この記事の3つのポイント 人間がどんなにがんばっても物理の法則は枉げられない 人間の「無理」と物理の「無理」を取り違える人がいる 技術への政治の介入は、もはや業と言ってもいいのかも 前回、「正論とか正義とかいうものは、理念の前に気質であり体質なのだろう」と書いた(「戦ってしまう『正義体質な人』の悲劇と栄光」)。そうしたら、エンジニアの知人から「技術の世界は基本『正義体質』じゃないと動かない(なにしろ相手は物理現象なので)のだが、やはり往々にして『人間様の都合』で妥協を強いられることばかり」という反応をもらった。 そうなのだ。正義とは人間社会のみに通用する概念だが、これが自然を相手にするエンジニアリングとなると、自然現象そのものが人間社会における“正義”に相当することになる。 いや、正義と言うよりも「絶対の掟(おきて)」と言ったほうが理解しやすいかもしれない。 どんなに人間ががんばっても熱力