日本のエネルギーを取り巻く環境は、極めて脆弱(ぜいじゃく)な状態だ。 今年のエネルギー白書によると、原発の停止で火力発電向けの燃料輸入が急増し、直近のエネルギー自給率は6%にまで低下した。日本中がパニックに陥った第1次石油危機時の9%を下回る水準である。 火力発電所がフル稼働していることで、温室効果ガスの排出も増加している。このままでは日本が公約した国際的な温室効果ガスの排出削減目標の達成も危うい。 こうした客観的な事実を踏まえて危機感を共有し、安全性を確認した原発の早期再稼働を含めた現実的な対策が必要だ。 東京電力の福島第1原発事故を受け、国内の原発は相次いで運転を停止している。昨年9月から稼働する原発はゼロだ。こうした異常事態が、わが国のエネルギー事情に深刻な打撃を与えている。 フル操業が続く火力発電は、その燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っている。昨年度の電源全体に占める化石燃料比