つい先日まで、賃金が上がらないことが社会問題になっていましたが、一転して現在は賃上げ競争とも言うべき状況になってきました。 図1は連合(日本労働組合総連合会)が集計した、賃上げ率の推移です。2024年分の値は4月2日時点の中間集計値であり、最終集計値ではありませんが、5.24%です。このままで推移すると、1991年以来33年ぶりの大幅な賃上げになりそうです。 図1:賃上げ率の推移(2024年は4月2日時点での中間集計値。他は最終集計結果)/連合『2024年春季生活闘争 第3回回答集計結果』(2024年4月2日時点)より筆者作成 そもそも賃上げとは何か 賃上げとは一般に、定期昇給による賃金上昇と、ベースアップによる賃金上昇を指します。 定期昇給とはあらかじめ労働協約(労働組合と会社との間の約束)や就業規則で定めた、賃金表に基づく昇給のことを言います。仮に就業規則で、定期昇給について、成績Aは
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