主に新大阪と和歌山県内を結ぶJR西日本の特急「くろしお」での車内販売が13日で終了する。これでJR西日本管内を走る全ての在来特急で車内販売が姿を消すことになる。15年前から販売員を務める小牧有紀子さん(35)(和歌山市加納)は「思い出の詰まった電車に乗れなくなるのはさみしいけれど、最後まで笑顔で頑張りたい」と話す。(梨木美花) くろしおは最長では京都―新宮をつなぐが、現在、車内販売は新大阪―白浜間のみで行われている。小牧さんが仕事を始めた頃は京都から新宮までの片道約4時間半の全区間で販売していた。 なかでも白浜から新宮にいたる道中は比較的カーブが多く、車体のバランスをとるための「振り子装置」が機能し、よく揺れることでも知られる。この区間で車内販売をする時は、乗り物酔いのような状態になった乗客に、気分をさっぱりしてもらうため、炭酸入りジュースを勧めたのが小牧さんにとっても懐かしい思い出だ。