方改革法案が、この先、参議院での採決を経て可決・成立することは、もはや既定の路線だと思っている。与党側の勢力が3分の2に迫る議席数を確保している以上、しかたのないことだ。 野党の側に抵抗の手立てがまったくないわけではない。たとえば、衆院でやっていたみたいに、審議を拒否することで法案の成立を遅らせることができる。あるいは、不信任決議案の提出で揺さぶりをかけたり、牛歩戦術や長時間の演説で議事の進行を妨げることもできるだろう。 だが、法案の可決・成立そのものを阻止することはできない。時間稼ぎをして、有権者に抵抗したことを印象づけるのが精一杯だ。 その種の時間稼ぎの抵抗が、有権者への効果的なアピールになるのかどうかも疑問だ。 というのも、審議拒否
「孤独」が注目されている。 「孤独は皮膚の下に入る」と、オカルトめいたフレーズで、孤独が健康に及ぼす悪影響ついてアチコチで訴えてきた身としては、少々昨今の盛り上がりに戸惑っている。 ナニを戸惑っているかって? 「投げる方と受ける方」のズレ、だ。 孤独のリスクを訴える側は、孤独と健康、孤独と生産性、といった負の影響を訴える。 だが、孤独はめんどくさい人間関係からの解放でもあるため、「孤独=ゆゆしき問題」と考える人たちが危機を訴えれば訴えるほど、より孤独を肯定的に捉える情報が氾濫する。 人間は独りで生まれ、独りで死ぬし、孤独をいかに生きるかを知ることは必ずしも悪いことではない。孤独感は取るに足らない瞬間に感じることもあれば、大切な人を失ったときに感じることもある。束の間の孤独感は日常にありふれているので、つい、私たちは「それも人生」と受け入れてしまいがちだ。 だが、問題になっているのは「孤独と
「孤独」が注目されている。 「孤独は皮膚の下に入る」と、オカルトめいたフレーズで、孤独が健康に及ぼす悪影響ついてアチコチで訴えてきた身としては、少々昨今の盛り上がりに戸惑っている。 ナニを戸惑っているかって? 「投げる方と受ける方」のズレ、だ。 孤独のリスクを訴える側は、孤独と健康、孤独と生産性、といった負の影響を訴える。 だが、孤独はめんどくさい人間関係からの解放でもあるため、「孤独=ゆゆしき問題」と考える人たちが危機を訴えれば訴えるほど、より孤独を肯定的に捉える情報が氾濫する。 人間は独りで生まれ、独りで死ぬし、孤独をいかに生きるかを知ることは必ずしも悪いことではない。孤独感は取るに足らない瞬間に感じることもあれば、大切な人を失ったときに感じることもある。束の間の孤独感は日常にありふれているので、つい、私たちは「それも人生」と受け入れてしまいがちだ。 だが、問題になっているのは「孤独と
女性政治家が増えたあと、社会は?(下) 政治家も男女同数に近づけるべきだという「大義」は左右を横断して支持を得たが…… 三浦瑠麗 国際政治学者・山猫総合研究所代表 女性政治家が陥った「不幸」 「女性政治家が増えたあと、社会は?(上)」に続いて女性政治家について考えていきましょう。これまで、日本の女性政治家の選出パターンは三通りほどありました。一つは、総理の子供のような「王朝の継承者」、二つめは、看護師などの業界団体や市民運動のような組織勢力からの選出です。三つめに、女性という属性を強調し、個人のキャラクターを生かして出馬する「ピン」の層。近年は三つめがだんだんと増えてきました。 先述したように、「ピン」で活動する女性は支持層を形成し、それに頼る過程で左右を問わず「定食メニュー」を受け入れる方向に圧力が働きます。常に目立たなければならない、運動を行ってくれるコアな支持層を離してはならない、そ
日大とモリカケ問題にみる、大義のための「抑圧」 市民の生活にまで染み渡っている「集団的独裁体制」 三島憲一 大阪大学名誉教授(ドイツ哲学、現代ドイツ政治) ソウルの一夕で 「あのくらいの汚職はいくらでもある。金額もたいしたことはない。そんなに問題にするほどのことではない」と韓国の友人はニヤリとしながら語ってくれた。話題は、2016年から17年にかけての韓国のいわゆる「ろうそく革命」である。その起爆剤になった大統領の汚職についての見解である。 「しかし、我々が本当に怒ったのは、パク・クネ大統領の女友達の父がパク家と長い交際のあるシャーマンで、かつ友人の女性もシャーマン、要するにイカサマ占い師だったことだ。占い師が裏で国政を壟断していたことに市民の怒りが爆発したのです」 たしかに100万人近いデモが毎週金曜日に続いたのだから、議員会館や国会前に5000人集まっただけで喜んでいる日本の反対運動と
ハフポスト日本版ニュースエディター。 関心分野は医療、介護、性について、選択的夫婦別姓、動物など。あとアニメとマンガが好き。
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