「室町時代は、NHK大河ドラマの題材になることも少なく、初代将軍の足利尊氏を主人公にした『太平記』、応仁の乱を描いた『花の乱』くらいで、非常にマイナーな時代。皆さんにとってはあまり馴染みのない時代だと思います」と呉座さん。「そんな中、“室町将軍”と題して、15代を紹介する展覧会は前代未聞。私は室町時代が専門なので非常にうれしいです。これを機に室町時代に興味を持っていただければ」と本題へ。 「やはり、室町将軍は“弱い”というイメージでしょうか。盤石な武家政権の江戸幕府、承久の乱など戦のイメージが強い鎌倉幕府。それに比べて室町幕府はなんとなく弱く感じますね。金閣寺を作った3代将軍・義満は例外として、将軍が守護大名の力を抑えられていないイメージでしょうか」 司馬遼太郎の小説「箱根の坂」には「国王(=将軍)というには、所領がすくなすぎた」「初代将軍・尊氏は気前が良く、家来に土地を分け与えていた」と